登録販売者試験で問われる「OTC医薬品(スイッチOTC医薬品・ダイレクトOTC医薬品)」が手引きで登場するところをまとめたページ。「OTC医薬品」は、試験の序盤にはやらなくていいが、試験の終盤や直前にチェックすべき論点。「基本知識」、「法規」、「適正使用」の3科目に登場する。「OTC医薬品」の試験に出そうなポイントや例題をまとめる。独学者向け。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 登録販売者, 登録販売者 まとめ, 登録販売者 基本的知識
「OTC医薬品」ですが、これまでは、登場するのが「注記」の部分であったため、ほとんど問われたことがありませんでした。
しかし、令和4年度の改正で、「基本知識」の手引き本文に登場しています。
よって、今後は、問われることが本格化するかと思います。
また、昨今では、「注記」部分からも、ドンドコ問われているので、押えておくべき論点となっています。
「基本知識」、「法規」、「適正使用」にて、「OTC医薬品」が出てくる記述を、以下に挙げておきます。
試験勉強の序盤は無用ですが、終盤から直前期あたりで、本腰を入れてください。念のため、このページを「お気に入り」に入れておいてください。
「基本知識」にて「OTC医薬品」が登場するのは、「I 医薬品概論」の「4)セルフメディケーションへの積極的な貢献」のところです。
まずもって、一番出題されるだろう予想されるのが「基本知識」の「OTC医薬品」です。
というのも、手引きの本文中に「OTC医薬品」が出てくるのは、当該「基本知識」だけだからです。(法規、適正使用は、注記にのみ登場。)
そして、令和4年度の改正事項であるので、この点でも、試験に狙われやすいと言えましょう。
しかしながら、「基本知識」ですので、おそらく凝った出題はなく、語句の定義や手引きの記載内容をストレートに問うくらいが関の山かと思われます。
さて、「OTC医薬品」の記述を手引きから抜粋すると…、
「平成29年1月からは、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、」
「条件を満たした場合にスイッチOTC医薬品(iv)の購入の対価について、一定の金額をその年分の総所得金額等から控除するセルフメディケーション税制が導入され、」
「令和4年1月の見直しにより、スイッチOTC医薬品以外にも腰痛や肩こり、風邪やアレルギーの諸症状に対応する一般用医薬品が税制の対象となっている」
…となっています。
そして、「注記」部分の記載は…、
「iv 一般用医薬品は、カウンター越しに(OTC(Over The Counter))販売等されることからOTC医薬品と呼ばれ、」
「このうち、医師等の診断、処方箋に基づき使用されていた医療用医薬品を薬局や店舗販売業などで購入できるように転用(スイッチ)した医薬品をスイッチOTC医薬品という」
…となっています。
まずもって、語句の「定義」を押えましょう。ここが一番よく出るはずです。
以下の…、
「カウンター越しに(OTC(Over The Counter))販売されるもの…OTC医薬品」
「医療用医薬品からの転用されたもの…スイッチOTC医薬品」
…は、そのままが選択肢で問われたり、「入れ替え問題」で問われる公算が大です。
たとえば、「OTC医薬品とは、医療用医薬品からの転用されたものを言う」とか、「カウンター越しに販売されるものを、スイッチOTC医薬品という」といった出題が予想されます。両方とも、「×」です。
次に、セルフメディケーション税制の「OTC医薬品」ですが、テキストを精読しておけば事が足りると思います。
というのも、問題を作り難いためです。
仮に出題されても、「セルフメディケーション税制は、令和4年1月に見直しされ、かぜ薬等が控除の対象となったが、スイッチOTC医薬品は、未だその対象となっていない」くらいのレベルかと思われます。
当然、「×」です。
基本知識の「OTC医薬品」は、こんな次第なので、テキストを精読しておきましょう。
法規の「OTC医薬品」ですが、【一般用医薬品のリスク区分】の「注記」部分に登場します。
ややこしいので、そのすべてを押さえるのではなく、ポイントだけに絞りましょう。
手引きの記載は…、
「① 第一類医薬品(法第36条の7第1項第1号)」
「略」
「また、同号の後段に規定される「その製造販売の承認の申請に際して第14条11項に該当するとされた医薬品」とは、既存の要指導医薬品及び一般用医薬品と有効成分、分量、用法用量、効能効果等が明らかに異なるもののうち、一般用医薬品とされた医薬品cxcivであり、一般用医薬品としての使用経験が少なく、より慎重に取り扱われる必要があり、」
「その承認を受けてから規則第159条の2に定める期間cxcvを経過しないものである。」
「cxciv 医療用医薬品において使用されていた有効成分を一般用医薬品において初めて配合したもの(いわゆるスイッチOTC医薬品)や、既存の医薬品と明らかに異なる有効成分が配合されたもの(いわゆるダイレクトOTC)等」
「cxcv いわゆるダイレクトOTC医薬品については、法第14条の4第1項第1号の規定に基づく再審査期間(同条第2項の規定による延長が行われたときは、その延長後の期間)に1年を加えた期間。いわゆるスイッチOTC医薬品については、法第79条第1項の規定に基づく承認条件として付された製造販売後の安全性調査期間に1年を加えた期間。ただし、承認にあたって要指導医薬品として指定されたものについては、要指導医薬品から第1類医薬品に移行してから原則1年間。
…となっています。
憶えるべきは、「注記」部分です。
「基本知識」同様に、まずは、定義をガチっと押えましょう。
「医療用医薬品において使用されていた有効成分を一般用医薬品において初めて配合したもの・・・スイッチOTC医薬品」
「既存の医薬品と明らかに異なる有効成分が配合されたもの…ダイレクトOTC」
当該語句の定義ですが、応用問題が「福島県 R3 第98問」で、出題されています。
んなもんで、本試験では、定義そのものが問われたり、“おなじみ”のスイッチOTC医薬品とダイレクトOTCの「入れ替え」問題が予想されます。
たとえば…、
「医療用医薬品において使用されていた有効成分を一般用医薬品において初めて配合したものを“ダイレクトOTC”という」とか…、
「既存の医薬品と明らかに異なる有効成分が配合されたものを“スイッチOTC医薬品”という」などです。
両方とも「×」です。
本試験で問われるにしても、基本的なものでしょうから、定義は、正確に憶えてしまいましょう。
次に、「規則第159条の2に定める期間cxcv」ですが、これはもう、費用対効果から、数字の「1年」を憶えるにとどめましょう。
先の記述には、「再審査期間に1年」「安全性調査期間に1年」「要指導医薬品から第1類医薬品に移行してから原則1年」と「1年」が共通しています。
んなもんで、起算日等は捨ててしまい、「OTCの数字は、1年」と、ざっくり憶えるのが賢明かと思います。
余裕があれば、起算日等まで押さえたらいいですが、そうでないなら、「捨て問」としましょう。わたしなら、再審査期間や安全性調査期間がガチで問われたら、即、「捨て問」とするでしょう。
適正使用の「OTC医薬品」ですが、「V 一般用医薬品に関する主な安全対策」の「(a) アンプル入りかぜ薬」の「注記」部分に登場します。
言うほど、ガチなものではないので、ざっくり見ておけばいいです。
その記述ですが…、
「(a) アンプル入りかぜ薬」
「解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用による重篤な副作用(ショック)で、(略)、アンプル入りかぜ薬製品の回収が要請された。」
「その後、アンプル剤以外の一般用かぜ薬についても、1970年に承認基準ccxxxviiiが制定され、成分・分量、効能・効果等が見直された」
「ccxxxviii 承認審査の合理化、透明化を図るため、薬効群ごとに、その成分・分量、用法・用量、効能・効果等に関する概括的な基準を定めたもので、現在、かぜ薬のほか(略)について、承認基準が制定されている。」
「いわゆるスイッチOTC医薬品等、承認基準に合致しない医薬品については、製薬企業が承認申請を行うに際してより詳細な資料の提出が要求され、有効性、安全性及び品質に関して厳格な審査が行われる。」
…となっています。
手引き本文ではなく、「注記」部分であり、かつ、例示としての登場なので、そう突っ込んだ出題はないでしょう。
試験に出るとしたら、「スイッチOTC医薬品等、承認基準に合致しない医薬品については、製薬企業が承認申請を行うに際してより詳細な資料の提出が要求されている」といった感じで、先の記述が選択肢に丸ごと出るくらいかと思います。
クソみたいな出題者に当たったときは、「“ダイレクトOTC”等、承認基準に合致しない医薬品ウンヌン」などと変えられるかもですが、まあ、ここをいじるのは、出題者の名誉からも、「ない」でしょう。
以上、OTC医薬品の論点をまとめました。
もうそろそろ問われてもおかしくない語句なので、試験の中盤以降に、押えてみてください。
2022年5月26日 9:08 PM
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