世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
WHOの医薬品の副作用の定義がそこそこ出ます。
押さえておくべきは、「人に通常用いられる量」と「有害かつ意図しない反応」のところです。
過剰に用いられたものは、副作用じゃないです。
意図しないからこそまずいのであって、意図的なものは、副作用じゃないです。
次の記述でも載っていますが、有害でないなら、副作用じゃないです。
たとえば、ビタミンB1を過剰に摂ると、おしっこが黄色くなりますが、害はないので、副作用扱いされてませんね。
副作用の定義は、「穴埋め問題」でも出るので、シッカリ読んでおきましょう。 特に、注意すべき記述・キーワードは「ない」ですが、試験には出ているところです。
んでは、本文に戻ります。
医薬品の副作用は、発生原因の観点から次のように大別することができる。
医薬品の有効成分である薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用という。通常、薬物は複数の薬理作用を併せ持つため、医薬品を使用した場合には、期待される有益な反応(主作用)以外の反応が現れることがある。
主作用以外の反応であっても、特段の不都合を生じないものであれば、通常、副作用として扱われることはないが、好ましくないものについては一般に副作用という。
複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、その疾病に対して薬効をもたらす一方、別の疾病に対しては症状を悪化させたり、治療が妨げられたりすることもある。
特に、注意すべき記述・キーワードは「ない」ですが、試験には出ているところです。
「広島県 R5 第1問」の選択肢aやbといった出題例があります。
ゆめゆめ、読み飛ばさないようにしてください。
免疫は、本来、細菌やウイルスなどが人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる反応であるが、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることがある。
通常の免疫反応の場合、炎症やそれに伴って発生する痛み、発熱等は、人体にとって有害なものを体内から排除するための必要な過程であるが、アレルギーにおいては過剰に組織に刺激を与える場合も多く、引き起こされた炎症自体が過度に苦痛を与えることになる。
このように、アレルギーにより体の各部位に生じる炎症等の反応をアレルギー症状といい、流涙や眼の痒み等の結膜炎症状、鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹、かぶれ等の皮膚症状、血管性浮腫(※1)のようなやや広い範囲にわたる腫れ等が生じることが多い。
アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものであるため、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものであり、また、内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされることがある。
『皮膚の下の毛細血管が拡張して、その部分に局所的な腫れを生じるもので、蕁麻疹と異なり、痒みを生じることは少ない。全身で起こり得るが、特に目や口の周り、手足などで起こる場合が多い。』
「血管性浮腫」ですが、なんと、出題実績があります。「広島県 R6 第6問」です。
過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、チェックしておきましょう。
これといって暗記ポイントは、「ない」のですが、アレルギーは、副作用の1つでもあるので、よく問われる記述です。
出題例としては、「高知県 R2 第5問」などがあります。
知っている方もあるでしょうが、精読しておくべきです。
読み落とさないでほしいのが最後の記述の…、
「アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こり得るもの」
「医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るもの」
「内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされることがある。」
…のところです。
特に最後のは、たとえば、「アレルギーは、内服薬では起きるが、外用薬では起きない」などと出題されます。
アレルギーが“あらゆる物質で起こりえる”以上、内服薬でも外用薬でも生じます。
んでは、本文に戻ります。
さらに、医薬品の有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物(※2)も、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となり得る。
アレルゲンとなり得る添加物としては、黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム等)等が知られている。
普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、医薬品がアレルゲンになることがあり、思わぬアレルギーを生じることがある。
また、アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。
医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人は、その原因となった医薬品の使用を避ける必要がある。
また、医薬品の中には、鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もある。
『有効成分を医薬品として製する(「製剤化する」という)のに際して、その安定性、安全性又は均質性を保持し、また、その製剤の特徴に応じて、有効成分の溶解促進、放出制御等の目的で添加される物質。』
当該注記は、ざっくり見ておけばいいでしょう。
試験では、そっくりそのままが出るくらいが関の山かと思われます。
たとえば、「添加物とは、安定性、安全性又は均質性を保持し、また、その製剤の特徴に応じて、有効成分の溶解促進、放出制御等の目的で添加される物質である」くらいの出題かと思います。
「添加物も、アレルゲン」は、ド定番論点です。ガチで押さえておきましょう。
しばしば、添加物の具体的な名称を問う出題が、ちらほらあります。
「黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム等)」のところは、ガチ暗記は無用ですが、これらが「添加物」であることは、認識しておきましょう。
「愛知県 R4 第5問」のように、出ています。
「普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人」以下の記述は、問題にしやすいためか、よく試験に登場します。
「岡山県 R4 第4問」や「福岡県 R2 第8問」といった出題例があります。
ガチ暗記まではしなくていいですが、必ず内容を理解しておきましょう。
個人的に好きな過去問は、「医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人は、その原因となった医薬品の使用を“減らさないといけない”」です。
「×」ですね。減らすのではなく、使用を避けないといけません。
ホント、いろいろ形を変えて出題されるので、精読しておくべきです。
次に、「鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがある」のところですが、ここもよく出ます。
「食べ物アレルギー系(牛乳アレルギー・ゼラチン)のまとめ」を参考に、ガチで押えておきましょう。
「医薬品」でも、「適正使用」でも、出ます!!!
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