本問は、会計・仕訳の問題で、例年通りの出題です。仕訳の知識がないと、本問はまず解けません。後段の「仕訳がまったくわからない人に」で述べているように、「無理なら無理」で、捨て問にします。
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本問の難易度は、「やや難」です。
簿記2級を持っているわたしでも、そこそこ時間を食いました。
無理なら、無理でいいですな。
まず、「ア」から見ていきましょう。
「平成31年2月末日までに普通預金口座に入金された管理費・修繕積立金」ですが、その内訳は…、
① 平成31年3月分 管理費 1,300,000円
② 平成31年3月分 修繕積立金 650,000円
…となっています。
「2月」に、翌月の「3月」の管理費等が入金されています。
「厳密な発生主義会計」ですから、2月末で、管理費等で処理しません。
このことから、「2月末日」には…、
借方:普通預金 1,300,000
貸方:前受金 1,300,000
と…、
借方:普通預金 650,000
貸方:前受金 650,000
…という、仕訳が切られたことになります。
これらは、「2月」で切られた仕訳なので、注意してください。最終解答には、貸方の「前受金」しか、影響しません。
次に、「イ」です。
「イ」は、「3月期」の「管理費」の項目です。
まずもって、「2月末」に計上されていた「前受金」を、正式な「管理費収入」に振り替えます。
仕訳は…、
借方:前受金 1,300,000
貸方:管理費収入 1,300,000
…となります。
で、「3月期」の取引を見ていきましょう。
内訳を見ると…、
① 平成31年2月以前分 150,000円
② 平成31年3月分 200,000円
③ 平成31年4月分 1,200,000円
…とあります。
①の「2月以前分」ですが、これは、過去に「管理費収入」で処理されていたが、入金がまだのため、「未収入金」で処理されていたものです。
それが、当該3月に入金されたので、その分だけ、「未収入金」を減らす処理を行います。
仕訳は…、
借方:普通預金 150,000
貸方:未収入金 150,000
…となります。
②ですが、「3月分」とあるので、そっくりのそまま、「管理費収入」で処理します。
仕訳は…、
借方:普通預金 200,000
貸方:管理費収入 200,000
…となります。
③の「4月分」ですが、これは、来月分なので、「前受金」で処理します。
仕訳は…、
借方:普通預金 1,200,000
貸方:前受金 1,200,000
…となります。
次に、「ウ」です。
「ウ」は、「3月期」の「修繕積立金」の項目です。
まずもって、「2月末」に計上されていた「前受金」を、正式な「修繕積立金収入」に振り替えます。
仕訳は…、
借方:前受金 650,000
貸方:修繕積立金収入 650,000
…となります。
次に、「内訳」を見ると…、
① 平成31年2月以前分 70,000円
② 平成31年3月分 100,000円
③ 平成31年4月分 600,000円
…となっています。
先の管理費と、同じように処理します。
①の「2月以前分」ですが、仕訳は…、
借方:普通預金 70,000
貸方:未収入金 70,000
…となります。
②ですが、「3月分」とあるので、そっくりのそまま、「修繕積立金収入」で処理します。
仕訳は…、
借方:普通預金 100,000
貸方:修繕積立金収入 100,000
…となります。
③の「4月分」ですが、これは、来月分なので、「前受金」で処理します。
仕訳は…、
借方:普通預金 600,000
貸方:前受金 600,000
…となります。
「3月末」までに入金されていないものの処理です。
内訳は…、
① 平成31年3月分 管理費 60,000円
② 平成31年3月分 修繕積立金 30,000円
…です。
未入金のものは、「未収入金」で処理します。
んで、3月の管理費・修繕積立金は、3月に計上されていて然るべきものなので、「収入」扱いで処理します。
仕訳は…、
借方:未収入金 90,000
貸方:管理費収入 60,000
貸方:修繕積立金収入 30,000
…となります。
これまでに切った仕訳を合体させましょう。
「イ」の仕訳は…、
借方:前受金 1,300,000
借方:普通預金 150,000
借方:普通預金 200,000
借方:普通預金 1,200,000
貸方:管理費収入 1,300,000
貸方:未収入金 150,000
貸方:管理費収入 200,000
貸方:前受金 1,200,000
…です。
「ウ」の仕訳は…、
借方:前受金 650,000
借方:普通預金 70,000
借方:普通預金 100,000
借方:普通預金 600,000
貸方:修繕積立金収入 650,000
貸方:未収入金 70,000
貸方:修繕積立金収入 100,000
貸方:前受金 600,000
…です。
「エ」の仕訳は…、
借方:未収入金 90,000
貸方:管理費収入 60,000
貸方:修繕積立金収入 30,000
…です。
「借方」だけまとめると…、
借方:前受金 1,300,000
借方:普通預金 150,000
借方:普通預金 200,000
借方:普通預金 1,200,000
借方:前受金 650,000
借方:普通預金 70,000
借方:普通預金 100,000
借方:普通預金 600,000
借方:未収入金 90,000
…です。
重複した勘定を整理すると…、
借方:前受金 1,950,000
借方:普通預金 2,320,000
借方:未収入金 90,000
…となります。
「貸方」だけまとめると…、
貸方:管理費収入 1,300,000
貸方:未収入金 150,000
貸方:管理費収入 200,000
貸方:前受金 1,200,000
貸方:修繕積立金収入 650,000
貸方:未収入金 70,000
貸方:修繕積立金収入 100,000
貸方:前受金 600,000
貸方:管理費収入 60,000
貸方:修繕積立金収入 30,000
…です。
重複した勘定を整理すると…、
貸方:管理費収入 1,560,000
貸方:修繕積立金収入 780,000
貸方:前受金 1,800,000
貸方:未収入金 220,000
…となります。
よって、答えは、「4」となります。
正直言うと、管理業務主任者のテキストでは、仕訳は理解できません。
管理業務主任者のテキストは、圧倒的に記述量が少ないです。また、練習問題がまったく足りないため、実力が付きません。わたしでも、“これだけ”なら、厳しかったはずです。
本試験までに時間のある人は、たとえば、4月~9月にある人なら、いっそのこと、簿記3級の勉強をしてください。テキストで悪戦苦闘するより、絶対的に効率的です。
簿記3級の勉強については「簿記3級の独学」を、テキスト・問題集は「スッキリわかる 日商簿記3級」を使えばいいでしょう。
簿記3級の一通りの勉強が済めば、管理業務主任者の仕訳問題は、100%取れるようになります。
簿記3級レベルなら、2~3週間もあれば、習得できます。勝手の悪い管理業務主任者のテキストで勉強するより、わずかなコストと多少の時間を割いて簿記3級の勉強するほうが賢明です。
次に、本試験まで時間のない人です。
テキストを3回読んで、そして、過去問を3回解いて、まったく要領がつかめないなら、捨てます。
繰り返しますが、管理業務主任者のテキストで、仕訳を理解せよという方が無理です。
過去問の解き方だけ押えて、後は、ざっくり捨ててしまい、他の問題で失点をカバーできるようになる方が合格に近づくでしょう。
仕訳問題は、「無理なら無理」で、割り切って対処してください。
正解:4
…と相なります。
1問:民法‐相続・・・「ふつう」。
2問:民法‐贈与契約・・・「ふつう」。
3問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。
4問:民法‐留置権・・・「やや難」。
5問:民法‐保証契約・・・「やや難」。
6問:民法‐同時履行の抗弁権・・・「やや難」。
7問:標管委託契約書‐総合問題1・・・「ふつう」。
8問:標管委託契約書‐総合問題2・・・「ふつう」。
9問:標管委託契約書‐総合問題3・・・「ふつう」。
10問:滞納等・・・「ふつう」。
11問:時効の中断・・・「ふつう」。
12問:標準管理規約‐修繕積立金・・・「ふつう」。
13問:標準管理委託契約書‐管理事務報告・・・「ふつう」。
14問:標準管理規約‐監事・・・「ふつう」。
15問:会計・仕訳1・・・「やや難」。
16問:会計・仕訳2・・・「やや難」。
17問:建築基準法‐共同住宅の共有階段・・・「やや難」。
18問:建築基準法‐用途地域・・・「難」。
19問:建築基準法‐容積率・・・「ふつう」。
20問:特定住宅瑕疵担保責任履行・・・「ふつう」。
21問:マンションの構造・部材・・・「やや難」。
22問:建築士法・・・「難」。
23問:雨水排水設備・・・「ふつう」。
24問:消防用設備・・・「やや難」。
25問:LEDランプ・・・「やや難」。
26問:共用部分の工事・・・「ふつう」。
27問:長期修繕計画作成ガイドライン1・・・「やや難」。
28問:長期修繕計画作成ガイドライン2・・・「やや難」。
29問:標準管理規約‐共用部分の範囲・・・「ふつう」。
30問:標準管理規約‐団地総会・・・「難」。
31問:標準管理規約‐利益相反行為・・・「ふつう」。
32問:標準管理規約‐複合用途型マンション・・・「難」。
33問:標準管理規約‐専有部分の修繕・・・「ふつう」。
34問:標準管理規約‐役員任期・・・「ふつう」。
35問:区分所有法‐罰則・・・「難」。
36問:区分所有法‐専有部分の用途・・・「ふつう」。
37問:区分所有法‐規約別段定め・・・「やや難」。
38問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。
39問:判例:理事長の解任・・・「やや難」。
40問:品確法・・・「ふつう」。
41問:地震保険・・・「ふつう」。
42問:借地借家法等・・・「ふつう」。
43問:マンション建替円滑化法・・・「ふつう」。
44問:各種法令・・・「ふつう」。
45問:宅建業法・・・「ふつう」。
46問:マンション管理適正化指針・・・「ふつう」。
47問:適正化法‐財産分別管理・・・「ふつう」。
48問:適正化法‐重要事項の説明・・・「ふつう」。
49問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。
50問:適正化法‐業者登録・・・「ふつう」。
使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、
過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。
予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。
民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。
お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。
苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。
時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。
独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。
また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。
管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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