6問‐管理業務主任者 R1過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、「民法」‐「同時履行の抗弁権」の問題です。「同時履行の抗弁権」が横断的に問われており、管理業務主任者としては、難しい部類に入ります。テキストを精読し、当該問題は、今後の出題に備えて、解けるようになっておきましょう。

6問‐民法‐同時履行の抗弁権

 

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 本問の難易度は、「やや難」です。

 なお、解答はこちら(数字のみ)です。

法改正に注意

 ごぞんじのように、「民法」は「大改正」が行われています。

 過去問の問題は、「過去の民法」の問題です。

 本ページは、当時の過去問に、当時の解説を付与しています。

 現状の「改正された民法」には対応していないので、傾向把握の一環として、活用ください。

 参考:民法改正 インデックス

選択肢1

 選択肢1の「AB間の売買契約を、売主Aが、買主Bの詐欺を理由として取り消した場合においては、Aの原状回復義務とBの原状回復義務とは同時履行の関係に立たない。」ですが、誤った記述です。

 選択肢の場合、同時履行の関係に立ちます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢2

 選択肢2の「AB間の建物の賃貸借契約が期間の満了により終了する場合において、それに伴う賃貸人Aの敷金返還債務と賃借人Bの建物明渡債務とは、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立たない。」ですが、正しい記述です。

 判例の問題です。

 選択肢のいうように、敷金返還債務と建物明渡債務とは、同時履行の関係に立ちません。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「AB間の借地契約の終了に伴い、賃貸人Aに対して賃借人Bの建物買取請求権が行使された場合においては、その土地の賃貸人Aの建物代金債務と賃借人Bの建物土地明渡債務とは、同時履行の関係に立つ。」ですが、正しい記述です。

 選択肢のいうように、建物代金債務と建物土地明渡債務とは、同時履行の関係に立ちます。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 選択肢4の「AB間の金銭消費貸借契約にかかる担保のために、債権者Aに対して債務者Bが、自己所有の土地に抵当権を設定した場合においては、Aの抵当権設定登記の抹消義務とBの債務の弁済とは、同時履行の関係に立たない。」ですが、正しい記述です。

 抵当権設定登記の抹消義務と債務の弁済とは、同時履行の関係に立ちません。

 そもそも、債務を弁済すれば、正当な登記権利者になります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…、

 正解:1

 …と相なります。

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R1過去問一覧

 1問:民法‐相続・・・「ふつう」。

 2問:民法‐贈与契約・・・「ふつう」。

 3問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。

 4問:民法‐留置権・・・「やや難」。

 5問:民法‐保証契約・・・「やや難」。

 6問:民法‐同時履行の抗弁権・・・「やや難」。

 7問:標管委託契約書‐総合問題1・・・「ふつう」。

 8問:標管委託契約書‐総合問題2・・・「ふつう」。

 9問:標管委託契約書‐総合問題3・・・「ふつう」。

 10問:滞納等・・・「ふつう」。

 11問:時効の中断・・・「ふつう」。

 12問:標準管理規約‐修繕積立金・・・「ふつう」。

 13問:標準管理委託契約書‐管理事務報告・・・「ふつう」。

 14問:標準管理規約‐監事・・・「ふつう」。

 15問:会計・仕訳1・・・「やや難」。

 16問:会計・仕訳2・・・「やや難」。

 17問:建築基準法‐共同住宅の共有階段・・・「やや難」。

 18問:建築基準法‐用途地域・・・「難」。

 19問:建築基準法‐容積率・・・「ふつう」。

 20問:特定住宅瑕疵担保責任履行・・・「ふつう」。

 21問:マンションの構造・部材・・・「やや難」。

 22問:建築士法・・・「難」。

 23問:雨水排水設備・・・「ふつう」。

 24問:消防用設備・・・「やや難」。

 25問:LEDランプ・・・「やや難」。

 26問:共用部分の工事・・・「ふつう」。

 27問:長期修繕計画作成ガイドライン1・・・「やや難」。

 28問:長期修繕計画作成ガイドライン2・・・「やや難」。

 29問:標準管理規約‐共用部分の範囲・・・「ふつう」。

 30問:標準管理規約‐団地総会・・・「難」。

 31問:標準管理規約‐利益相反行為・・・「ふつう」。

 32問:標準管理規約‐複合用途型マンション・・・「難」。

 33問:標準管理規約‐専有部分の修繕・・・「ふつう」。

 34問:標準管理規約‐役員任期・・・「ふつう」。

 35問:区分所有法‐罰則・・・「難」。

 36問:区分所有法‐専有部分の用途・・・「ふつう」。

 37問:区分所有法‐規約別段定め・・・「やや難」。

 38問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。

 39問:判例:理事長の解任・・・「やや難」。

 40問:品確法・・・「ふつう」。

 41問:地震保険・・・「ふつう」。

 42問:借地借家法等・・・「ふつう」。

 43問:マンション建替円滑化法・・・「ふつう」。

 44問:各種法令・・・「ふつう」。

 45問:宅建業法・・・「ふつう」。

 46問:マンション管理適正化指針・・・「ふつう」。

 47問:適正化法‐財産分別管理・・・「ふつう」。

 48問:適正化法‐重要事項の説明・・・「ふつう」。

 49問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。

 50問:適正化法‐業者登録・・・「ふつう」。

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

 過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。

 予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。

民法入門

 民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。

 お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。

会計・仕訳問題

 苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。

 時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。

 独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。

PDF過去問演習

 また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。

管理業務主任者のこまごましたもの

 管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。

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