本問は、民法‐「留置権」の問題です。「留置権」というマイナーな論点に加え、判例までも問われているので、管理業務主任者としては、難しい部類に入ります。テキストを精読しておきましょう。今後の出題に備えて、チェックだけはしておきましょう。
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本問の難易度は、「やや難」です。
選択肢1の「AB間で建物甲(以下、本問において「甲」という。)につき売買契約が締結されたが、買主Bが代金を支払わずに甲をCに転売し、Cへの登記を済ませた場合においては、Aは、Cからの甲の所有権に基づく引渡請求に対し、甲について留置権を主張することができる。」ですが、正しい記述です。
留置権とは、「債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる権利」です。
よって、Bが代金を支払わない以上、引渡しを拒むことができます。
また、留置権は、「物権」なので、誰にでも主張することができます。
よって、Aは、Cに対しても、主張できます。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢2の「AB間で甲につき売買契約が締結され、売主Aが買主Bへの登記を済ませたが、代金の支払いがなされていなかった場合において、Bへの引渡し前に甲が火災により焼失したときは、Aは、売買代金を確保するため、Bが取得する火災保険金請求権に対し、留置権に基づく物上代位をすることができる。」ですが、誤った記述です。
留置権には、物上代位性がありません。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢3の「Aが、Bに甲を譲渡し、その後、Cにも甲を譲渡した場合において、CがBより先に登記を備えたときは、Bは、Aに対する履行不能に基づく填補賠償請求権を保全するため、甲について留置権を主張することができる。」ですが、誤った記述です。
判例問題です。
留置権が成立するには、被担保債権の債務者と、引渡し請求権者の両者が同一である必要があります。
選択肢の場合、被担保債権の債務者がBで、引渡し請求権者が登記のあるCなので、留置権が成立しません。
まあ、二重譲渡の場合、留置権は不成立くらいに憶えておきましょう。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢4の「AB間における甲の賃貸借契約が終了し、賃借人Bが賃貸人Aに対して造作買取請求権を行使した場合においては、Bは、その造作代金債権を保全するため、甲について留置権を主張することができる」ですが、誤った記述です。
判例によると、造作について生じた債権であり、建物に関する債権ではないので、建物に対する留置権は認められていません。
よって、選択肢は、「誤」となります。
「1」は「正」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「誤」です。
「4」は「誤」です。
本問は、「正しいものものはどれか?」ですので…、
正解:1
…と相なります。
1問:民法‐相続・・・「ふつう」。
2問:民法‐贈与契約・・・「ふつう」。
3問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。
4問:民法‐留置権・・・「やや難」。
5問:民法‐保証契約・・・「やや難」。
6問:民法‐同時履行の抗弁権・・・「やや難」。
7問:標管委託契約書‐総合問題1・・・「ふつう」。
8問:標管委託契約書‐総合問題2・・・「ふつう」。
9問:標管委託契約書‐総合問題3・・・「ふつう」。
10問:滞納等・・・「ふつう」。
11問:時効の中断・・・「ふつう」。
12問:標準管理規約‐修繕積立金・・・「ふつう」。
13問:標準管理委託契約書‐管理事務報告・・・「ふつう」。
14問:標準管理規約‐監事・・・「ふつう」。
15問:会計・仕訳1・・・「やや難」。
16問:会計・仕訳2・・・「やや難」。
17問:建築基準法‐共同住宅の共有階段・・・「やや難」。
18問:建築基準法‐用途地域・・・「難」。
19問:建築基準法‐容積率・・・「ふつう」。
20問:特定住宅瑕疵担保責任履行・・・「ふつう」。
21問:マンションの構造・部材・・・「やや難」。
22問:建築士法・・・「難」。
23問:雨水排水設備・・・「ふつう」。
24問:消防用設備・・・「やや難」。
25問:LEDランプ・・・「やや難」。
26問:共用部分の工事・・・「ふつう」。
27問:長期修繕計画作成ガイドライン1・・・「やや難」。
28問:長期修繕計画作成ガイドライン2・・・「やや難」。
29問:標準管理規約‐共用部分の範囲・・・「ふつう」。
30問:標準管理規約‐団地総会・・・「難」。
31問:標準管理規約‐利益相反行為・・・「ふつう」。
32問:標準管理規約‐複合用途型マンション・・・「難」。
33問:標準管理規約‐専有部分の修繕・・・「ふつう」。
34問:標準管理規約‐役員任期・・・「ふつう」。
35問:区分所有法‐罰則・・・「難」。
36問:区分所有法‐専有部分の用途・・・「ふつう」。
37問:区分所有法‐規約別段定め・・・「やや難」。
38問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。
39問:判例:理事長の解任・・・「やや難」。
40問:品確法・・・「ふつう」。
41問:地震保険・・・「ふつう」。
42問:借地借家法等・・・「ふつう」。
43問:マンション建替円滑化法・・・「ふつう」。
44問:各種法令・・・「ふつう」。
45問:宅建業法・・・「ふつう」。
46問:マンション管理適正化指針・・・「ふつう」。
47問:適正化法‐財産分別管理・・・「ふつう」。
48問:適正化法‐重要事項の説明・・・「ふつう」。
49問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。
50問:適正化法‐業者登録・・・「ふつう」。
使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、
過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。
予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。
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苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。
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