本問は、税務:消費税についての出題です。基準期間と特定期間での課税業者の当否について、問われています。当該規定は、テキストに載ってないこともあり、手を焼くはずです。できなかった人は、今後に備えて、復習だけはキッチリしておきましょう。
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本問の難易度は、「難」です。
お使いのテキストでは、載ってないかもしれません。
今年、問われた論点は、以降の試験で出る可能性が「大」なので、しっかり、復習だけはしておきましょう。
判定方法は、ガチで憶えておきましょう。
用語を整理しておきます。
「基準期間」とは、「前々年度」の会計期間をいいます。
当該期間の課税売上が1,000万円以下なら、「非課税事業者」です。
逆を言うと、1,000万円超なら、「課税事業者」です。
んで、「特定期間」とは、「前年度の上半期」の会計期間をいいます。
当該期間の課税売上が1,000万円以下または給与等支払額が1,000万円以下なら、「非課税事業者」です。
基準期間では、売上高と給与等支払額のうち、どちらかが「1,000万円以下」なら、「非課税事業者」となります。
逆を言うと、両方とも1,000万円超なら、「課税事業者」です。
参考:以下・以上・未満・超える
1の「基準期間における管理組合が運営する売店の売上高は820万円、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入は120万円であり、特定期間の当該売店の売上高は750万円、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入は60万円であったが、特定期間の給与等支払額は1,025万円であった。」ですが、課税事業者にはなりません。
「売店」の売上高は820万円は、課税売上として計算します。
んで、「組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入」の120万円も、課税売上として計算します。
「820+120」で「940」万円が課税売上となり、基準期間では、「非課税事業者」となります。
次に、「特定期間」で見ていきましょう。
特定期間の売上高は750万円で、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入は60万円なので、「750+60」で「810万円」となります。
1,000万円を超過してないので、特定期間でも、「非課税事業者」となります。
よって、「課税事業者にはならない」です。
なお、特定期間の給与等支払額「1,025万円」ですが、売上高のほうで「非課税事業者」となるので、無視してよい数字です。
2の「基準期間における管理組合の全収入は1,120万円で、その内訳は、管理費等収入が950万円、駐車場使用料収入が145万円(組合員以外の第三者からのもの28万円を含む)、専用庭使用料収入が25万円であったが、基準期間以降についても、同額の収入構成であった。」ですが、課税事業者にはなりません。
「基準期間」から見ていきましょう。
全収入は「1,120万円」です。
しかし、その内訳のうち、管理費等収入の950万円は、非課税取引なので、除外されます。
んで、駐車場使用料収入の145万円ですが、(組合員以外の第三者からのもの28万円を含む)とあります。
ということは、「145-28」の「117万円」は、組合員からの収入となるので、これも、非課税取引で、除外されます。
専用庭使用料収入の25万円も、同趣旨から、除外されます。
結局、課税取引は、「28万」しかないことになります。
よって、「課税事業者にはならない」です。
3の「基準期間における管理組合の課税売上高は890万円、特定期間の課税売上高は1,020万円であったが、特定期間の給与等支払額は650万円であった。」ですが、課税事業者にはなりません。
基準期間では、課税売上高が「890万円」なので、「非課税事業者」となります。
んで、特定期間ですが、課税売上高は「1,020万円」でしたが、給与等支払額は「650万円」で、1,000万円を超過していません。
基準期間では、売上高と給与等支払額のうち、どちらかが「1,000万円以下」なら、「非課税事業者」となります。
よって、「課税事業者にはならない」です。
4の「基準期間における管理組合の課税売上高は850万円、特定期間の課税売上高は1,050万円であったが、特定期間の給与等支払額は1,020万円であった。」ですが、課税事業者に該当します。
基準期間では、課税売上高は850万円なので、「非課税事業者」となります。
しかし、特定期間では、売上高も給与等支払額が1,000万円超となっています。
よって、「必ず消費税の課税事業者となる」です。
「1」は「課税事業者にはならない」です。
「2」は「課税事業者にはならない」です。
「3」は「課税事業者にはならない」です。
「4」は「必ず消費税の課税事業者となる」です。
本問は、「必ず消費税の課税事業者となるものはどれか」ですので…、
正解:4
…と相なります。
1問:民法‐委任契約・・・「ふつう」。
2問:民法‐手付金・・・「ふつう」。
3問:民法‐債務不履行・・・「ふつう」。
4問:民法‐代理・・・「ふつう」。
5問:民法‐賃貸借契約・・・「ふつう」。
6問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。
7問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。
8問:標管委託契約書‐修繕等・・・「ふつう」。
9問:標管委託契約書‐開示等・・・「ふつう」。
10問:滞納等・・・「ふつう」。
11問:滞納の法的手続・・・「ふつう」。
12問:標準管理規約‐理事長・・・「ふつう」。
13問:標準管理規約‐管理費等・・・「ふつう」。
14問:会計・仕訳1・・・「ふつう」。
15問:会計・仕訳2・・・「ふつう」。
16問:税務:消費税・・・「難」。
17問:建築基準法‐日影規制・・・「難」。
18問:建築基準法‐補強コンクリートブロック造の塀・・・「難」。
19問:鉄筋コンクリ・・・「ふつう」。
20問:給排水衛生設備・・・「ふつう」。
21問:給水装置・・・「難」。
22問:住宅用分電盤・・・「難」。
23問:消防設備・・・「難」。
24問:住生活基本計画・・・「難」。
25問:バリアフリー法・・・「やや難」。
26問:劣化現象・・・「ふつう」。
27問:耐震改修・・・「ふつう」。
28問:アスファルト防水・・・「難」。
29問:共用部分の工事・・・「ふつう」。
30問:標準管理規約‐共同相続・・・「ふつう」。
31問:標準管理規約‐理事会・・・「ふつう」。
32問:標準管理規約‐専用使用権・駐車場・・・「ふつう」。
33問:標準管理規約‐比較問題・・・「ふつう」。
34問:区分所有法‐特定承継人・・・「ふつう」。
35問:専有部分の貸与を禁止・・・「難」。
36問:区分所有法‐復旧・・・「ふつう」。
37問:標準管理規約‐外部専門家・・・「難」。
38問:標準管理規約‐専有部分の範囲・・・「ふつう」。
39問:判例:管理費等の債権・・・「ふつう」。
40問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。
41問:消費者契約法・・・「ふつう」。
42問:借地借家法等・・・「ふつう」。
43問:個人情報保護法・・・「ふつう」。
44問:不動産登記法・・・「ふつう」。
45問:宅建業法・・・「ふつう」。
46問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。
47問:適正化法‐用語定義・・・「ふつう」。
48問:適正化法‐重要事項の説明等・・・「ふつう」。
49問:適正化法‐財産の分別管理・・・「ふつう」。
50問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。
使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、
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民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。
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苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。
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管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
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