本問は、民法‐不法行為の問題です。胎児、相続、使用者責任、土地の工作物の設置等の瑕疵といった選択肢で構成されています。選択肢のうち2つが手ごわいですが、基礎的な知識を押さえていれば、取れる問題です。こういう問題は、落としたくありません。
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本問の難易度は、「ふつう」です。
テキストをきっちり読み込んでおけば大丈夫なはずです。
あと、わからなくても、常識を働かせて、当否を判断してください。
1の「不法行為の時点で胎児であった被害者は、出生後、加害者に対して財産的損害の賠償を請求することはできない。」ですが、誤った記述です。
胎児に権利能力はありませんが、例外的に、「損害賠償請求」「相続」「遺贈」については、権利能力を有します。
でないと、理不尽です。
よって、選択肢は、「誤」となります。
2の「不法行為による慰謝料請求権は、被害者がこれを行使する意思を表明し、又はこれを表明したと同視すべき状況にあったときはじめて相続の対象となる。」ですが、誤った記述です。
少し考えれば、理不尽だとわかります。
「被害者がこれを行使する意思を表明し、又はこれを表明したと同視すべき状況にあったとき」でないと相続できないと、たとえば、被害者が意思を表明することなく死亡した場合、損害賠償の権利が相続できなくなってしまいます。
これでは、理不尽です。
「不法行為による慰謝料請求権」は、意思の表明に関係なく、当然、相続の対象となります。
よって、選択肢は、「誤」となります。
管理業務主任者の民法では、本問のように、少し考えれば、(おかしいなー理不尽だなー)という設問が多いです。
本問は、判例問題なのですが、判例を知らずとも、常識を働かせてみてください。
3の「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたこと、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったことを証明できなければ、被用者に故意又は過失がなくても、使用者は、被用者がその事業の執行につき第三者に加えた損害を賠償しなければならない。」ですが、誤った記述です。
「使用者責任」が成立するには、一般の「不法行為」が成立していないといけません。
選択肢の場合、被用者には、故意も過失もないのですから、「不法行為」が成立していません。
よって、使用者には、責任がないといった寸法です。
よって、選択肢は、「誤」となります。
4の「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者がその損害を賠償する責任を負うが、当該占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」ですが、正しい記述です。
「土地の工作物の設置又は保存の瑕疵」の、そのまんまの記述です。
基礎事項なので、テキストで確認しておきましょう。
よって、選択肢は、「正」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「誤」です。
「4」は「正」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…、
正解:4
…と相なります。
1問:民法‐委任契約・・・「ふつう」。
2問:民法‐手付金・・・「ふつう」。
3問:民法‐債務不履行・・・「ふつう」。
4問:民法‐代理・・・「ふつう」。
5問:民法‐賃貸借契約・・・「ふつう」。
6問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。
7問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。
8問:標管委託契約書‐修繕等・・・「ふつう」。
9問:標管委託契約書‐開示等・・・「ふつう」。
10問:滞納等・・・「ふつう」。
11問:滞納の法的手続・・・「ふつう」。
12問:標準管理規約‐理事長・・・「ふつう」。
13問:標準管理規約‐管理費等・・・「ふつう」。
14問:会計・仕訳1・・・「ふつう」。
15問:会計・仕訳2・・・「ふつう」。
16問:税務:消費税・・・「難」。
17問:建築基準法‐日影規制・・・「難」。
18問:建築基準法‐補強コンクリートブロック造の塀・・・「難」。
19問:鉄筋コンクリ・・・「ふつう」。
20問:給排水衛生設備・・・「ふつう」。
21問:給水装置・・・「難」。
22問:住宅用分電盤・・・「難」。
23問:消防設備・・・「難」。
24問:住生活基本計画・・・「難」。
25問:バリアフリー法・・・「やや難」。
26問:劣化現象・・・「ふつう」。
27問:耐震改修・・・「ふつう」。
28問:アスファルト防水・・・「難」。
29問:共用部分の工事・・・「ふつう」。
30問:標準管理規約‐共同相続・・・「ふつう」。
31問:標準管理規約‐理事会・・・「ふつう」。
32問:標準管理規約‐専用使用権・駐車場・・・「ふつう」。
33問:標準管理規約‐比較問題・・・「ふつう」。
34問:区分所有法‐特定承継人・・・「ふつう」。
35問:専有部分の貸与を禁止・・・「難」。
36問:区分所有法‐復旧・・・「ふつう」。
37問:標準管理規約‐外部専門家・・・「難」。
38問:標準管理規約‐専有部分の範囲・・・「ふつう」。
39問:判例:管理費等の債権・・・「ふつう」。
40問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。
41問:消費者契約法・・・「ふつう」。
42問:借地借家法等・・・「ふつう」。
43問:個人情報保護法・・・「ふつう」。
44問:不動産登記法・・・「ふつう」。
45問:宅建業法・・・「ふつう」。
46問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。
47問:適正化法‐用語定義・・・「ふつう」。
48問:適正化法‐重要事項の説明等・・・「ふつう」。
49問:適正化法‐財産の分別管理・・・「ふつう」。
50問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。
使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、
過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。
予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。
民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。
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苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。
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管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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