2問‐管理業務主任者 H30過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第2問は、民法‐手付金の問題です。手付倍返し、履行の着手、解約手付など、基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

2問‐民法‐手付金

 

 (クリックして拡大。)

 本問の難易度は、「ふつう」です。

 本問も、普通に解ける問題です。こういう問題で点を稼がないと、「建物」などで泣きを見ます。

 なお、解答はこちら(数字のみ)です。

解説:1

 1の「Bが本件契約の履行に着手していない場合、Aは、Bに対し、手付金の倍額を償還することにより本件契約を解除する旨の通知を送達すれば、本件契約を解除することができる。」ですが、誤った記述です。

 Aは「売主」ですから、「手付倍返し」をすれば、契約を解除できます。

 この場合、実際に支払うことが必要です。

 選択肢のいうように、「通知」では、解除できません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、「買主」の場合、手付を放棄することで、契約を解除するわけですが、この場合、もう既に支払っているわけですから、「通知」でよい、と相なります。

解説:2

 2の「Aが本件契約の履行に着手していない場合、BがAに対し、手付金を放棄し、本件契約を解除する旨の意思表示をしたときは、Aは、Bに対して損害賠償を請求することができない。」ですが、正しい記述です。

 手付放棄による契約の解除は、「約定解除」です。「解除」を前提としている契約なので、損害賠償を請求できません。

 よって、選択肢は、「正」となります。

解説:3

 3の「契約締結の日から1か月後に、Aが甲の引渡しの準備をしていなかった場合でも、Bが代金の支払の準備を整えていたときは、AとBはいずれも、解約手付による解除権を行使することができない。」ですが、誤った記述です。

 手付金による契約の解除は、「相手方が履行に着手していない」ときに行使できます。

 「相手方」で、当否を判断します。

 選択肢では、「こちら側」の準備はできていて、「履行に着手」しているわけですが、「相手方」が「履行に着手していない」ので、解約手付による解除ができます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

解説:4

 4の「BがAの債務不履行により売買契約を解除した場合、Bは、Aに対して手付金の返還を請求することができるが、損害賠償を請求することはできない。」ですが、誤った記述です。

 「解約手付」による契約解除は、損害賠償を請求することはできません。

 しかし、本問の場合、「債務不履行」による契約解除なので、当然、損害賠償を請求することはできます。

 両者は、別個のものです。出題者は、これらの混同を狙ったものだと思われます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「誤」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…、

 正解:2

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。

H30過去問一覧

 1問:民法‐委任契約・・・「ふつう」。

 2問:民法‐手付金・・・「ふつう」。

 3問:民法‐債務不履行・・・「ふつう」。

 4問:民法‐代理・・・「ふつう」。

 5問:民法‐賃貸借契約・・・「ふつう」。

 6問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。

 7問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。

 8問:標管委託契約書‐修繕等・・・「ふつう」。

 9問:標管委託契約書‐開示等・・・「ふつう」。

 10問:滞納等・・・「ふつう」。

 11問:滞納の法的手続・・・「ふつう」。

 12問:標準管理規約‐理事長・・・「ふつう」。

 13問:標準管理規約‐管理費等・・・「ふつう」。

 14問:会計・仕訳1・・・「ふつう」。

 15問:会計・仕訳2・・・「ふつう」。

 16問:税務:消費税・・・「難」。

 17問:建築基準法‐日影規制・・・「難」。

 18問:建築基準法‐補強コンクリートブロック造の塀・・・「難」。

 19問:鉄筋コンクリ・・・「ふつう」。

 20問:給排水衛生設備・・・「ふつう」。

 21問:給水装置・・・「難」。

 22問:住宅用分電盤・・・「難」。

 23問:消防設備・・・「難」。

 24問:住生活基本計画・・・「難」。

 25問:バリアフリー法・・・「やや難」。

 26問:劣化現象・・・「ふつう」。

 27問:耐震改修・・・「ふつう」。

 28問:アスファルト防水・・・「難」。

 29問:共用部分の工事・・・「ふつう」。

 30問:標準管理規約‐共同相続・・・「ふつう」。

 31問:標準管理規約‐理事会・・・「ふつう」。

 32問:標準管理規約‐専用使用権・駐車場・・・「ふつう」。

 33問:標準管理規約‐比較問題・・・「ふつう」。

 34問:区分所有法‐特定承継人・・・「ふつう」。

 35問:専有部分の貸与を禁止・・・「難」。

 36問:区分所有法‐復旧・・・「ふつう」。

 37問:標準管理規約‐外部専門家・・・「難」。

 38問:標準管理規約‐専有部分の範囲・・・「ふつう」。

 39問:判例:管理費等の債権・・・「ふつう」。

 40問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。

 41問:消費者契約法・・・「ふつう」。

 42問:借地借家法等・・・「ふつう」。

 43問:個人情報保護法・・・「ふつう」。

 44問:不動産登記法・・・「ふつう」。

 45問:宅建業法・・・「ふつう」。

 46問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。

 47問:適正化法‐用語定義・・・「ふつう」。

 48問:適正化法‐重要事項の説明等・・・「ふつう」。

 49問:適正化法‐財産の分別管理・・・「ふつう」。

 50問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

 過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。

 予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。

民法入門

 民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。

 お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。

会計・仕訳問題

 苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。

 時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。

 独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。

PDF過去問演習

 また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。

管理業務主任者のこまごましたもの

 管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。

みんなとシェアする