14問‐管理業務主任者 H30過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、会計・仕訳の問題で、例年通りの出題です。仕訳の知識がないと、本問はまず解けません。後段の「仕訳がまったくわからない人に」で述べているように、「無理なら無理」で、捨て問にします。

14問‐会計・仕訳

 

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 本問の難易度は、「ふつう」です。

 なお、解答はこちら(数字のみ)です。

解説

 本問で、最も大事なところは、問題文の「平成30年3月分の仕訳」のところです。

 ここが読み取れてないと、一切、解答できないので、注意してください。

仕訳

 ごぞんじのように、管理組合の会計は、「厳密な発生主義」となっています。

 簿記とは、微妙に違っているので、やり方(捉え方)も、微妙に変える必要があります。

 さて、先も見ましたが、「平成30年3月分の仕訳」を考えます。

 つまり、「3月の仕訳帳に、記載するもの」を、ピックアップするわけです。

 よって、①と④は、「5月」に関するものであり、「3月」の仕訳帳に記載するものではありません。

 よって、残る②と③のどちらかを、考えることになります。

 以下、仕訳です。

借方仕訳

 ②の「3月分電話料 15,000円」は、選択肢から、「通信費」で計上します。

 ③の「3月分電気料 175,000円」は、選択肢から、「水道光熱費」で計上します。

 両者とも、「費用の認識」ですから、「借方」となって…、

 借方:通信費 15,000

 借方:水道光熱費 175,000

 …となります。

貸方仕訳

 んで、繰り返しますが、本問では、「3月の仕訳帳に、記載するもの」を考えます。

 資料を読むと、先の2つが支払われたのは、「4月30日」となっています。

 つまり、3月の時点では、支払われていなかった、となるわけです。

 んなもんで、勘定科目は、「未払金」を使用します。

 よって…

 貸方:未払金 190,000

 …と相なります。

答え

 借方:通信費 15,000

 借方:水道光熱費 150,000

 貸方:未払金 190,000

 …となるものを選択肢から探すと…、

 正解:2

 …となります。

仕訳がまったくわからない人に

 正直言うと、管理業務主任者のテキストでは、仕訳は理解できません。

 管理業務主任者のテキストは、記述量が圧倒的に少ないです。また、練習問題がまったく足りないため、実力が付きません。わたしでも、“これだけ”なら、厳しいです。

 本試験までに時間のある人は、たとえば、4月~9月にある人なら、いっそのこと、簿記3級の勉強をしてください。テキストで悪戦苦闘するより、絶対的に効率的です。

 簿記3級の勉強については「簿記3級の独学」を、テキスト・問題集は「スッキリわかる 日商簿記3級」を使えばいいでしょう。

 簿記3級の一通りの勉強が済めば、管理業務主任者の仕訳問題は、100%取れるようになります。

 簿記3級レベルなら、2~3週間もあれば、習得できます。勝手の悪い管理業務主任者のテキストで勉強するより、わずかなコストと多少の時間を割いて簿記3級の勉強するほうが賢明です。

 次に、本試験まで時間のない人です。

 テキストを3回読んで、そして、過去問を3回解いて、まったく要領がつかめないなら、捨てます。

 繰り返しますが、管理業務主任者のテキストで、仕訳を理解せよという方が無理です。

 過去問の解き方だけ押えて、後は、ざっくり捨ててしまい、他の問題で失点をカバーできるようになる方が合格に近づくでしょう。

 仕訳問題は、「無理なら無理」で、割り切って対処してください。

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H30過去問一覧

 1問:民法‐委任契約・・・「ふつう」。

 2問:民法‐手付金・・・「ふつう」。

 3問:民法‐債務不履行・・・「ふつう」。

 4問:民法‐代理・・・「ふつう」。

 5問:民法‐賃貸借契約・・・「ふつう」。

 6問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。

 7問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。

 8問:標管委託契約書‐修繕等・・・「ふつう」。

 9問:標管委託契約書‐開示等・・・「ふつう」。

 10問:滞納等・・・「ふつう」。

 11問:滞納の法的手続・・・「ふつう」。

 12問:標準管理規約‐理事長・・・「ふつう」。

 13問:標準管理規約‐管理費等・・・「ふつう」。

 14問:会計・仕訳1・・・「ふつう」。

 15問:会計・仕訳2・・・「ふつう」。

 16問:税務:消費税・・・「難」。

 17問:建築基準法‐日影規制・・・「難」。

 18問:建築基準法‐補強コンクリートブロック造の塀・・・「難」。

 19問:鉄筋コンクリ・・・「ふつう」。

 20問:給排水衛生設備・・・「ふつう」。

 21問:給水装置・・・「難」。

 22問:住宅用分電盤・・・「難」。

 23問:消防設備・・・「難」。

 24問:住生活基本計画・・・「難」。

 25問:バリアフリー法・・・「やや難」。

 26問:劣化現象・・・「ふつう」。

 27問:耐震改修・・・「ふつう」。

 28問:アスファルト防水・・・「難」。

 29問:共用部分の工事・・・「ふつう」。

 30問:標準管理規約‐共同相続・・・「ふつう」。

 31問:標準管理規約‐理事会・・・「ふつう」。

 32問:標準管理規約‐専用使用権・駐車場・・・「ふつう」。

 33問:標準管理規約‐比較問題・・・「ふつう」。

 34問:区分所有法‐特定承継人・・・「ふつう」。

 35問:専有部分の貸与を禁止・・・「難」。

 36問:区分所有法‐復旧・・・「ふつう」。

 37問:標準管理規約‐外部専門家・・・「難」。

 38問:標準管理規約‐専有部分の範囲・・・「ふつう」。

 39問:判例:管理費等の債権・・・「ふつう」。

 40問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。

 41問:消費者契約法・・・「ふつう」。

 42問:借地借家法等・・・「ふつう」。

 43問:個人情報保護法・・・「ふつう」。

 44問:不動産登記法・・・「ふつう」。

 45問:宅建業法・・・「ふつう」。

 46問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。

 47問:適正化法‐用語定義・・・「ふつう」。

 48問:適正化法‐重要事項の説明等・・・「ふつう」。

 49問:適正化法‐財産の分別管理・・・「ふつう」。

 50問:適正化法‐管理事務の報告・・・「ふつう」。

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

 過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。

 予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。

民法入門

 民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。

 お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。

会計・仕訳問題

 苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。

 時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。

 独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。

PDF過去問演習

 また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。

管理業務主任者のこまごましたもの

 管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。

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