候補問題の第1問は、「イ・ロ・ハで死ぬ」のが特徴。「位置表示灯」を含む3つのスイッチのため、「誤接続」で不合格一直線の難易度の高い問題。本問の練習の仕方や、攻略、要領、手順を説述する。独学者向け。「位置表示灯」は、指差し確認。固有部分に「EM-EEF 2.0-2c」があるが、2~3回練習しておけば、大丈夫。技能試験が本問だったら、確実に合格したい。
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令和3年度(2021年度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題1」の独学者向けポイントを見ていきます。
本問は、見た目はカンタンですが、全部で13問ある候補問題の中でも、「難しい」部類の問題です。
要注意箇所が2箇所もあるので、練習不足だと落ちる公算が「大」です。意識して練習しましょう。
あと、独学では、少し不安になる「どの色でもよい」があります。文系・ド素人の方は、対策を執っておくべきです。
まず、「H」の「位置表示灯」ですが、まったく問題ありません。
「位置表示灯内蔵スイッチ」を使うだけで、通常のスイッチとまったく変わらないです。
次に、本問には、厄介な「色指定なし」の配線があります。
先の画像では、「灰色 点線」で表記しているところです。
本試験時では、どことどこを繋げるか、考える時間はありません。
んなもんで、接続する「色」を、前もって決めておきましょう。(後述します。)
上記「H」と「色指定なし」以外は、ふつうの施工です。
「複線図」の注意点は、以上です。
ところで、全「複線図」は、「複線図インデックス」にあります。出先で練習したい人は、参考にしてください。
ざっくりポイントを述べると、下の画像となります。
見た目はやさしそうな候補問題1ですが、実際は、「鬼」が潜んでいます。
「鬼」は、上記画像の「イ・ロ・ハのスイッチ」部分です。
多くの受験生が、ここでミスをして落ちるはずです。「鬼」となる最たる理由は、「3つ」もあるからです。
スイッチが「2つ」はカンタンなんです。そのまま繋げたらいいからです。
しかし、これが「3つ」になると、破滅的に間違えやすくなります。
本当に、魔に魅入られたように、つい、うっかりと、接続を間違います。
スイッチと器具の接続を間違えると、「誤接続」となって『欠陥』を取られ、即落ちします。
また、接続を間違えた場合、修正に時間がかかるために(あせりで手が震えます)、終了時間が来てしまい、最悪「未完成提出」で、落ちることになります。
多数の受験生が、当該「イ・ロ・ハのスイッチ」で、討ち取られています。
ふだんの練習のときから、No.1には、気を引き締めて臨んでください。本問は絶対に油断ができません。
繰り返しますが、イロハで死にます、イロハで再受験です。
本問では、まずは、諸作業の前に、何よりも意識すべきことがあります。
それは、「わたり線の確保」です。
どこで、「わたり線」を確保するかを、念頭に置きつつ作業に入ってください。
問題文に指示があれば、そこから取りますが、もし、指示がないなら、1本だけ長いケーブル(電線)から、「わたり線」を取ることになります。
何も指示がないときは、おおむね、一番よく使う「VVF1.6ケーブル」が余るはずなので、当該残ったケーブルから「わたり線」を確保してください。
こういう人はいないと思いますが、ケーブルが長いからといって、適当に切ってはいけません。「長い」のは、「わたり線」を取るがゆえに、「長い」のです。
ゆめ、「わたり線がなくなる」という、最悪な事態に陥らないでください。
難所の「イロハのスイッチ」の攻略は、まず、「深呼吸」からです。
3回、スーハーと深呼吸して、意識を切り替えます。
汚れた気を吐き出すなんていうとアレですが、深呼吸を2~3回するだけで、気分は落ち着き、手の震えも収まります。
「イロハのスイッチ」は、1つ1つは、まったく難しくありません。
しかし、本試験という“急く状況”だと、頭に血がのぼって、通常の3倍は、ケアレスミスをしやすくなっています。
先述しましたが、本当に、ついうっかり、やっちゃうのです。ケアレスミス・バカミスを防ぐための「深呼吸」です。
格段にミスは減ります。深呼吸をして、目の前がすっきりしたら、接続作業に入ります。
接続ミスは、直すのにすんげえ時間を食うので、「ミスはゼロ」で臨みます。
ミスゼロにするには、「2回の指差し確認」です。
1回目:配線図を指でなぞり、「ここを作業する、よしっ!」と確認したら、スイッチと器具との対応を指で確かめ、「○と○、よしっ!」と、指差し確認します。
そして、もう一度、指差し確認をします。
2回目:配線図を指でなぞり、「ここを作業する、よしっ!」と確認したら、スイッチと器具との対応を指で確かめ、「○と○、よしっ!」と、指差し確認をして、接続します。
上記のように、「1つの接続に、2回の指差し確認」をすれば、最悪・凶悪・即落の、「誤接続」は防げます。
たとえば、「引っ掛けシーリングとスイッチ:イ」を接続するのなら、まずは、配線図を指でなぞって、引掛シーリングとイとの接続が正しいことを確かめ、んで、実物とを指で確かめて、「引掛シーリングとイ、よしっ!」ってな感じの指差し確認を、2回する、ってな次第です。
2回の指差し確認は、面倒でしょうが、ミスったときの手直しを考えれば、さらに言うと、落ちて再受験するリスクを考えれば、まったく『割に合う』作業だと、いわざるを得ません。
ホント、本問は、ここだけが危ないので、念入りに、慎重に、時間をたっぷり取って作業しましょう。
逆を言えば、本問は、イロハができたらほぼ合格です!!
さて、「イ」のスイッチは、「位置表示灯内臓」のスイッチを使います。
当該位置表示灯の作業のときは、「連用取付枠」の上下には気をつけてください。
「連用器具の取り付け位置」が間違っていると、『欠陥』で即落ちします。
「H」のついたスイッチ「イ」が一番上で、「ロ」が真ん中で、「ハ」が最下です。
何気に、枠の上下は間違えるので、テキストのお手本どおりに、どちらが「上」なのかを、入念にチェックして、施工してください。
自分では、正しくスイッチを組んだと思っていても、枠が反対だったってことは、多々あります。ちょっとだけ、ここは怖いです。
蛇足ながら、言うまでもありませんが、スイッチが枠から外れていると、これまた、『欠陥』で即落ちします。
練習さえしていれば、起きる欠陥ではありませんが、念のため。
さて、本問の固有部分「EM-EEF」ですが、そう気に病む箇所ではありません。
しかし、EM-EEFの外装がかなり硬いため、手間取る可能性があります。
まあ、お使いのテキストの指示どおりやればいいのですが、コツとしては…、
「VVFストリッパで、切れ目を入れて、ペンチで引っ張る」です。
電工ナイフで作業するよう指導するテキストもありますが、当方、ぶきっちょで電工ナイフがことのほか苦手でした。
んなもんで、ストリッパでざっくり切れ目を入れて、ペンチで外装を“ぶっちぎって”、ほいで、残るゲバ部分をニッパ等で取り除いた、ってな次第です。
使い慣れない工具は、ミスの元。当方は、ストリッパとペンチでやりました。しかも、電線の被膜取りも、“かなり硬いですが”、ストリッパでやりました。
『欠陥』さえ、取られなければいいので、各自“やりやすいように工夫”をしてください。
リングスリーブは、「小」を使います。
「中」がないので、楽だと思います。
しかし、こういう、普通の接続のときに、「刻印」のミスをするものです。
電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさを「指差し確認」して、さらに、刻印(圧着マーク)が正しいかどうかを「指差し確認」し…、
ほいで、もう一度だけ、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、「よしっ!」となったら、ガチャンと接続します。
リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒です。
リングスリーブ間違いは、間違った接続部分を切り取り、再び採寸し、ケーブルの外装を剥いで、電線の被膜を取るという“時間ロス”の権化です。
修正には、おおむね3分を、下手をすると5分は時間を取られます。
本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。
指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。
当該候補問題には、下の画像のように、「電線の色を問わない」ところがあります。
スイッチと3心ケーブルのところの「灰色・点線」のところは、色指定がありません。
よって、好きに繋げればいいのですが、これが、なかなかに難儀なのです。
本試験という緊張するときだと、妙に、神経質になってしまうからです。
本試験のときに戸惑わないように、どの線とどの線をつなぐか、あらかじめ、決めておきましょう。
わたしなら…、
「イ」のスイッチ・引掛けシーリングは、「白と黒」。
「ロ」のスイッチ・ランプレセクタプルは、「黒と黒(3心)」。
「ハ」のスイッチ・ランプレセクタプルは、「白と赤(3心)」。
…くらいに決めておきます。
こんな風に、接続する「色」を、前もって決めておくと、手を止めることなく順調に、作業を進められます。
本試験時に、(アレレ)とならないよう、事前対策しておくことを勧めます。
「引掛けシーリング」ですが、これは「改定事項」となっています。
大丈夫だとは思いますが、「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイントの2019年度1月の改定について」方を、一読願います。
上記のほかは、他の候補問題で、散々練習するので、問題ないかと思います。
ただ、「施工省略」のところは、ちょっとだけ注意しておきます。
テキストの指示通りの「施工省略」作業を徹底してください。
てきとーにやっていると、本試験の最中に(アレ、施工省略ってどうしてたっけ?!)と、軽くパニックに陥ります。
本試験では、練習時には予想もしない『ミス』をします。
よって、練習のときから、「ミス」に備えておきましょう。
候補問題を組み終わって、採点(欠陥のチェック)が済んだら、回路をそのまま捨てるのではなくて、以下の箇所を、仮にミスったとして、再施行してみてください。
当該再施行の際は、ストップウオッチで、時間を計ります。
1つの「ミス」をカバーするのに、どれだけ時間を食うか、肌で体感しておきましょう。
再組み立てすべきは、上の赤丸の「電源線」の「非接地側」のところです。
非接地側は、2.0と1.6が1本ずつなので、「小」スリーブで、刻印は「小」と相なります。
しかし、「刻印」を、誤って「□(極小)」でやったと、仮定します。
仮に間違えた「接続部分」を切断し、採寸して被覆を剥いて、再施行してください。
心の焦りとを、まじまじと、味わっておきましょう。
本問では、もう1つだけ、「ミス対策」をしておきたいところがあります。
それが、上記画像の赤丸の「イロハのスイッチ」のところです。
仮に、です。
「イ」の「スイッチ‐引掛けシーリング」と、「ロ」の「スイッチ‐ランプレセプタクル」を、「誤接続」したとしましょう。
「複線図」で言えば…、
…こういう間違いをした、ってな次第です。
こう仮定して、誤接続した「イ」と「ロ」の「リングスリーブ」を切断し、個々を採寸し、再接続してみてください。
スイッチと負荷の接続はカンタンであっても、1つでもミスをすると、修正にどれほど時間を食うか、練習時に体感しておきましょう。
今後は、接続に慎重になるので、ミスは激減します。
最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。
ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。
「ホーザン 合格クリップ」や、
「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、
「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。
絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。
受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。
本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。
まず、問題文についでです。
だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。
「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。
次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。
当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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