3問‐H29下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第3問は、電気理論でおなじみ「抵抗」の公式で、抵抗率の「ρ」を使う問題です。抵抗の公式を憶えていて、算数ができれば、解けます。乗数計算など、算数に手を焼きますが、それでも、数少ない文系ド素人でも取れる問題です。ま、公式を見ると失神する人は「捨て問」でも構いません。

3問‐抵抗公式

 

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 本問のレベルは「ふつう」です。

 抵抗の公式を憶えていて、算数ができれば解けます。

 文系ド素人でも取れる問題ですが、乗数計算や分子・分母の整理がアレな人は、「捨て問」でも構いません。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 抵抗を求める公式は、「R=ρ×l/A」です。

 くらくらした人もいるでしょうが、ここが踏ん張りどころです。

 電気理論には、インピーダンスといった、どうにも分からない問題が出ます。それらに比べたら、本問は、この公式さえ憶えていたら、あとは算数で解けるのです。

 貴重な1点です。

 当該抵抗の公式は、しばしば出るので、がんばって憶えてください。

公式補足

 公式の「ρ」は、「ロー」と呼びます。これは、金属の抵抗率です。

 公式の「l」は、長さ(m)を現します。長さの「length」の「l」かと思われます。

 公式の「A」は、断面積(㎡)を現します。面積の「area」の「A」かと思われます。

 つまり、長さを面積で割って、「ρ」を掛けるといった塩梅です。

公式代入その1

 まず、断面積の「A」から求めていきましょう。

 しかし、注意すべきことがあります。

 「単位」です。

 公式の断面積は「㎡」となっています。

 しかし、本問では、直径「D」の単位は、「mm」となっています。

 んなもんで、直径「D」を公式に当てはめる際は、「D*10-3」としなくてはなりません。

 選択肢で、10の6とかが乱舞しているのは、このためです。

 なお、「*10-3」とは、「*0.001」のことです。

公式代入その2

 問題文では、Aの直径は「D」となっています。

 直径が「D」なら、半径は「1/2D」です。

 しかし、先だって述べたように、単位を合わせるため、「10-3」を掛けなくてはいけません。

 従って、半径は、「1/2D*10-3」となります。

 断面積は、円の面積の公式「πr2」で求めます。

 先の半径「1/2D*10-3」を代入すると、「π(1/2D*10-32」となります。

 脂汗が流れてきましたか?そんなときは、配偶者の顔を思い出してください。すっと体温が下がります。

公式代入その2

 挫折しそうですが、がんばりましょう。

 本問のLは「m」なので、単位をいじる必要はありません。

 そのまま公式の分子にぶち込めばいいだけです。

公式代入その3

 一度整理しましょう。

 抵抗を求める公式は、「R=ρ×l/A」です。

 分子の長さの「l」は、「L」です。

 分母の面積の「A」は、「π(1/2D*10-32」です。

公式代入その4

 分母がややこしいので、展開しましょう。

 ひとまず、「1/2D*10-3」から手を付けます。

 整理すると、「D*10-3/2」となります。

 これを2乗するわけですから…、

 D2*10-6/4

 …となります。

 後は、こいつを元の式に入れ直して、分子と分母をいじるだけです。

公式代入その5

 わからなくなって来たら、紙に書き出すか、それか、いっそのこと「捨て問」です。

 さて、先に求めた「D2*10-6/4」を元の式に入れ直すと…、

 R=ρ×L/π*(D2*10-6/4)

 …となります。

 分子と分母をいじります。

 分母の「4」が邪魔なので、「4」を掛けて消すと…、

 4L/π*D2*10-6

 …と相なります。

 同様に分母の「*10-6」が邪魔なので、「106」を掛けて消すと…、

 4L*106/π*D2

 …と相なります。

 ようやく、答えが見えてきました。

公式代入その6

 最後の整理です。今のところ…、

 R=ρ×4L*106/π*D2

 …となっています。

 これを整理すると…、

 4ρL/πD2*106

 …と相なります。

選択肢の選別

 先の「4ρL/πD2*106」に該当するものを探します。

 選択肢のイは、分子に「4」が付いてないので、「×」です。

 選択肢の「ハ」と「ニ」は、分母が「D」なので、「×」です。

 んなもんで、答えは残る「ロ」となります。

答え

 求めたのは「4ρL/πD2*106」です。

 選択肢「ロ」も、「4ρL/πD2*106」です。

 従って、答えは選択肢の「ロ」となります。

 正解:ロ

補足

 本問は、ぶっちゃけ言えば、「算数」の問題です。

 電気の知識は、最初の「R=ρ×l/A」のところだけで、後は、算数の作業です。

 処理を忘れている人は、本問を何回も解いて、思い出しましょう。

 なお、本問は、何回も同じように問われています。文系ド素人の人は、解き方と答えだけでも、押えておきましょう。

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筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:電圧降下・・・「ふつう」。

 2問:合成インピーダンス・・・「ふつう」。

 3問:抵抗公式・・・「ふつう」。

 4問:発熱量・・・「ふつう」。

 5問:三相3線式・・・「ふつう」。文系可。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:許容電流・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流・電動機・・・「ふつう」。取れる。

 9問:分岐回路・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路の遮断器・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:アウトレットボックス・・・「やさしい」。絶対レベル。

 12問:器具総合・・・「やさしい」。取れる問題。

 13問:回転速度N・・・「ふつう」。取れる問題。

 14問:材料工具・・・「ふつう」。取れる。

 15問:LED・・・「やさしい」。取れる。

 16問:ホルソ・・・「やさしい」。

 17問:電磁開閉器・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:サドル・・・「やさしい」。基礎・基本レベル。

 19問:配線図記号・・・「やや難」。

 20問:電線接続・・・「ふつう」。定番問題。

 21問:電気工事応用・・・「ふつう」。

 22問:金属可とう電線管工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:ネオン灯工事・・・「難」。捨て問。

 24問:測定器・・・「やさしい」。超基本。

 25問:絶縁抵抗値・・・「ふつう」。

 26問:接地抵抗・・・「ふつう」。

 27問:クランプ形電流計・・・「ふつう」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。基礎・基本レベル。

 29問:小出力発電設備・・・「ふつう」。基礎・基本レベル。

 30問:電気設備技術基準・・・「やさしい」。

配線図

 31問:ルームエアコン・・・「やさしい」。

 32問:最少電線本数・・・「ふつう」。

 33問:スイッチ図記号・・・「やさしい」。基本問題。

 34問:ケーブル図記号・・・「やさしい」。

 35問:地中埋没工事・・・「ふつう」。

 36問:屋外灯図記号・・・「やさしい」。絶対レベル。

 37問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 38問:コンセント図記号・・・「やさしい」。絶対レベル。

 39問:接地抵抗・・・「ふつう」。

 40問:Sの図記号・・・「やさしい」。1点取れる。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。捨てる。

 42問:圧着工具・・・「やさしい」。

 43問:電線管接続・・・「やさしい」。

 44問:コネクタ当て・・・「難」。捨てる。

 45問:測定器・・・「やさしい」。

 46問:スリーブ当て・・・「難」。

 47問:地中配線工事工具・・・「ふつう」。

 48問:図記号・・・「ふつう」。

 49問:図記号・・・「やさしい」。絶対レベル。

 50問:スイッチ写真・・・「普通」。1点取れる。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

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 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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