ロペラミド塩酸塩は、「胃腸に作用する薬」の「腸の薬」の「収斂成分(止瀉成分)」に配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「ロペラミド塩酸塩・・・止瀉成分」
「ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによ る下痢の症状に用いられることを目的としており、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でない。」
「発熱を伴う下痢や、血便のある場合又は粘液便が続くような場合は、本剤の適用対象でない可能性があり、症状の悪化、治療期間の延長を招くおそれがあるため、安易な使用は避けるべきである。」
「なお、本成分を含む一般用医薬品では、15歳未満の小児には適用がない(※)。」
「使用は短期間にとどめ、2~3日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。」
「腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある。」
「また、水分や電解質の分泌も抑える作用もあるとされる。」
「効き目が強すぎて便秘が現れることがあり、」
「まれに重篤な副作用としてイレウス様症状を生じることもある。」
「便秘を避けなければならない肛門疾患がある人では、使用を避けるべきである。」
「このほか重篤な副作用として、まれにショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症を生じることがある。」
「中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。」
「また、中枢抑制作用が増強するおそれがあるため、服用時は飲酒しないこととされている。」
「吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を与える女性では 使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けるべきである。」
…と、相なります。
「なお、本成分を含む一般用医薬品では、15歳未満の小児には適用がない(※)。」のところの「注記」は…。
『外国で乳幼児が過量摂取した場合に、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある』
…となっています。
ご存じのように、「ロペラミド塩酸塩」は、「胃腸に作用する薬」の「腸の薬」の「収斂成分(止瀉成分)」に登場します。
市販薬には、「 【指定第2類医薬品】ロペラマックサット 6錠 」などがあります。
当該成分は、かなりの頻度で試験に登場します。
「新潟県 R4 第85問」や「関西広域連合 R2 第36問」、「東京都 R2 第73問」や「大阪府 H28 106問」などです。
禁忌や副作用がてんこ盛りなので、今後も、出題され続けるはずです。
「適正使用」の「使用(服用)しない」の論点も、あります。
優先順位は、「とても高い」です。
当該成分は…、
① ロペラミド塩酸塩は、腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある。
② ロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用があり、副作用としてめまいや眠気が現れることがある。
③ ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状については適用対象でない。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「ロペラミド塩酸塩は、腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある」ですが、正しい記述です。
先に挙げた手引きには…、 「腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある。」
…とあります。
選択肢の内容は、当該ロペラミド塩酸塩の固有論点です。
こういう「使用上の注意」が特に出るようになっているので、ガチで見ておきましょう。
よって、①は、「○」となります。
②の「ロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用があり、副作用としてめまいや眠気が現れることがある」ですが、正しい記述です。
先に挙げた手引きには…、
「中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。」
…とあります。
「運転操作しない」は、「適正使用」でも、出ます。ガチで押えておきましょう。
よって、②は、「○」となります。
③の「ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状については適用対象でない。」ですが、誤った記述です。
いわゆる「逆」問題です。
当該ロペラミド塩酸塩ですが、「食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的」としています。
んで、「食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でない」となっています。
選択肢の内容は、全然ダメですね。
昔からよく出る基本論点なので、押えておきましょう。
よって、③は、「×」となります。
昨今の試験では、副作用や禁忌は、ほぼすべてが出題対象となっています。
当該ロペラミド塩酸塩は、それらがてんこもりなので、何度も、テキストを精読しておくべきです。
さて、当該ロペラミド塩酸塩ですが、カタカナ成分には珍しい「まれに重篤な副作用」があります。
「まれに重篤な副作用」として、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、イレウス様症状が生じます。
しっかり憶えておきましょう。
なお、「ショック(アナフィラキシー)」ですが、該当成分を、横断的に「登録販売者 医薬品 ショック(アナフィラキシー)の副作用のまとめ」にまとめています。参考にしてください。
ロペラミド塩酸塩には、「使用上の注意」がたくさんあります。
テキストのは、全部押えておきましょう。
使用は、短期間にとどめます。
2~3日使用しても改善なきときは、受診勧奨です。
試験では、たとえば、「ロペラミド塩酸塩は、長期連用しても差し支えない」などと出ます。「×」です。
また、女性系の禁忌があります。「母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けるべき母乳を与える女性」は、使用を避けます。
乳汁中に移行するおそれがあるためです。
加えて、小児の禁忌もあります。「15歳未満の小児には適用がない」です。
先に挙げた手引きは、そのすべてが出る可能性があります。ガチで精読しておくべきです。
「ロペラミド塩酸塩」ですが、「アレルギー」「15歳未満の小児」「運転操作をしないこと」の「3つ」も、「使用(服用)しない」論点があります。
全部を押さえておくべきです。
まず、「アレルギー」です。
本剤を使用して、「アレルギー症状を起こしたことがある人」は…、
「ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため」…、
「使用(服用)しない」となっています。
出題可能性があるので、押さえておくべきです。
次に、「15歳未満の小児」には、「使用(服用)しない」です。
「理由」は、「外国で乳幼児が過量摂取した場合に、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告があるため。」です。
次に、「ロペラミド塩酸塩」は、服用後は、「運転操作をしないこと」となっています。
「理由」は、「眠気等」です。
出題実績のあるところなので、押えておきましょう。
ロペラミド塩酸塩には、医師などに「相談すること」があります。
余裕があれば、ここまで押えておきましょう。
無理そうなら、捨てても構いません。
「授乳中の人」は、母乳に移行するので、医師などに「相談すること」になっています。
「発熱を伴う下痢、血便または粘液便の続く人、急性の激しい下痢等の症状にある人」は、使用前に「医師などに相談する」ことになっています。
「便秘を避けるべき肛門疾患のある人」は、使用前に「医師などに相談する」ことになっています。効き目が強く現れると、便秘になることがあるためです。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「 【指定第2類医薬品】ロペラマックサット 6錠 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「胃腸に作用する薬」の「腸の薬」の「収斂成分(止瀉成分)」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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