次硝酸ビスマス‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 次硝酸ビスマスは、「胃腸に作用する薬」の「腸の薬」の「収斂成分(止瀉成分)」に配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると…、

 「止瀉成分‐① 収斂成分:次硝酸ビスマス

 「腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護することを目的として、」

 「次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分、タンニン酸アルブミン等が配合されている場合がある。」

 「ビスマスを含む成分は収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用も持つとされる。オウバク、オウレンは、収斂作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられる。」

 「収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。」

 「急性の激しい下痢又は腹痛・腹部膨満・吐きけ等の症状を伴う人では、細菌性の下痢や食中毒が疑われるため、安易な使用を避けることが望ましいとされている。」

 「次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分については、海外において長期連用した場合に精神神経症状(不安、記憶力減退、注意力低下、頭痛等)が現れたとの報告があり、1週間以上継続して使用しないこととされている。」

 「アルコールと一緒に摂取されると、循環血液中への移行が高まって精神神経症状を生じるおそれがあり、服用時は飲酒を避ける必要がある。」

 「胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診断を受けた人では、損傷した粘膜からビスマスの吸収が高まるおそれがあるため、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。」

 「なお、循環血液中に移行したビスマスは血液-胎盤関門を通過することが知られており、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきである。」

 …と、相なります。

補足

 文中の生薬については、以下のリンクを参考にしてください。

 ・オウバク

 ・オウレン

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「次硝酸ビスマス」は、「胃腸に作用する薬」の「腸の薬」の「収斂成分(止瀉成分)」に登場します。

 市販薬には、「 【第2類医薬品】テスミンエース 12カプセル 」などがあります。

 当該成分は、そこそこの出題率です。「香川県 R5 午後第13問」や「東京都 R2 第73問」などの出題例があります。

 「適正使用」の論点もあり、「東京都 H30 第113問」といった感じで出題されています。

 優先順位は、「高い」です。

過去問○×問題

 当該成分は…、

 ① 次硝酸ビスマスは、急性の激しい下痢又は腹痛・腹部膨満・吐きけ等の症状を伴う人では、細菌性の下痢や食中毒が疑われるため、積極的に使用することが望ましい。

 ② 次硝酸ビスマス --- 瀉下成分

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ①の正誤はこちらです。

解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「次硝酸ビスマスは、急性の激しい下痢又は腹痛・腹部膨満・吐きけ等の症状を伴う人では、細菌性の下痢や食中毒が疑われるため、積極的に使用することが望ましい。」ですが、誤った記述です。

 間違っているのは、「積極的に使用することが望ましい。」のところです。

 正しくは、「安易な使用を避けることが望ましい」です。

 「使用上の注意」は、頻出論点なので、シッカリとチェックしておきましょう。

 よって、①は、「○」となります。

②に注意

 ②の「次硝酸ビスマス --- 瀉下成分」ですが、気をつけてないと、(アレレ)となります。

 次硝酸ビスマスは、「収斂成分(止瀉成分)」であり、つまりは、「止瀉薬(下痢止め)」です。

 選択肢の言う「瀉下成分」は、つまりは、「下剤」です。

 よって、②は、「×」となります。

試験ポイント

 当該次硝酸ビスマスですが、お友達の「次没食子酸ビスマス」と、ポイントはほぼ同じです。

 全部、狙われるので、押えておきましょう。

 ビスマスは、腸内で発生した有害物質を分解する作用があります。

 『1週間以上』の継続使用を避けます。精神神経症状が現れるおそれがあるからです。

 服用時は、飲酒を避けます。精神神経症状が現れるおそれがあります。

 そして、頻出でおなじみの「使用を避ける」があります。

 ビスマスは、血液‐胎盤関門を通過します。

 妊婦等は、ビスマスを含む成分の使用を避けます。

 「関西広域連合 R2 第36問:止瀉成分」の選択肢1に出題されています。

 最後に、「相談すること」があります。

 手引きの…、

 「胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診断を受けた人では、損傷した粘膜からビスマスの吸収が高まるおそれがあるため、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。」

 …のところです。

 「胃胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断を受けた人」は、ビスマスを含む成分を使用する前に、「医師などに相談する」ことになっています。

 「相談すること」は、余裕があれば、見ておいてください。

「適正使用」対策

 先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。

 「次硝酸ビスマス」ですが、「使用(服用)しない」の論点があります。

 まず、「1週間以上継続して服用しないこと」です。

 「理由」は、「海外において、長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため」です。

 「1週間」という数字が出ているので、押さえておくべきです。

 また、ビスマスのキーワード「精神神経症状」も、押えておきましょう。

 次に、「服用前後は飲酒しないこと」です。

 「理由」は、「吸収増大による精神神経系障害が生じるおそれがあるため。」です。

 キーワード「精神神経症状」が、ここにも出ています。

 参考:適正使用対策‐連用しない各種

 参考:適正使用対策‐飲酒しない

相談すること

 「次硝酸ビスマス」ですが、「相談すること」の論点があります。

 余裕があるなら、押えておきましょう。無理なら無理でいいです。

 まず、「基礎疾患の胃・十二指腸潰瘍」です。

 「ビスマスの吸収が高まり、血中に移行する量が多くなり、ビスマスによる精神神経障害等が発現するおそれがあるため」、「相談すること」と相なっています。

 キーワード「精神神経症状」が、ここにも出ています。

 次に、「急性のはげしい下痢又は腹痛・腹部膨満感・吐きけ等の症状を伴う下痢」です。

 このときは、「下痢を止めるとかえって症状を悪化させることがある」ため、「相談すること」となっています。

妊婦等の補足

 なお、当該ビスマスですが、ちょっとだけ「混乱」しています。

 「医薬品」では、「妊婦は使用を避ける」となっているのです。

 しかし、「適正使用」の「使用(服用)しない:女性系」には、当該ビスマスが記載されていないのです。

 よって、当該「ビスマス‐妊婦等は使用しない」は、「医薬品」だけで問われ、「適正使用」では、おそらく問われないと思われます。

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「 【第2類医薬品】テスミンエース 12カプセル 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「胃腸に作用する薬」の「腸の薬」の「収斂成分(止瀉成分)」へのリンクです。

 次没食子酸ビスマス

 次硝酸ビスマス

 タンニン酸アルブミン

 ロペラミド塩酸塩

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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