独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

指定数量の計算のコツ‐危険物取扱者 乙種4類(乙4)の法令

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

指定数量の計算は、乙4でほぼ毎回出る論点である。その勉強のコツなど。独学者向け。テキストの最初の方で目にした人は、『後回し』する。性消の知識がないと解けないため。無理に勉強しなくてよい。後で追々やっても十分間に合う。

「指定数量の計算」の最大のコツは、『後回し』です。

勉強する頃合は、「性消(危険物の性質と消化の方法)」が一通り終わってから、当該論点に手を付けます。

というのも、最近では、「普通の計算問題」は鳴りを潜め、他の論点と絡んだ出題になっているからです。

たとえば、「タンクには、4類のある非水溶性の液体が、2,000リットル入っている。引火点は-30度で、発火点は90度である。当該液体の指定数量の倍数はいくらか?」といったような、「性消」の知識も同時に問う、“出題者にとってはお手ごろだが受験生にとっては悪夢”の問題が出ているからです。

こういう手合いの問題だと、危険物の性質・特徴、危険物の分類の定義が頭に入っていないと、手も足も出ません。

切実な問題として、「実力」の問題です。

危険物の名前やカテゴリが頭に入っていないと、第1石油類はコレコレで…第2石油類はアーダコーダで…水溶性はウンヌンカンヌン…と説明されても、配偶者の小言ごとく、頭を素通りするだけです。

こうした次第で、当該指定数量の計算は、後から手を付ける「後回し大作戦」がセオリーです。

性消が終わっていない方や、試験勉強序盤の方は、ここで終了です。

続きを読んでも、まず頭に入らないので、他のページ、たとえば、「ロッキード P-38 ライトニング」や「ノースアメリカン P-51 マスタング」でも読んで、軍オタの第一歩を踏んでください。ガソリンがらみですので遊んでいることにはなりません。

  

試験勉強がそこそこ進んでおり、ある程度、「性消」が済んでいる方は、以下をお目汚しおば。

なお、先の例題は、「引火点が-30度」と「発火点が90度」のところがポイントで、「発火点が100度以下」は特殊引火物であり、また、「引火点が-30度」でも特殊引火物であると、判断できます。特殊引火物の指定数量は「50リットル」です。「2000÷50」の「40倍」が答えです。

ちなみに、タンクの危険物は、特殊引火物の二硫化炭素です。「発火点90度」が特徴の危険物です。繰り返しますが、性消が進んでないと解けるわけがありません。

また、危険物の分類基準が頭に入っていないと、これまた、解きようがありません。

こういう手合いなので、「後回し」が賢明なのであります。

参考:特殊引火物とは、発火点が100度以下のもの、または、引火点が-20度以下で沸点が40度以下のものをいう。

参考:第1石油類とは、引火点が21度未満のものをいう。

典型的な問題

先の例題は、かなり応用的な問題ですが、標準的な問題は…、

「ガソリン-1,000リットル」「アセトン-400リットル」「ギヤ油-9,000リットル」「重油-1,000リットル」が同一場所で貯蔵されている場合、その総量は指定数量の何倍か?」

…という出題です。

先述したように、こういう問題を解くには、各危険物の分類と名前が頭に入っていないとダメです。

ガソリン…第1石油類(非水溶性)

アセトン…第1石油類(水溶性)

ギヤ油…第4石油類

重油…第3石油類(非水溶性)

…といった塩梅です。「性消」がある程度進んでないと、解けっこないことがお分かりいただけるかと存じます。

まずは、語呂を書き出す

問題を解くには、「指定数量」の語呂を思い出す必要があります。

そう、伝説の「5時だよ、兄さん、ひとふろ、わんだふる」です。

参考:指定数量の伝説的憶え方‐危険物取扱者

ガソリン

ガソリンは、第1石油類です。

「兄さん」に当たるので、「200リットル」が指定数量。

問題では「1,000リットル」貯蔵なので、「1,000÷200」の「5」が倍数です。

1つ終わりました。

アセトン

アセトンは、第1石油類の非水溶性物質です。

アセトン→あせとん→あせ→汗

汗は水に溶ける、と憶えておけばいいでしょう。

非水溶性の場合は、該当する石油類を「2倍」なので、「第1石油類200×2」の「400リットル」が指定数量。

問題では「400リットル」貯蔵なので、「400÷400」の「1」が倍数です。

ふう、2つ目終了です。

なお、甲種受験を考えている方は、アセトンの示性式は「CH3COCH3」で、簡略構造式は「CH3-CO-CH3」で、カルボニル基のケトンであることも憶えておきましょう。超よく出ます。

ギヤ油

ギヤ油は、第4石油類で、先の語呂の「ひとふ“ろ”」の「ろ」の「6,000リットル」が指定数量です。

問題では「9,000リットル」の貯蔵なので、「9,000÷6,000」の「1.5」が倍数です。

当該計算上、小数点が発生しても「そのまま」です。

勝手に四捨五入などをしてはいけません。

重油

重油は、第3石油類で、先の語呂の「ひと“ふ”ろ」の「ふ」の「2,000リットル」が指定数量です。

問題では「1,000リットル」の貯蔵なので、「1,000÷2,000」の「0.5」が倍数です。

ポイントは、「1以下」の倍数となっても、計算対象となっているところです。

深読みして、「1以下は、ないものとしてゼロ」といった、勝手な処理をしないでください。

足し算で合計

すべての危険物の倍数が計算できたら、後は、集計するだけです。

「5」+「1」+「1.5」+「0.5」の「8」が答えです。

何気に最後の足し算で、気が抜けるのか、計算ミスをすることがあります。(経験者は語る)

ここで間違うと、本当に貴重な1点を失います。

念には念を入れて、2~3回ほど、検算することをお勧めします。

まとめ

「指定数量の倍数の計算」は、素直に、ストレートに計算してください。

最初はできていたのに、なぜか、終盤になると、奇を穿つのか、へんてこりんな計算をする人がいます。(わたしです。)

先に述べたように、「0.5」といった「1以下の倍数」を無視したり、勝手に四捨五入したりで、ヘンに間違えるといった塩梅です。

根っこは、割り算と足し算なので、難しく考えず、計算してください。

なお、くれぐれも語呂「5時だよ、兄さん、ひとふろ、わんだふる」は忘れないように。ここが生命線です。

難化した昨今の本試験では、親切に「○○の指定数量は○○リットル」などの資料(数字)は、出てこないはずです。

とはいえ、まあ、「性消」が頭に入って、語呂を暗記していれば、まず、点が取れるので、貴重な1点を確保しましょう。

これが取れたら、残り「5問」ですから。

『心の軍師』に、『5時だよ、兄さん、ひとふろ、わんだふる』と、助言してもらってください。

荀彧

なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、

独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。
また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。

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