第2種電気工事士 過去問+解説 学科試験(筆記方式)令和7年度(2025年度)上期試験 第2問

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第2問は、電気理論でおなじみ「抵抗」を問う問題です。抵抗の公式の「R=4ρL/πD2」を使って計算します。計算するだけなので、公式さえ憶えていたら文系でも解けます。

第2問‐抵抗

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「ふつう」です。

 なお、本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 抵抗の公式は、「R=4ρL/πD2」となっています。

 「R」は、抵抗(たぶん、レジストのR)です。

 「ρ」は、「ロー」で抵抗率です。本問では、使いません。

 「π」は、おなじみ円周率のパイですね。使いません。

 「L」は、長さです。(たぶん、レングスのL)

 「D」は、直径です。(たぶん、ダイアメタ:diameterのD)

解答1

 公式「R=4ρL/πD2」にドンドコ数字を入れます。

 「直径 1.6 mm,長さ 8 m の軟銅線」の数字を公式に入れていくと…、

 「R=4ρL/πD2

 「R=4ρ×8/π×1.6×1.6」

 「R=32ρ/2.56π」

 …となります。

解答2

 「 32 m の軟銅線」の数字を公式に入れると…、

 「R=4ρ×32/πD2

 「R=128ρ/πD2

 …となります。

解答3

 抵抗値が同じなわけですから…、

 「32ρ/2.56π=128ρ/πD2

 …が成り立ちます。

 ρとπは、相殺されるので消去すると…、

 「32/2.56=128/D2

 「12.5=128/D2

 「12.5D2=128」

 「D2=10.24」

 …となります。

解答3

 選択肢の数字を2乗して、「10.24」となるものを探しましょう。

 「イ.0.8」ですが、「0.8*0.8」で「0.64」。「×」です。

 「ロ.2.0」ですが、「2.0*2.0」で「4」。「×」です。

 「ハ.3.2」ですが、「3.2*3.2」で「10.24」です。これが正解です。

 正解は出ましたが、念のため「ニ.6.4」も計算すると、「6.4*6.4」で「40.96」で、誤りなことがわかります。

別解

 抵抗率が同じな場合、抵抗値は直径の2乗(D2)に反比例し、長さ(L)に比例します

 本問の場合、長さが「8m」と「32m」なので、「32/8」で、抵抗が「4倍」になっていることがわかります。

 本問では、「電気抵抗が等しくなる」とあるので、4倍になった抵抗を、直径の方で「1/4倍」すれば、いいことがわかります。

 抵抗は、直径の2乗に反比例しますから、抵抗を「1/4倍」するには、直径を2倍すればいいです。

 よって、元の軟銅線の直径は、「1.6mm」ですから、「1.6×2」で「3.2」が答えとなります。

文系ド素人アドバイス

 本問は、おそらく、普段の試験勉強のときなら、すらっと解けるはずです。

 しかし、本試験となると、予想以上に緊張しているので、細かい計算が「アレレ」となることが予想されます。

 んなもんで、本試験にて、本問の様な計算問題に遭遇した場合、「解けそうなら解く」けれども、「計算面倒だな」と思ったら、『後回し』にするのが賢明です。

 計算問題は、計算に時間を食われるからです。

 学科には、「知ってさえいれば、数秒で解ける問題」が、ごろごろしています。

 本試験では、そういうすぐ取れる問題から解答するのがセオリーです。

 逆を言えば、時間のかかる問題は後回し、ってな寸法です。

 全問解いて、取れる問題をがっつり取った後で、時間のかかる計算問題に本腰を入れましょう。こっちのほうが、絶対に、計算ミスをしなくなります。

答え

 正解:ハ

 …と相なります。

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学科過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。

 2問:抵抗・・・「ふつう」。

 3問:熱量計算・・・「ふつう」。

 4問:負荷の力率・・・「ふつう」

 5問:Y(スター)結線の電流・・・「ふつう」。

 6問:単相2線式回路の電圧降下・・・「ふつう」。

 7問:単相3線式回路の電圧降下・・・「ふつう」。

 8問:許容電流・・・「ふつう」。

 9問:過電流遮断機の定格電流・・・「ふつう」。

 10問:分岐回路・・・「ふつう」。

 11問:ねじなしボックスコネクタ・・・「ふつう」。

 12問:ゴムコード・・・「ふつう」。

 13問:電気工事と工具・・・「ふつう」。

 14問:回転速度・・・「ふつう」。

 15問:機器組み合わせ・・・「ふつう」。

 16問:材料写真鑑別・・・「ふつう」。

 17問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 18問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 19問:絶縁電線相互の接続・・・「ふつう」。

 20問:ケーブル工事・・・「ふつう」。

 21問:ルームエアコン工事・・・「ふつう」。

 22問:特殊場所の電気工事・・・「ふつう」。

 23問:金属管工事・・・「ふつう」。

 24問:アナログ式回路計(電池内蔵) ・・・「ふつう」。

 25問:アナログ式絶縁抵抗計・・・「ふつう」。

 26問:接地抵抗計(電池式)・・・「ふつう」。

 27問:計器記号・・・「ふつう」。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:特定電気用品・・・「ふつう」。取る。

 30問:一般用電気工作物・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:引込線取付点の地表上の高さ・・・「ふつう」。

 32問:EM電線・・・「ふつう」。

 33問:器具図記号・・・「ふつう」。

 34問:図記号の名称・・・「ふつう」。

 35問:機器図記号・・・「ふつう」。

 36問:定格電流の最大値・・・「ふつう」。

 37問:接地抵抗・・・「ふつう」。

 38問:器具図記号・・・「ふつう」。

 39問:最少電線本数・・・「ふつう」。

 40問:引掛形のコンセント・・・「ふつう」。

 41問:図記号器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 42問:リングスリーブ当て・・・「ふつう」。

 43問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 44問:ケーブル当て・・・「ふつう」。

 45問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 46問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 47問:リングスリーブ当て・・・「ふつう」。

 48問:差込形コネクタ・・・「ふつう」。

 49問:コンセント当て・・・「ふつう」。

 50問:未使用スイッチ・・・「ふつう」。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2025年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2025 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格2025年版 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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