第22問‐令和5年度(2023年度)上期午後学科の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 小難しい選択肢が連続しますが、最終解答は、定番の問題なので、大丈夫かと思います。ただ、選択肢の個々をきちんと復習して、解けるようにはなっておきましょう。

第22問‐D種接地工事

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

選択肢イ

 イの「一次側 200 V,二次側 100 V,3 kV・A の絶縁変圧器(二次側非接地)の二次側 電路に電動丸のこぎりを接続し,接地を施さないで使用した。」ですが、正しい記述です。

 選択肢の場合、接地工事が省略できます。

 「電技解釈第29条」の規定からの出題です。

 くたくたした規定なので、ざっくり見ておけばいいでしょう。

 第2種電気工事士では、深く問われることはないと思います。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢ロ

 ロの「三相 200 V 定格出力 0.75 kW 電動機外箱の接地線に直径 1.6 mm の IV 電線(軟銅線)を使用した。」ですが、正しい記述です。

 

 

 おなじみの「表」を駆使します。

 本問の場合、「三相 200 V 」ウンヌンとあるので、使用電圧「300V以下」のD種接地工事に該当します。

 当該D種接地工事の接地線は、「1.6mm以上の軟銅線」となっています。

 本問では、「直径 1.6 mm の IV 電線(軟銅線)」となっているので、正しいです。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢ハ

 ハの「単相 100 V 移動式の電気ドリル(一重絶縁)の接地線として多心コードの 断面積 0.75 mm2の 1 心を使用した。」ですが、正しい記述です。

 先に、当該D種接地工事の接地線は、「1.6mm以上の軟銅線」と述べました。

 試験に出るのは、大概これなのですが、例外的に、「移動して使用する電気機械器具の接地線で、多心コードまたは多心キャブタイヤケーブルの1心を使う場合だと、「0.75mm2」でもよい。」という規定があるのです。

 本問では、「移動式の電気ドリル」で、「多心コード」で、「断面積 0.75 mm2の 1 心」なので、OKと相なります。

 当該例外規定が、ちらほらと出題されるようになっています。

 このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、押えましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢ニ

 ニの「単相 100 V 定格出力 0.4 kW の電動機を水気のある場所に設置し,定格感度電流 15 mA,動作時間 0.1 秒の電流動作型漏電遮断器を取り付けたので, 接地工事を省略した。」ですが、誤った記述です。

 選択肢の言うように、「水気のある場所」に設置した場合、「定格感度電流 15 mA,動作時間 0.1 秒の電流動作型漏電遮断器を取り付け」ても、接地工事が省略できません。

 省略可能なのは、「水気のある場所以外の場所」の場合です。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 「接地工事省略の憶え方-兄ちゃん0.1秒お漏らし」も、参考にしてください。

答え

 本問は「不適切なものはどれか?」なので…、

 正解:ニ

 …と相なります。

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学科過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。

 2問:抵抗計算・・・「ふつう」。

 3問:電圧計算・・・「やや難」。

 4問:消費電力計算・・・「やや難」

 5問:三相 3 線式回路(Y結線)・・・「ふつう」。

 6問:単相2線式回路・・・「ふつう」。

 7問:単相3線式回路の電圧降下・・・「ふつう」。

 8問:許容電力計算・・・「ふつう」。

 9問:幹線許容電流・・・「ふつう」。

 10問:分岐回路・・・「ふつう」。

 11問:アウトレットボックス・・・「ふつう」。

 12問:ビニルコード・・・「ふつう」。

 13問:工事と工具・・・「ふつう」。

 14問:三相かご形誘導電動機・・・「ふつう」。

 15問:直管LEDランプ・・・「ふつう」。

 16問:材料写真鑑別・・・「ふつう」。

 17問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 18問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 19問:リングスリーブ・・・「難」。

 20問:電気工事の種類・・・「ふつう」。

 21問:単相3線式 100/200V 屋内配線・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。

 23問:雨線外に施設する金属管工事・・・「ふつう」。

 24問:竣工(新増設)検査・・・「ふつう」。

 25問:単相 3 線式回路 開閉器・・・「ふつう」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。

 27問:漏れ電流計(クランプ形)・・・「難」。

 28問:法令各種・・・「難」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電圧の低圧区分・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:図記号当て‐ボックス系・・・「ふつう」。

 32問:図記号当て‐点滅器系・・・「ふつう」。

 33問:工事当て・・・「ふつう」。

 34問:機器当て・・・「ふつう」。

 35問:電路と大地間の絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 36問:ペンダント図記号・・・「ふつう」。

 37問:接地工事・・・「ふつう」。

 38問:最少電線本数・・・「難」。

 39問:小勢力回路・・・「ふつう」。

 40問:菅当て・・・「ふつう」。

 41問:配線当て・・・「難」。

 42問:ケーブル当て・・・「難」。

 43問:図記号写真鑑別‐コンセント・・・「ふつう」。

 44問:リングスリーブ当て・・・「難」。

 45問:リングスリーブ当て(刻印)・・・「難」。

 46問:図記号機器当て・・・「ふつう」。

 47問:差込形コネクタ当て・・・「難」。

 48問:未使用スイッチ・・・「ふつう」。

 49問:未使用材料・器具・・・「ふつう」。

 50問:未使用工具・・・「ふつう」。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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