6問‐3路スイッチ:令和2年度(2020年度)2電工候補問題解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 候補問題の第6問は、最難関の1つ。ここだけにしか登場しない「露出型コンセント」と「3路スイッチ」と、固有問題ばかりで、練習していないと100%落ちる。難関の本問の練習の仕方や、攻略、要領、手順を説述する。独学者向け。技能試験が本問だったとしても、きちんと練習していれば、合格はできる。

第6問は、最難関

 

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 令和2年度(2020年度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題6」の独学者向けポイントを見ていきます。

 最初に大事なことを言うと、候補問題6は、「難関の部類」に入ります。

 本問には、上の画像を見てもらえばわかるように、「露出型コンセント」と「3路スイッチ」が固有部分です。

 技能試験の多くの作業は、“被っています”。たとえば、ランプレセプタクルや引っ掛けシーリング、コンセント等の作業は、候補問題で共通しています。んなもんで、ある問題で「それ」を組むことは、他の問題の練習にもなっているわけです。

 しかし、本問の固有部分は、他の候補問題では、まったく登場しません。

 このため、本問だけは、独自に、しっかり練習しておかないと、合格は覚束なくなります。

インデックス

  1. 複線図ポイント
  2. 難易度は「難」
  3. 難所:露出型コンセント
  4. 3路スイッチ攻略
  5. テキストのまんまを、憶える
  6. 練習回数は無制限
  7. 接続は指差し確認
  8. リングスリーブ
  9. その他の部分
  10. 独学向け教材

複線図のポイント

 

 まず、『欠陥ポイント』から見ていきます。

 三路スイッチの電源側(右の方)ですが、「0」には、「黒」を接続します。

 例年、問題文にて、このように指示されるので、必ず、守ってください。でないと、即落ちです。

 さて、もう一方の左の三路スイッチですが、これは、別段、「0」を「黒」に繋げる必要はありません。

 とはいえ、本試験では、何でも『確定』しておく方が賢明です。

 「0は黒」とする方が憶えやすいので、左の方も、「0」を「黒」で接続しましょう。

 さて、本問には、恒例の「色指定なし」があります。

 しかし、先に見たように、『確定』しておく方が、ゼッタイに混乱しません。んなもんで…、

 スイッチ1は、「赤(左)・赤(3心)・赤(右)」にする…

 スイッチ3は、「白(左)・黒(3心)・白(右)」にする…

 …といったように、練習時から、何色を繋げるか、決めておきましょう。

 三路スイッチ以外は、基本的なものなので、苦労はないはずです。

 まあ、三路スイッチは、独特のものがあるので、丸ごと覚えるの一手です。

 「ブックマーク」にでも入れておいて、出先や、配偶者がリビングにいるときに、チェックしてみてください。

 ところで、全「複線図」は、「複線図インデックス」にあります。出先で練習したい人は、参考にしてください。

難易度は「難」

 令和2年度(2020年度)の2電工・技能試験の候補問題6

 ポイントと固有部分は、上記の画像のようになっています。

 先述したように、「露出型コンセント」と「3路スイッチ」といった「難易度の高い」論点で構成されています。

 「難関」であることを意識して、何回も何回も練習して、身体に憶えこませましょう。「第6問は最大の山場」と認識しておいてください。

難所:露出型コンセント

 露出型コンセント

 「露出型コンセント」は、本問しか登場しないため、致命的に練習量が不足する器具となっています。

 一口で言えば、当該「露出型コンセント」は、費用対効果が悪いのです。

 引っ掛けシーリングやランプレセプタクルなどは、大半の候補問題で出るので、個別的な練習はいらないのです。

 しかし、当該器具は、ここだけしか出ないため、「独自の課題」として、練習しておく必要があります。

 また、当該器具は、絶妙に寸法の取り方が異なっているので、ことさらに「独自の練習」が不可欠です。

 なお、当該露出型コンセントは、『欠陥が5つ』も取られるところであり、下手をすれば、ここで即落ちします。

 (採点者は、いの1に、露出型コンセントをチェックするはずです。なぜなら、ここでダメだったら残りを採点しなくていいからです。)

 本問の「露出型コンセント」は、たかがコンセントではなく、命取りのコンセントです。

 練習不足のまま、本試験に臨むと、その勝手の違いから、かなり手間取ります。

 本試験は「40分」しかないため、「手間取り」は、即、命取りです。作業が押して見直し時間がなくなれば、“超”赤信号です。

 こんな次第で、「露出型コンセント」は、厄介な論点です。

 暇を見つけたら「露出型コンセント」を練習して、「不安ゼロ」状態にまで、自分を持っていってください。

 少なくとも、「最低3回」は、使用済みケーブルで練習しておきます。不安があるなら、10回・20回と練習しましょう。わたしはそのくらいやりました。

3路スイッチ攻略

 次に、これまた難所の『3路スイッチ』です。

 本作業も、作業に習熟していないと、必ず間違えるので、練習あるのみです。

 3路スイッチの攻略で大事なことは、『複線図が完璧に書けるようになっておく』ことです。

 複線図が不安だと、いざ接続やいざ結線となった時に、異様に焦ります。手が震えます。

 (ここでいいはず・・・だけど・・・)といった、あやふやな状態では、接続を『100%』間違えます。

 まず、「複線図」を、“自信”を持って書けるまで、書きまくります。回数は無制限です。できるまで、です。

 反対に言うと、複線図を自信を持って書けないなら、回路を組まなくていいです。工具も持たなくていいです。

 複線図がダメだと、全部ダメです。

 兎にも角にも、テキストを見て、複線図を鉄壁にします。

テキストのまんまを、憶える

 3路スイッチの複線図で厄介なところは、「アバウト」なところです。

 3路スイッチの「0番」は「黒」と決まっているのですが、それ以外は、「白でも赤でもいい」のです。

 どう繋げてもいいので、一見すると楽なのですが、「本試験」という緊張するときだと、意外に神経質になって、(アレ、これでよかったけ?)といった感じに、不安になってしまうのです。

 この種の不安をなくすには、ガチガチにテキストの“真似”をすることです。

 テキストのお手本をガン見して、まずは、そっくりそのままを憶えましょう。

 んで、テキストのお手本どおりに組めるようになって、自信が付いてから、『自分流』に変えて行けばいいです。

 とにかく、最初は、「テキストそのまんま」を憶えて、その通りに組めるようになりましょう。

 正直、アレコレ考えるより、お手本を丸暗記する方が手が早く動きます。

練習回数は無制限

 当該候補問題ですが、一度、ぜんぶを組んだら、それ以降は、すべてを組み立てる必要はありません。

 毎回毎回、全組をするのは時間の無駄です。

 本問の練習は、最も致命的な「3路スイッチ」と「露出型コンセント」の2つの練習で十分です。

 回数は『無制限』です。とにかく、できるようになるまで、使用済みケーブルで練習してください。

 慣れてくると、「3路スイッチ」は5分強で組めます。「露出型コンセント」は3~4分で作れるようになります。時間はそう食わないので、何回も何回も、徹底して、身体に憶えこませてください。

 特に、三路スイッチは、何も見なくても組めるくらいに、頭よりも先に手が動くくらいに、なっておくのが無難です。

接続は指差し確認

 さて、接続ですが、3路スイッチというややこしい部分があるので、文系ド素人最強の技「指差し確認」が必須です。

 接続の際は…、

 複線図の接続しようとする箇所を、(これとこれをつなぐ、よろしいか?)といった感じで指でなぞり…、

 次に、ケーブルの線と線とを指差しして…、

 「スイッチの○色の電線→真ん中3心ケーブルの○色電線、ヨシッ!」と確かめて…、

 さらにもう1度、指差し確認をして、合計2回確認してから、リングなりコネクタなりで、ガッチャンコと接続します。

 こうすると、接続ミスを根絶できます。

 なお、指差し確認を2回しても、ほとんどの練習では時間が余ったので、時間のロスにはならないはずです。

 3路スイッチで失敗をしたことのある人は、ぜひ、「指差し確認」を導入してみてください。

その他の箇所

 「3路スイッチ」と「露出型コンセント」以外は、ふつうなので、問題はないかと思います。

 ただ、「引掛けシーリング」ですが、これは「改定事項」となっています。大丈夫だとは思いますが、「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイントの2019年度1月の改定について」方を、一読願います。

 あと、「施工省略」のところも、ちょっとだけ注意しておきます。

 テキストの指示通りの「施工省略」作業を徹底してください。

 てきとーにやっていると、本試験の最中に(アレ、施工省略ってどうしてたっけ?!)と、軽くパニックに陥ります。

リングスリーブ

 リングスリーブは、おおむね、「小」と「極小」を使うはずです。

 2種類しかないので、迷うことはないでしょうが、怖いのは、“うっかりミス”です。

 電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、ガチャンと接続します。

 というのも、『リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒だから』です。

 間違った接続部分を切り取り、新たにケーブルの外装を剥いで、電線の被膜を取るという“時間ロス”の権化です。

 おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。

 本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。

 指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。

独学向け教材

 最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。

 

 ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。

 「ホーザン 合格クリップ」や、

 「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、

 「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。

 絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

令和2年度 技能・候補問題

 まとめ・難易度・順番

 複線図インデックス

 1問:位置表示灯

 2問:確認表示灯(常時点灯)

 3問:タイムスイッチ(TS)

 4問:三相3線式200V

 5問:20A 250Vコンセント

 6問:3路スイッチ

 7問:4路スイッチ

 8問:リモコンリレー

 9問:EET

 10問:確認表示灯(同時点滅)

 11問:ねじなし管

 12問:PF管

 13問:自動点滅器(A)

PDFや動画の閲覧

 

 PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

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技能試験の注意やヒント

 本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。

 まず、問題文についでです。

 だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。

 「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。

 次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。

 当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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