危険物取扱者 乙種4類(乙4)の独学

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 乙4の独学に必要なことを最小限にまとめています。合格率は30%を切り、難化傾向が続く乙4の受験に当たって、必要な準備や心構えを述べるほか、5:5/4:6の試験傾向や、難易度、勉強時間、試験科目ごと(法令・性消・物化)の勉強方法を説術したり、独学向け教材を紹介したりしています。

乙4の合格率について-7人落ち

 まず、乙4の受験に当たっては、「乙4はカンタンに取れる」という考えを排することから始めてください。

 乙4は難化傾向にあり、以前のように、すぐ取れる資格ではなくなっています。

 かつて「30~40%以上」あった合格率は年々下がり、平成26・27年は「29%」前後に落ち込んでいます。合格率は30%を切っているのが、乙4という試験です。

 10人中、7人が落ちているという塩梅で、乙4は、ちゃんと勉強しない限り、受かりません。

 今、資格試験では、「難化」がブームで、多くの試験で難易度がグングン上がっており、“下がる気配”がありません。乙4も、当分は難化傾向が続く、と考えておく方が安全です。

 乙4には、“過去の合格者”がたくさんいます。彼らの時代は、合格率は40%以上あり、乙4は「カンタン」だったのですが、今は試験事情が全く異なるので、安易な取り組みは危険です。われわれは、敵よりも、助言者に気をつけなければなりません。

 わたくしごとですが、いくつかの資格試験を受けてきて、乙4ほど手応えがなく、“落ちたかもしれない”と鬱々して帰路に付いた試験はなかったです。

 10人中7人も落ちる乙4は、決して、楽勝な試験ではありません。

 参考:乙種4類(乙4)の合格率と挫折率

難化とはいえ、独学合格は可能

 まあでも、難化したとはいえ、後述する独学向けのテキストや問題集で一通り勉強しておけば、独学合格できる十分な実力は身に付きます。

 現に、わたしのようなガチ文系を含めて、多くの人が、独学合格しています。

 「試験の難化」というのは、ぶっちゃけ言えば、テキストもまともに読まない“不良受験生”を駆逐するための『措置』なので、ちゃんと勉強すれば乙4には受かります。

 最悪な出題に遭遇して、1回の受験ではダメでも、2回3回受ければ、確率的に乙4には合格できます。(後述あり。)

 なお、乙4は、理系が有利ですが、文系でもぜんぜん合格できます。暗記事項が多いので、合否は、頭の良し悪しより、“やるかやらないか”です。

 やることをやれば受かるが、サボったり手を抜くと落ちるのが「乙4」。気負わず、焦らず、淡々と目の前の教材を消化していきましょう!

独学向けの教材

 「教材レビュー」にて詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストは、文系でも大丈夫な「チャレンジライセンス 新訂版」を…、

 問題集は、難化傾向用の「乙種4類 危険物取扱者試験」か「乙種4類 精選問題300選」を利用します。

 これらをそろえれば、試験勉強の環境は鉄壁です。

 独学向け教材が揃ったら、「2系統」の試験傾向と、法令・物化・性消の勉強方法を見ていきましょう。

2系統問題が乙種試験の傾向

 わたしは、乙4のみならず、1類から6類まで乙種すべてを受験しましたが、危険物取扱者の乙種には、明白な傾向があります。

 本試験問題には、「やさしい系」と「難問系」の2つの系統がある、ということです。

 両者は、その“境目”が見えるくらい、問題のレベルが異なります。

 「カンタン→解ける!→できる→わかる→なにこれ?!→何いってんの?!→知らんわ!→???→ヤバイヨヤバイヨ(出川風)→できるわけねぇだろっ!(森三中:大島風)」ってな感じで、試験問題の難易度は、途中で突然、跳ね上がるのです。

 「やさしい系」とは、基本的な問題・易しい問題・定番の問題です。

 対して、「難問系」とは、応用的な問題、実務・実際的な問題、理数系の常識的な問題です。

 先に結論を言うと、乙4合格のキーは、「やさしい系」で得点を大きく確保して、「難問系」の失点に対して、いかに備えて、いかに足切りを逃れるか、となっています。

乙4の重要な数字「5:5」か「6:4」

 「やさしい系」と「難問系」の出題割合は、おおむね「5:5」か「6:4」です。

 つまり、全部で10問が出題される「性消」や「物化」では、やさしい問題が5問か6問、難しい問題が5問か4問出る、という塩梅です。

 (法令は15問出題ですが、勉強すれば大丈夫なのでココでは無視します。)

 おおむね、前半の、第1問目から5問目には、勉強した受験生なら誰でも知っている、「やさしい系」の問題が出題されます。

 たとえば、「乙種6類は、酸化性固体である」といった問題が出ます。答えは「×」です。6類は酸化性液体ですね。実に、カンタンです。

 「やさしい系」は、従来の問題の使いまわしや、ほぼ同じ問題なので、市販のテキストでしっかり勉強していれば、確実に点数が取れます。

 まあ、ときおり、語句や用語を少しだけ変えた問題が出てきますが、まあ、穏当に正解できる難易度です。

 対して、後半の第6問から第10問に、難儀な「難問系」が配置されています。

 この系統は、テキストの内容を深く突っ込んでいたり、実際に危険物を扱っていないと知りようのない実務事項だったり、理系なら“当然知っているでしょ”的な常識問題が出題されます。

 テキストの内容をさらに深めた問題なら、まだしも、解答のチャンスがあります。

 しかし、1~2問は、テキストや問題集では、全く触れられもしなかったものが出題される可能性が高いのです。

 わたしは大阪府の受験でしたが、粉塵爆発やアセチレンガス?の出題があり、頭を抱えました。

 これらは、『1選択肢』ではないんです。『1個の独立した1つの問題』として出題されたので、選択肢のすべてに、手も足も出ませんでした。

 当該「難問系」は、最悪の出題ケースとなると、5問すべてに手も足も出ず、5問すべてを失点して、「0点」になる可能性があります。

 わたしは、「乙種6類」の際に、全10問の出題のうち、「カンタンな5問」と「“超”難解の5問」という最悪ケースに遭遇し、ギリギリ5問しか“まともに”解答できず、難解5問すべてを運否天賦の解答=あてずっぽの解答となりました。

 試験は「6点」で、ギリギリで受かってましたが、本試験では脂汗がとろとろと流れ、下着はじっとりと濡れました。

 先述したように、危険物取扱者試験の独学合格のポイントは、いかに「やさしい系」で点数を確保し、「難問系」の怒涛の出題に備えられるか、です。

 反対に言えば、「難問系」で点数を稼ごうなんて、露ほど考えてはいけない、という次第です。

 言い換えれば、「やさしい系」では絶対に失点しない、という心構えが必要です。

 『取れる問題は絶対に落とさない』という、試験の鉄則を肝に銘じて、乙4に臨んでください。

法令の勉強を手短にー先に問題がコツ

 法令を苦手とする人が多いでしょうが、実は一番楽です。危険物取扱者の法令は、単にルールや決まりを憶えるだけだからです。

 コツは、一口で言うと、『問題演習をしてください』です。

 テキストを読んでから、ではないんです。皆目わからないでしょうが、まず先に問題を解いて、出題の感じを掴んでから、テキストを読みだすのがコツです。

 法令のクソのような文章など、すらすら読める人のほうが変です。

 先に問題演習をすると、あの無味乾燥した文章が曲りなりにでも読めるようになるので、試験勉強に身が入ります。

 第2のコツは、ずっとやらない、です。

 法令は暗記事項が多いですが、覚える作業を何時間も続けても、頭がパンクするだけです。

 法令の勉強は、一時にドンとやるよりも、「細々とした短い時間で数多く勉強する」のがコツです。通勤通学時や、銀行等の待ち時間、もう夜のお勤めもないでしょうから、夜寝る前に、暗記と記憶の作業をするといいでしょう。

 で、テキストや問題集の問題を「3回」繰り返せば、まず、合格点の6割は確保できるでしょう。

 なお、基本的な法律用語に慣れていないために、余計に法令を苦手にしている人が多いかと思います。

 「法律用語のコツ」に、「及び(および)」と「並びに(ならびに)」や、「または」と「もしくは」など、混同しやすい法律用語をまとめているので、参考してみてください。

 条文のわかり難さが、ぐっと和らぐように思います。

 そして、「以下・以上・未満・超える」です。「含むか、含まないか」は、超頻出論点です。一度は目を通して、使い方をチェックしておいてください。憶え違いが多々あります。

性消の勉強を手短に-3つのポイント

 乙4には、「33個前後」の危険物がありますが、全部を詳細に憶える必要はありません。

 危険なものほど、出題の可能性が高いです。特殊引火物、第1石油類、アルコール類、第2石油類…の分類は、危険度等を勘案されているので、先の方の超危険な特殊引火物からしっかりと憶えていって、後の方のマシン油などは、押える程度に勉強します。

 試験勉強のポイントは、以下の3つです。

①最初は、いちばんの特徴だけ押える。

 1つの危険物には、いろいろな特長や出題ポイントがあり、一時に憶えられるものではありません。

 ですから、その危険物のうち、いちばんの特徴を、1点だけ、まずは憶えるようにします。

 たとえば、「アセトアルデヒド」ですが、特徴はいろいろあるも、最初は「貯蔵容器は、爆発性化合物が生じる恐れがあるので、銅及びその合金、銀は使用しない」という、当該危険物の独特の特徴だけ憶えます。要は、器に注意、だけ憶えるわけです。

 たとえば、「ピリジン」なら「悪臭」だけを憶えます。

 1つでも特徴が頭に入ると、そこから、根が伸びるように、危険物の各特徴を憶えていける、という寸法で、わたしは乙種全種の危険物をこうして憶えていきました。

②憶えることが多いので、語呂合わせを作って憶えていく。

 たとえば、特殊引火物は「朝にジエチルエーテル」などと、語呂を作って憶えます。→“ア”セトアルデヒド・“さ”んかプロピレン・“に”硫化炭素・ジエチルエーテル」

 水溶性液体用泡消化薬剤(対アルコール泡消化剤)は、「汗汗ピリピリさんさん→アセトン・アセトアルデヒド・ピリジン・氷酢酸・酸化プロピレン」で憶えます。

 勉強が嫌なときは、オリジナル語呂合わせを作って凌ぎましょう。

③横断的な勉強をすると忘れにくい。

 危険物を「有色系/無色系」、「異臭系」や「芳香系」でまとめたりして、危険物を横断して憶えると、忘れにくいです。

 テキストや問題集には、たいがい、危険物の特色を簡潔にまとめた一覧表があります。

 下の画像は乙4ではないのですが、「無色系」なら緑色でマーキング、「有色系」なら黄色でマーキングといった風に、『色』で共通項を括っていくと、憶えやすい横断学習となります。

 

 まとめます。乙4の性消は、難しくないし、あまりめんどくさくもないです。

 『なんで危険なのか?』を念頭に、各危険物の特徴や消火の方法を見ていくと、(だから危険なのか~)という感じで、納得して勉強できます。

 性消も、法令同様、問題演習の数で決まります。テキストや問題集の問題を「3回」繰り返せば、まず間違いなく、合格点の6割を確保できるでしょう。

物化の勉強を手短に-解くのみ

 文系にとっては、物化が難関で、不合格の最要因です。

 まず、手持ちのテキストや問題集の問題は、確実に解けるようになっておきます。ここが重要です。

 1問たりとも、テキスト・問題集レベルの問題を落とさなくなるまで、勉強します。

 テキストや問題集の問題は、「3回」繰り返します。以上です。

 物化は、実質的に、これくらいしか対策はありません。

 というのも、物化は、出題者側にとっては、「理系常識問題」と「実務問題」という魔法の杖があるため、いくらでも、難易度を高くできるためです。

 物化の万全の対策は、講習やセミナーなどを受けないとできないため、費用対効果が悪過ぎます。

 また、いまさら、中学や高校の教科書をひっぱってくることも、面倒くさいこと、配偶者並みです。

 ですから、試験勉強は、おおむね5問前後出る、やさしい系の問題を全問正解して5点稼ぎ、難問系はできる範囲でマークして、後は、「運を天に任せる」のみです。

 最終合格は「運頼み」と、面白くありませんが、物化を本格的にやるのは、コスパが悪過ぎて、逆に落ちます。

 最後の1点が「運」とはいえ、合格ギリギリのとこまで勉強していると、後述するように、確率的に受かります。

 わたしは、乙4のみならず、乙種のすべてを受験したのですが、そのすべてが「ギリギリ」でした。が、それでも、1つも落とすことなく合格できました。

 基本は「運」なんですが、やっぱり「運だけ」ではないように思います。

乙4の難易度

 一口で言うと、「カンタンではないが、勉強すれば受かる」です。

 テキストは斜め読み、問題集なんてお金がもったいないから解かない、なんて人はまず落ちますが、それなりに予算をかけ時間を確保して勉強すれば、ガチ文系でも受かる難易度です。

 難易度のさらなる詳細は、ちょっと長くなるので、「乙4の難易度」まで。

乙4の勉強時間

 乙4の勉強時間は、1~3ヶ月強を見ておきます。

 暗記と記憶の作業が多いので、短期合格も可能ですが、強行軍の試験勉強は面倒かつ挫折率も高いので、1~3ヶ月を見ておくほうが無難です。

 勉強時間のさらなる詳細は、ちょっと長くなるので、「乙4の勉強時間」まで。

乙4に、絶対に受からないといけない人は、併願受験

 乙4は、午前と午後の2回、試験が行われています。

 ですから、会社の命令などで、「どうしても1回で合格しないといけない」という人は、午前と午後で、「計2回」受けます。

 要は、午前と午後の両方を受けると、「2回くじを引くことになる」ので、確率的に受かりやすくなる、という次第です。

 乙4試験とは、後述するように、「67%」のくじであり、当該「67%」を2回連続で外れるのは、そうないので、格段に受かるってな塩梅です。

 詳しくは、「乙4の受け方は、午前・午後の2回受験(併願受験)」に述べていますので、参考ください。

 午前と午後に受けるのはしんどいですが、まあ、どのみち1日つぶれますから。

まとめ的なもの-乙4は確率

 乙4合格のキーは、おおむね5問は出題される「やさしい系」を全部取ることです。

 「やさしい系」を確実に取れるように勉強して、「やさしい系」の5問で、足切りギリギリのとこに行きます。

 対して、「難問系」は、深追いしません。できる範囲で解答して1問、運よく取れればいい、くらいに考えます。

 というのも、「やさしい系」で5問、確保できれば、後は「67%」の確率で受かるからです。

 難問系5問で、運よく1問正解する確率は、以下の通りです。

 5択の問題を、5問連続で間違える可能性は、「32.768%」です。逆を言えば、5問のうち、1問正解できるのは、「67.232%」となります。

 運が良ければ、「67%」の確率で、難問系5問から1点取れます。で、足切りを免れて合格です。運が悪くて、5問全部はずしたら、落ちます。乙4とは、これだけです。

大袈裟でした

 まあ、とはいえ、上記の勘定は、「最悪のケース」を想定した話です。

 実際のところは、難問とはいえ、そのすべてが全く解けないわけではないので(1~2問は解ける公算が大)、実際の本試験の得点勘定は、もっともっと余裕があります。安心してください。

 しかし、「難問系の5問が滅茶苦茶に難解で、皆目解けない事態」も大いに考えられます。難化している昨今だと、尚更です。

 難しいことに一生懸命になる必要はありません。要は、「やさしい系」を確実に取れるように勉強すればいいだけです。

 まずは、先に紹介した「チャレンジライセンス 新訂版」と「乙種4類 危険物取扱者試験」を、きっちり消化してみてください。“運という確率の問題”はつきまといますが、まず、合格できるでしょう。

 反対に言うと、先の教材を消化した人が、無惨にも「落ちた」という話を、あまり聞かないのです。2冊をやりこめば、穏当に独学合格ですわ。

乙4のこまごましたもの

 乙4に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者 乙種4類:ブログ記事」をばご参考ください。

 また、乙4の求人数など、資格情報をまとめた「乙4:独学資格ガイド」も、併せて、お目汚しください。

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