10問‐H29上期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第10問は、配線設計でおなじみの論点「分岐回路の遮断器」の問題です。当該論点も、よく試験に出ます。字面だけ追うと面倒ですが、問題自体はカンタンな部類です。憶えることも少ないので、何回も類問を解いて、100%取れるようになっておきましょう。文系ド素人なら率先して取ります。

10問‐分岐回路の遮断器

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「ふつう」です。

 テキストの記述や過去問の解説でもご存じでしょうが、当該論点は、日本語がややこしくて仕方がないです。

 しかし、解答作業自体は、単純な割り算で終わるので、ぜひ、食わず嫌いを克服してください。

解説1:主要な決まり

 分岐回路には、“原則として”幹線の分岐点から「3m以内」に「開閉器及び過電流遮断器」をもうけなくてはなりません。

 この規定は、問題にならないので、ほとんど出ません。試験に出るのは「例外」の方です。当該例外は「2つ」あります。

 例外1は、分岐点からの電線の許容電流が、幹線の許容電流の「35%以上」であれば、「3m超8m以下」に施設します。

 例外2は、分岐点からの電線の許容電流が、幹線の許容電流の「55%以上」であれば、「距離に制限なく」、どこでも施設が可能です。

 2つの例外は、両方ともよく出るので、下の表をしっかり憶えておきましょう。

 

解説:2

 役者はそろっています。

 幹線の許容電流は「50A」です。

 分岐回路の許容電流は、問題文にあるように「42A」です。

 算数します。「42÷50」で「0.84」となります。

 分岐回路の許容電流は、幹線の「84%」といった塩梅です。

 「84%」ですから、例外2の「55%以上で、距離に制限なし」に該当します。

 後は、選択肢から「制限なし」を選ぶだけ、ってな次第です。

 このように、当該「分岐回路の遮断器等の施設位置」の問題は、「割り算」で解答できてしまうという塩梅です。

 問題の解き方を、シッカリと押えておきましょう。

答え

 選択肢から「距離に制限なし」を探します。

 従って、答えは選択肢の「ニ」となります。

 正解:ニ

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筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。

 2問:交流回路の力率・・・「ふつう」。文系可。

 3問:抵抗・・・「ふつう」。

 4問:力率改善・・・「ふつう」。

 5問:三相3線式・・・「ふつう」。文系可。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:許容電流・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:幹線許容電流・・・「ふつう」。取れる。

 9問:分岐回路・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路の遮断器・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:絶縁ブッシング・・・「やさしい」。絶対レベル。

 12問:LED・・・「やさしい」。取れる問題。

 13問:三相かご型誘導電動機・・・「ふつう」。

 14問:材料工具・・・「ふつう」。取れる。

 15問:太陽電池発電・・・「難」。捨て問でよい。

 16問:工具・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:測定器・・・「やさしい」。基礎・基本レベル。

 19問:特殊場所工事・・・「ふつう」。

 20問:単相3線式・・・「ふつう」。定番問題。

 21問:施工場所・・・「やさしい」。

 22問:屋側:施工場所・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:D種接地工事・・・「ふつう」。絶対レベル。

 24問:測定器・・・「やさしい」。超基本。

 25問:漏えい電流・・・「ふつう」。

 26問:接地抵抗計・・・「やや難」。解けなくはない。

 27問:計器・・・「ふつう」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。基礎・基本レベル。

 29問:電気工事士法・・・「ふつう」。基礎・基本レベル。

 30問:電気用品安全法・・・「難」。仕方ない。

配線図

 31問:分電盤・・・「やさしい」。

 32問:管の図記号・・・「やさしい」。

 33問:水銀灯図記号・・・「やさしい」。基本問題。

 34問:図記号・・・「やや難」。

 35問:図記号・・・「やや難」。取りたい。

 36問:図記号・・・「やさしい」。絶対レベル。

 37問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 38問:最少電線本数・・・「やや難」。

 39問:Tコンセント・・・「やさしい」。絶対レベル。

 40問:引込線取付点・・・「やさしい」。1点取れる。

 41問:コンセント図記号・・・「ふつう」。取れる。

 42問:スリーブ当て・・・「やや難」。

 43問:圧着工具・・・「難」。要復習。

 44問:LF図記号・・・「ふつう」。

 45問:図記号・・・「ふつう」。

 46問:器具・・・「やさしい」。

 47問:差込形コネクタ・・・「難」。

 48問:リングスリーブ・・・「やや難」。

 49問:DL図記号・・・「やさしい」。絶対レベル。

 50問:スイッチ写真・・・「普通」。1点取れる。

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 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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