登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」に登場する「生薬」の試験対策ページ。本ページで述べる生薬は、「ダイオウ」です。重要な大腸刺激性瀉下成分である「ダイオウ」はよく出ます。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きの説明文を抜粋しておきます。
『大腸を刺激して排便を促すことを目的として(…略…)ダイオウ(タデ科のRheum palmatum Linné、Rheum tanguticum Maximowicz、Rheum officinale Baillon、Rheum coreanum Nakai 又はそれらの種間雑種の、通例、根茎を基原)(…略…)等が用いられる。』
『センナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノールについては、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。』
『乳児に下痢を生じるおそれがあり、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。』
『構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤においても、同様に、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けることとされている。』
『ダイオウもセンナと同様、センノシドを含み、大腸刺激性瀉下成分として用いられる。』
『ダイオウは各種の漢方処方の構成生薬としても重要であるが、瀉下を目的としない場合には瀉下作用は副作用となる。』
『構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤では、瀉下作用の増強を生じて、腹痛、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすくなるため、瀉下薬の併用に注意する必要がある。』
…とあります。
…以上です。
ポイントが多々含まれているので、“すべて”チェックしておきましょう。
さて、基原ですが、無視していいです。タデ科のRheumウンヌンの英語基原は、押さえなくていいでしょう。憶えるのは無理です。ここが出たら諦めましょう。
ちなみに、基原のダイオウは、こんなものです。
「下剤」っぽい感じがします。
「ダイオウ」は、そこそこの頻度で試験に問われます。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
しかも、漢方処方製剤では、構成生薬の1つのため、どうしても、当該ダイオウの特質を理解しておかねばなりません。
よって、優先順位は、「とても高い」です。
いのいちで、押えておきましょう。
なお、当該生薬が配合された市販薬には、「 【第2類医薬品】ナイシトールZ 420錠 」などがあります。
生薬の効能・効果が頭に入らないときは、実物の説明書きや成分表で、頭に入れていきましょう。
当該生薬は…、
問1「ダイオウは、吸収された成分の一部が乳汁中に移行し、乳児に下痢を生じさせるおそれがある。」
問2「ダイオウは、大腸刺激性止瀉成分である。」
…といった感じに出題されています。
「ダイオウ」には副作用があって、問題文の言うように、「成分の一部が乳汁中に移行し、乳児に下痢を生じさせるおそれ」があります。
よって、「○」となります。
ダイオウには、重要論点「使用を避ける」があります。
「授乳中の女性は使用を避けるか、使用中は授乳を避ける」と、注意喚起がなされています。
参考:使用しない 女性系
先の市販薬でも、「●使用上の注意」の「■■してはいけないこと■■」に「2.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳をさけること」と記載されています。
キッチリと押えておきましょう。
よくある「ひっかけ」です。
間違っているのは、「大腸刺激性止瀉成分」のところです。
よーく見てください。選択肢のは、「“止瀉”」となっています。
ダイオウですが、「大腸刺激性“瀉下”成分」で、一口で言えば、「下剤」です。
選択肢の止瀉成分とは、言うなれば、「下痢止め」です。
登録販売者試験には、こういう「ひっかけ」がよく出るので、注意してください。
よって、「×」となります。
なお、「大腸」が「小腸」と変えられることも、多々あるので、注意してください。
当該ダイオウですが、漢方処方製剤の生薬構成の1つとなっています。
昨今では、漢方処方製剤の出題数が激増しているので、無視できなくなっています。
よくある出題としては…、
『葛根湯の主要生薬としては、カンゾウ・ダイオウがある。』
…といった感じで、生薬の有無を問う問題です。
ダイオウを含む漢方処方製剤は、そんなに数がないので、押えやすい論点です。
生薬の勉強時には、そう意識しなくていいですが、「ダイオウは、漢方処方製剤にて、1点に近い」くらいに、把握しておいてください。
なお、先の例題の答えですが、「×」です。
「葛根湯」の構成生薬は、「カンゾウ・マオウ」です。
参考:葛根湯
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
「適正使用」にて、固有事項があるので、押さえておくべきです。
なお、当該成分は、「使用(服用)しない」には登場しますが、「相談すること」には出てきません。
「ダイオウ」ですが、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」となっています。
「理由」は、「乳児に下痢を起こすおそれがあるため。」です。
これは、瀉下薬の一般的な注意事項で、他の「医薬品」でも問われる定番事項です。
キッチリと押えておきましょう。
参考:女性系
「ダイオウ」には、特徴のある論点があります。
それは、「大量に使用(服用)しないこと」です。
「“大量に”」という文言が付与されるのは、「センナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノール、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム等の刺激性瀉下成分」等のみです。
出題実績あります。他の成分ともども、押えておきましょう。
「理由」は、「腸管粘膜への刺激が大きくなり、激しい腹痛や腸管粘膜に炎症を引き起こすおそれがある」からです。
参考:特徴系+その他
ダイオウですが、先に見たように、「瀉下成分」です。
当該瀉下成分は、効果が重複しやすく、激しい下痢になる可能性があるので、「使用中は、他の瀉下薬を避ける」と、なっています。
こういう使用上の注意も、よくよく問われるので、押えておきましょう。
暗記用に、空白問題を出しておきます。
ダイオウ --- 「○○刺激性○○成分」
すらっと出るようなら、OKです。アレレなら、ページの上の方を見つめてください。
「た行の生薬」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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