第2問‐令和5年度(2023年度)下期午前学科の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 令和5年度(2023年度)第2種電気工事士の下期午前学科:第2問は、電気理論でおなじみ「抵抗計算」を問う問題です。電気抵抗:R=ρ×l/Aを使う問題です。小難しいですが、文系でも解けるので、解き方だけを、見ておきましょう。

第2問‐抵抗計算

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「ふつう」です。

 なお、本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説1‐公式

 抵抗を求める公式は、「電気抵抗:R=ρ×l/A」です。

 くらくらした人もいるでしょうが、ここが踏ん張りどころです。

 当該抵抗の公式は、しばしば出るので、がんばって憶えてください。

公式補足

 公式の「ρ」は、「ロー」と呼びます。これは、金属の抵抗率です。

 公式の「l」は、長さ(m)を現します。長さの「length」の「l」かと思われます。

 公式の「A」は、断面積(㎡)を現します。面積の「area」の「A」かと思われます。

 つまり、長さを面積で割って、「ρ」を掛けるといった塩梅です。

解説2‐公式代入1

 まず、断面積の「A」から求めていきましょう。

 Aの直径は「1.6mm」です。ということは、半径は「0.8mm」となります。電線ですから「円」なので、断面積は「0.8×0.8×π」となります。

 Bの直径は「3.2mm」です。ということは、半径は「1.6mm」となります。断面積は「1.6×1.6×π」となります。

 挫折しそうですが、がんばりましょう。

解説3‐公式代入2

 Aの長さは20mです。ですから、Ra=ρ×20÷0.8×0.8×πとなります。

 Bの長さは40mです。ですから、Rb=ρ×40÷1.6×1.6×πとなります。

 整理します。

 まず、ρを無視します。

 なぜなら、AとBはともに銅線だし、設問は倍率を求めるので、具体的な数字は必要でないからです。

 同様に、πも無視しましょう。問題では「何倍か?」という設問なので、意味がないからです。

 数字を単純化すると…、

 Ra=20÷0.8×0.8

 Rb=40÷1.6×1.6

 …となります。

 めまいがしてるなら医務室へ行ってください。そして、帰ってきましょう。

解説4‐公式整理

 算数をします。

 Raの0.8×0.8は、「0.64」です。「20÷0.64」で「31.25」となります。

 Rbの1.6×1.6は、「2.56」です。「40÷2.56」で「15.625」となります。

 ようやく、答えが出ます。

 問題は「AはBの何倍か?」です。

 混乱しないように、文字にしましょう。「A:31...」は「B:15...」の「おおよそ2倍」となります。

 従って、答えは、「2」倍の選択肢の「イ」となります。

答え

 正解:イ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:直流回路・・・「難」。

 2問:抵抗計算・・・「ふつう」。

 3問:熱量計算・・・「ふつう」。

 4問:リアクタンス・・・「難」

 5問:Δ結線(デルタ)結線・・・「やや難」。

 6問:単相3線式回路・・・「ふつう」。

 7問:電力損失・・・「ふつう」。

 8問:許容電力計算・・・「ふつう」。

 9問:幹線許容電流・・・「ふつう」。

 10問:分岐回路・・・「ふつう」。

 11問:プルボックス・・・「ふつう」。

 12問:耐熱温度・・・「ふつう」。

 13問:工事と工具・・・「ふつう」。

 14問:スターデルタ始動・・・「ふつう」。

 15問:配線用遮断器の動作時間・・・「ふつう」。

 16問:材料写真鑑別・・・「やや難」。

 17問:機器写真鑑別・・・「ふつう」。

 18問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 19問:絶縁処理・・・「ふつう」。

 20問:工事場所・・・「ふつう」。

 21問:配線図記号・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。

 23問:合成樹脂管工事・・・「ふつう」。

 24問:低圧検電器・・・「やや難」。

 25問:漏えい電流・・・「ふつう」。

 26問:D種接地工事・・・「ふつう」。

 27問:アナログ計器とディジタル計器・・・「やや難」。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電圧区分・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:最少電線本数・・・「やや難」。

 32問:図記号当て・・・「ふつう」。

 33問:器具図記号・・・「ふつう」。

 34問:小勢力回路・・・「ふつう」。

 35問:電路と大地間の絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 36問:接地工事の種類・・・「ふつう」。

 37問:地中埋設工事・・・「ふつう」。

 38問:電線管図記号・・・「ふつう」。

 39問:引込口開閉器の省略・・・「ふつう」。

 40問:電線管図記号・・・「ふつう」。

 41問:リングスリーブ当て・・・「難」。

 42問:ケーブル当て・・・「難」。

 43問:差込形コネクタ当て・・・「難」。

 44問:電灯図記号・・・「ふつう」。

 45問:機器写真鑑別・・・「ふつう」。

 46問:図記号写真鑑別・・・「ふつう」。

 47問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ当て・・・「難」。

 49問:未使用コンセント・・・「ふつう」。

 50問:未使用器具・工具・材料・・・「ふつう」。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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