令和2年度(2020年度)に行われた福岡県の登録販売者試験ですが、一口で言うと、「非常にオーソドックスだった」です。
直近2~3年の過去問を解いて、傾向の変化を掴んでいれば、当該年度では、穏当に合格点が取れたはずです。
とはいえ、注意すべき傾向変化もあります。
それは、「医薬品」での「漢方処方製剤・生薬の出題の増加」です。
先年と比べて、漢方処方製剤・生薬の問題が増加しています。
まあ、当該傾向変化は、「福岡県」に限らず、他の県でも同様です。
かつてのように、「漢方処方製剤」や「生薬」は、「捨て問」にできないので、注意してください。
他の科目の「基本知識」や「人体」、「適正使用」や「法規」ですが、これらは、ほぼ例年通りです。
テキストと過去問題集、PDF過去問を、キッチリと仕上げた人なら、十分な余裕を持って、合格圏に入れたと思います。
当該年度の試験問題ですが、なかには、突飛な出題もありました。
たとえば、「第3問」です。
一見して解きようのない「難問」ですが、こういうのは、無視してもいいでしょう。
基本的に、試験問題の大半は、テキスト記載事項で、定番問題・頻出問題がほとんどです。
難問以外の「できなかった問題・間違った問題」は、何回も繰り返して、確実に取れるようにしておきましょう。
本年度も、難問や傾向変化はあれど、「テキストを『3回』精読する。キーワードを憶える。過去問を『3回』解く。」という、すべての受験生がやっていることを、まじめにやっていけば、合格できるはずです。
んでは、以下、科目別に、傾向を述べていきます。
第1問~第20問の計「20問」の「医薬品に共通する特性と基本的な知識」ですが、令和2年度も安定した出題です。
先に述べましたが、「第3問」に、ガチの難問が出題されました。
しかし、「福岡県」では、例年、こうした“誰も解けない問題”が数問出ます。
(今回は、こいつが難問枠かー)程度に捉えて、深追いしないようにしましょう。
こうした「難問」が取れなくても、十分に、合格点を取れます。
さて、昨年度試験でも見られたのですが、「薬害訴訟」の問題数が減っています。
これは、全国的な傾向でして、他の県でも、同様に「薬害訴訟」の問題が減っています。
しかしながら、「薬害」の論点は、実に重要です。よって、傾向が元に戻って、出題数が増える可能性を捨て切れないのです。
傾向が完全に固まるまでは、「薬害訴訟」の論点は、細かいところまで押えておきましょう。
「基本知識」での注意点は、以上です。
第21問~第40問の計「20問」の「人体の働きと医薬品」ですが、令和2年度は、オーソドックスな出題でした。
敢えて傾向を言うと、「逆の問題が凄くたくさん出題される」です。
登録販売者試験でよくある問題として、「逆」の問題があります。
テキストの記述を、意図的に「逆」にした問題で、たとえば、「上」が「下」に、「左」が「右」に、「短い」が「長い」に、「太い」が「細い」に、変えられた問題です。
当該年度では、とりわけ、この種の「逆」の問題を目にしました。
そこかしこの選択肢に、当該「逆」の問題を目にするはずです。
また、「人体」で目立つのが、「似た語句入れ替え問題」です。
たとえば、正しくは「“延”髄」なところを、「“脊”髄」などにしてくる問題です。
こうした問題は、意外に、コロッとひっかかるので、「人体」のテキストは、他の科目よりも、一層注意深く、精読してください。
次に、「副作用」ですが、昨年と同じく、すべての副作用が満遍なく出題されています。
「副作用」は、テキストの「すべてが出る」と仮定して、1つも端折ることなく、押えて行きましょう。
「人体」の注意事項は、以上です。
第41問~第60問の計「20問」の「医薬品の適正使用・安全対策」ですが、例年通りといった次第です。
懸念事項の「医薬品的な問題」は、「4問」で…、
・41問
・43問
・46問
・57問
…といった塩梅です。
昨年の試験でも、「4問」だったので、例年通りと言えます。
とはいえ、安心はできません。
「東京都」や「関西広域連合」では、当該「医薬品的な問題」がガチで「定番化」しており、例年「6~8問」の出題が想定されています。
「福岡県」も、この傾向に進む可能性を捨て切れません。
当該「医薬品的な問題」は、きちんとその対策を取ってないと、点数的にかなり厳しくなります。
「福岡県」においても、いつ、「医薬品的な問題」の出題が増加しても大丈夫なように、対策しておくべきです。
対策ページは、「適正使用対策」なので、時間を見ては、1つ1つを押えて行きましょう。
また、「企業からの副作用等の報告制度」の問題が出てくるようになっています。
「第54問」なのですが、当該論点は、他の県でも「定番化」しているので、対策を取っておきましょう。
第61問~第100問の計「40問」の「主な医薬品とその作用」ですが、漢方処方製剤と生薬の出題が増加しています。
かつては、「捨て問」にできた両者ですが、もはや、ふつうに勉強しないといけない論点と化しています。
両者を「捨て問」にすると、点数的に、実に厳しくなります。
早め早めに手を付けて、対策を取って行きましょう。
参考:漢方処方製剤対策
参考:生薬の独学
また、傾向として、以前のような「名称‐成分名」ばかりの問題ではなくなってきています。
「使用上の注意」や「症状の定義」、「受診勧奨」や「数字」がビシバシ問われています。
また、これまでにあまり出なかった「マイナー成分」も、ふつうに出題されています。
たとえば、「第98問」の選択肢1の「ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル」などです。
(ナンノコッチャ?)にならないよう、テキストのすべてを精読しておきましょう。
(なお、先のポリオキシうんぬんは、クレゾール石鹸液と同じ効能のあるものです。)
最後に、特記事項として、珍しい「外用‐内服」の当否が問われました。
「第91問」なのですが、当該「外用‐内服」が問われるのは、とても珍しいです。
再度出題されそうなので、テキストの精読の際は、「外用‐内服」に注意しておきましょう。
第101問~第120問の計「20問」の「薬事関係法規・制度」ですが、令和2年度年では、到って「ふつう」です。
難問・奇問の目立つ「法規」ですが、当該年度は、オーソドックスな問題が多かったです。
難問率の高い条文問題も、ふつうの「択一式」で、問題なかったはずです。
とはいえ、「法規」は、「難問地帯」なので、油断せず、PDF過去問の難問に当たっておきましょう。
たとえば、昨年の「109問:生物由来製品」や「「120問:監督処分」です。
まあ、ヘンテコリンナ問題もありますが、穏当に、点は取れたはずです。
令和2年度年度(2020年度)の福岡県 登録販売者試験は、ざっと斯くの如しです。
勉強方法や独学の進め方などは、「登録販売者の独学」を一読ください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 登録販売者, 登録販売者試験 | 2021年2月6日 3:18 PM |
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一概には言えないし、そうでないケースが多々あるのも、重々承知ですが、「漢方処方製剤対策」の1つとして、見ておいてください。
まずもって、「漢方処方製剤の『効能』が、ガチで問われることは、“ほとんどない”」と、認識しておきましょう。
たとえば…、
…といった選択肢で、類似問題には…、
…があります。
設問には、『効能』がつらつらと述べられていますが、この部分がガチで問われることは、そう滅多にないです。
わたし自身の経験では、『効能』が解答の決め手となる問題を、見たことがありません。
よって、当該『効能』部分を、神経質に勉強する必要はない、といった次第です。
まず出ないだろう問題の具体例を、「茵蔯蒿湯」を元に見ていきましょう。
憶えなくていいですが、手引きの記載です。
『茵蔯蒿湯・・・体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの蕁麻疹、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされる。』
たとえば、下のような、効能の1~2つが“意図的に”消された問題は、出ないと思われます。
問い『茵蔯蒿湯は、(…略…)口内炎、湿疹・皮膚炎に適すとされる。』
答え『×』
理由『茵蔯蒿湯は、“蕁麻疹”、“皮膚のかゆみ”にも効くので、誤り。』
例題のような、『効能』の1~2つが意図的に“抜けた”問題は、そう出ないと思われます。
出題されない理由として、「一応は、正しいから。完全には、間違っていないから。」です。
先の例題ですが、「×」となってはいますが、文言そのものは、間違ってはいないのです。
「茵蔯蒿湯」は、口内炎、湿疹・皮膚炎に効くことは効くので、完全な間違いではないのです。
慎重な出題者なら、出題ミスと捉えかねない問題を作るのを、躊躇するはずです。
こうした点から、「効能抜け」の出題は“ない”と、踏んでよいかと思います。
たとえば、下のような、効かない効能がある・余計な効能がある問題は、出ないと思われます。
問い『茵蔯蒿湯は、(…略…)蕁麻疹、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、“痔の痛み”に適すとされる。』
答え『×』
理由『茵蔯蒿湯は、“痔の痛み”には効かないので、誤り。』
効かない・関係のない効能を挿入する問題は、出題される可能性があることにはあります。
しかし、解ける受験生は、ほとんどいないでしょう。
よって、出題されるにしても、試験全体の点数調整や、「難問枠」の問題として出題されるのが関の山です。
受験生の立場からすると、こうした問題への対策は費用対効果が悪すぎます。また、出題者の試験事情に付き合う必要は微塵もないので、「捨て問」とするのが賢明です。
漢方処方製剤の「効能」の出題の可否について、見てきました。
「効能」部分は、ガチで問われる可能性は低いので、ざっくり押えておけばいいです。
ガチ暗記は、無用です。
その漢方処方製剤が何の薬なのか、把握できていれば、よいでしょう。
たとえば、「小建中湯」なら「疳の薬だ!」とか、「加味逍遙散」なら「婦人薬だ!」とか、「十全大補湯」なら「滋養強壮保健薬の漢方だ!」くらいに認識できれば、何とかなるように思います。
ところで、選択肢にて、効能がつらつらと述べられた設問というのは、おおむね、「○(正解・正しい)」となる可能性が高いです。
先の例題ですが、2つとも、「○」となっています。
上記画像のような、(何これ?そんな細かい効能まで憶えてないよ)的な出題があった場合、「とりあえず○」として、最終解答をするのが『一手』です。
漢方処方製剤の問題のすべてに当てはまるわけではありませんが、経験上、通用することが少なくないです。
受験予定の県のPDF過去問を検討して、上記のような傾向が見られるなら、「効能がツラツラ述べられた選択肢は、○なことが多い」を、採用してみてください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 登録販売者, 登録販売者 漢方処方製剤, 登録販売者-医薬品 | 2020年12月22日 11:33 AM |
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登録販売者試験ですが、「難化」に伴い、受験生を惑わす「ブラフ(はったり)」の選択肢が登場しています。
本ページでチェックするほか、テキストの精読をキッチリ行ってください。
テキストさえ、きちんと読んでいれば、ブラフの選択肢は、(こんなん、テキストにあったか~?)で、判断できます。
「香川県 R5 第28問」に、手引きに出てこない「メラトニン」なる語句が出題されました。
日焼けの元になる「メラニン」との混同を狙った出題かと思います。
(メラトニン?!、メラニンじゃなかった?)と、判別がつくようにしておきましょう。
言うまでもないですが、当該メラトニンは、押さえる必要は皆無です。こういう問題も出るんだと、傾向把握の一環としてください。
「適正使用」の「救済制度」の問題で、「休業保障」なる語句が登場しています。
「福岡県 R3 第56問」の問題です。
“さもありなん”な選択肢のため、あまり勉強しなかった受験生は、頭を抱えたかと思います。
キッチリとテキストを精読して、(こんなもんなかったぞ)と判別してください。
北海道・北陸ブロックのR3試験に、「L-グルタミン」なる成分名が登場しました。
参考: 福島県 R3 第32問
手引きには、登場しない成分で、明らかに「はったり」です。
他県でも、これに似たような語句が出る可能性があるので、注意してください。
なお、グルタミンですが、アミノ酸の一種とのことです。
「関西広域連合 R2 第14問」の選択肢bに、「保管期限」なる文言が使われています。
その設問は…、
『高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすい一般用医薬品には、「保管期限」が表示されている』
…です。
「×」です。
典型的なブラフ(はったり)です。
当該保管期限ですが、テキストにおいても、手引きにおいても、1回たりとも使われていない語句です。
「存在しない」以上、一般用医薬品にそんな表示がなされるわけがありません。
出題者がでっち上げた語句に引っかからないようにしてください。
引っかかるのは、配偶者だけで十分です。
なお、“期限”が絡む語句には、「使用期限」くらいしかありません。
「関西広域連合 R2 第105問」の選択肢dに、「消費期限」なる文言が使われています。
その設問は…、
『「添付文書には、開封時の使用期限として「消費期限」が記載されている。』
…です。
「×」です。
添付文書で記載されるものとして、「消費期限」なる語句・定義は、存在しません。
存在しないのですから、記載されるわけがありません。
当該消費期限ですが、おそらくは、テキストには、載ってないように思います。(こんなものまで載せるテキストは、そうないはずです。)
これは、手引きの巻末資料に、1回だけ登場する語句です。
先も言ったように、“期限”が絡む語句には、「使用期限」くらいしかありません。
出題者の見え見えの悪意に、惑わされないようにしましょう。
なお、「消費期限」とは、手引きによると、「食品を摂取する際の安全性の判断に資する期限」をいいます。
今のところ、「ブラフ・はったり」は、以上です。
今後、目に次第、追加していく所存です。
試験勉強の詳細や医薬品の勉強については「登録販売者の独学」を、独学向け教材については「登録販売者の教材レビュー」を参考をば。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者:語呂合わせ」などがある「登録販売者の投稿記事 」で、ヒマな時間を潰してください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 登録販売者, 登録販売者 まとめ, 登録販売者試験 | 2020年11月26日 9:40 AM |
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