カフェイン・無水カフェインは、「精神神経に作用する薬」の「眠気防止薬」に配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
さて、「眠気防止薬」ですが、ここでは「カフェイン」1個しか問われません。
「眠気防止薬」には、ビタミン成分・ビタミン様成分などが配合されていますが、まず出題されないので、「カフェイン」に絞って勉強してください。
実によく出ます!ここさえ憶えたら、1点です。
ご存じのように、「カフェイン」は、「眠気防止薬」の「カフェイン類」として登場します。
市販薬には、「エスタロンモカ錠 24錠」や「トメルミン 12錠」などがあります。
さて、当該「カフェイン」ですが、一般的に“なじみ”のある成分のため、本試験では、かなり顔を出す成分となっています。
また、近年、カフェインの過剰摂取による死亡事故もあり、実務上でも要注意の成分となっています。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
優先順位は「とても高い」です。
なお、カフェインは、「風邪薬」等にも含まれる成分ですが、それらのカテゴリでは、あまり突っ込んだ出題はありません。
対して、「睡眠防止薬」で、細かいところが問われています。
他のカテゴリは斜め読みでもいいですが、「睡眠防止薬」の該当ページは、何度も精読しておきましょう。
カフェインは…、
① カフェインを含む医薬品とコーヒーを一緒に摂取すると、カフェインの過剰摂取となることがある。
② カフェインは、脳に軽い興奮を起こさせて、一時的に眠気や倦怠感を抑える。
③ 安全使用の観点から留意すべき作用に、胃液の分泌を抑える作用がある。
④ カフェインの作用として、腎臓におけるカリウムイオン(同時に水分)の再吸収抑制があり、尿量の増加(利尿)をもたらす。
⑤ カフェインは乳汁中には移行しないので、授乳期間中の女性が服用してもその母乳を飲む乳児には影響がない。
⑥ 眠気防止薬におけるカフェインの一回摂取量はカフェインとして500mg、1日摂取量は2,000mg上限とされている。
…といった感じで出題されます。
かなり突っ込んだ出題なので、先述したように、しっかりとテキストを読み込んでおく必要があります。
先の○×問題の解説です。
①の「カフェインを含む医薬品とコーヒーを一緒に摂取すると、カフェインの過剰摂取となることがある」ですが、まさに、その通りです。
カフェインは、コーヒーといった飲み物のほか、食品、医薬品・医薬部外品にも配合されています。んなもんで、うっかりすると、よく口にしやすい成分となっています。
先に挙げた市販医薬品には、「コーヒーやお茶等のカフェインを含有する飲料と同時に服用しないでください」と注意書きがされています。
よって、①は、「○」となります。
当該論点は、カフェインのド定番事項なので、100%、丸暗記しておきましょう。
②の「カフェインは、脳に軽い興奮を起こさせて、一時的に眠気や倦怠感を抑える」ですが、これも、定番問題です。
その通りの性質です。よって、②は、「○」となります。
なお、よく出るのですが、「医薬品を使用したことによる眠気を抑えるために、眠気防止薬を使用することは、適切ではありません。
カフェインの対象は、普通の眠気です。
③の「安全使用の観点から留意すべき作用に、胃液の分泌を抑える作用がある」ですが、登録販売者でよくあるひっかけです。
胃液の分泌を「亢進」するのがカフェインです。
よって、③は、「×」となります。
食後にコーヒーを飲むのは、胃液の分泌を促して、消化をよくするためですね。
④の「カフェインの作用として、腎臓におけるカリウムイオン(同時に水分)の再吸収抑制があり、尿量の増加(利尿)をもたらす」ですが、カリウムではなくて、ナトリウムです。
よって、④は、「×」となります。
なお、本問は、ひっかけを想定して、1字1句、丁寧に読んでいきましょう。
時に、「ナトリウムイオンの再吸収を促進」とか、「ナトリウムイオンの排出を抑制」といった感じに、語句を少しだけ入れ替えて出してくるおそれがあります。
正しいのは、「ナトリウムイオン・水分の再吸収抑制」です。
また、選択肢後段の「尿量の増加(利尿)をもたらす」ですが、カフェインを含んだコーヒーやお茶を飲むと、トイレが近くなるので、大丈夫かと思います。
⑤の「カフェインは乳汁中には移行しないので、授乳期間中の女性が服用してもその母乳を飲む乳児には影響がない」ですが、これは誤りです。
カフェインの一部は、乳汁中に移行するため、授乳中の女性が大量摂取すると、乳児に「頻脈」や「不眠」を引き起こす可能性があります。
よって、⑤は、「×」となります。
なお、よくあるひっかけとして、「頻脈」が「徐脈」になって登場することもあります。丁寧に読んでいきましょう。
⑥の「眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量はカフェインとして500mg、1日摂取量は2,000mg上限とされている」ですが、誤りです。
一回摂取量は200mgで、1日摂取量は500mgが上限とされています。
本問がいやらしいのは、わざと「2」と「5」を使っているところです。ここが、「300」とか「800」とかだったら、(アレレ?おかしい・・・)となるのですが、それぞれ正しい数字が「200」と「500」なので、混乱しやすいのであります。
こういうペテンの問題も出るので、しっかり、「1回摂取量は200mgで、1日摂取量は500mg」と憶えましょう。
出題実績多々あります。ガチ出題の「福岡県 R2 第65問」を、一読ください。
なお、くだらない憶え方ですが、わたしは「普通は200円コーヒー(無人の自販機)を、デートでは500円コーヒー(喫茶店)」と憶えました。
言うまでもなく、200円の方は「1回:200mg」に、500円の方は「1日:500mg」に対応しています。
登録販売者では、数少ない「数字暗記」のところなので、しっかり頭にねじ込んでおきます。
なお、コーヒー1杯(150mℓ)には、ざっくり「50mg」前後のカフェインが含まれているとの事です。
1日摂取量は「500mg」ですから、1日の最大コーヒーは、「10杯」となります。
カフェインの「眠気防止薬」でのその他のポイントです。
先述しましたが、かぜ薬やアレルギー用薬を使用したことによる眠気を抑えるために、カフェインが配合された眠気防止薬を使用するのは適切ではありません。
カフェインの一部は、血液‐胎盤関門を通過して胎児に到達します。胎児の発達に影響を及ぼす可能性があります。
カフェインには、作用は弱いながら反復摂取により依存を形成するという性質があります。「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」という注意喚起がなされています。
心筋を興奮させるので、心臓病の診断の受けた人は使用を避けます。
症状を悪化させるので、胃潰瘍の診断の受けた人は使用を避けます。
当該論点は、「東京都 H30 108問:プソイドエフェドリン塩酸塩」で出題されています。
胃潰瘍の人が使用を避けるのは、当該「カフェイン」のみです。
よって、この「胃潰瘍-使用を避ける-カフェイン」が頭に入っていれば、選択肢の1つを、正確に判断できたはずです。
次に、カフェインを摂ったからといって、「疲労が解消したり」「睡眠が無用になったり」するわけではありません。
んで、カフェインの血中濃度の半減に要する時間は、成人で「約3.5時間」ですが、乳児では「約80時間」とかなりの差(20倍強)があります。こどもがコーヒーを飲むと眠れなくなるのも、こういう背景があるからです。
この数字、ときおり出題されるので、憶えておきましょう。
このあたりのことが頭に入っていれば、本試験ではおおむね点が取れるはずです。
小児用の睡眠防止薬はありません。
実務上、15歳未満の小児に睡眠防止薬が使用されることのないように、注意します。
試験では、「小中学生の受験勉強に適している」などと出ていますが、明らかに誤りです。
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
「カフェイン」ですが、「使用(服用)しない」の論点が多々あり、最も警戒すべき成分となっています。
以下のすべては、押さえておきましょう。
まず、「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」です。
先の人は、カフェインが配合された鼻炎用内服薬を、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「アレルギー症状の既往歴のある人が再度使用した場合、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため」です。
重大な副作用が起きるので、よくよく試験に出ます。チェックしておきましょう。
参考:アレルギー症状
次に、「胃酸過多」です。
「胃酸過多」の人は、カフェインの入った眠気防止薬は、「使用(服用)しない」となっています。
出題しやすいので、「カフェインといったら胃酸過多」くらいに憶えておきます。
なお、後述しますが、「胃潰瘍」に人も、カフェインはダメです。
「理由」は、「カフェインが胃液の分泌を亢進し、症状を悪化させるおそれがあるため」です。
「ひっかけ」で、「亢進」が「“抑制”」などになっているので、注意してください。
参考:次の症状がある人
次に、「心臓病」です。
「心臓病」の人は、カフェインの入った眠気防止薬は、「使用(服用)しない」となっています。
問題を作りやすいので、「カフェインといったら心臓病」くらいに憶えておきます。
「理由」は、「徐脈又は頻脈を引き起こし、心臓病の症状を悪化させるおそれがあるため。」です。
キーワードの「徐脈」と「頻脈」は、押えておきましょう
参考:基礎疾患
次に、「胃潰瘍」です。
「胃潰瘍」の人は、カフェインの入った眠気防止薬は、「使用(服用)しない」となっています。
問題を作りやすいので、「カフェインといったら胃潰瘍」くらいに憶えておきます。
「理由」は、「カフェインが胃液の分泌を亢進し、症状を悪化させるおそれがあるため」です。
参考:基礎疾患
次に、カフェインの入った眠気防止薬は、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」となっています。
特徴のある文言なので、出題者の目に止まりやすいです。
ガチ暗記は無用ですが、文言は、チェックしておきましょう。
「理由」は、「眠気防止薬は、一時的に緊張を要する場合に居眠りを防止する目的で使用されるものであり、連用によって睡眠が不要になるというものではなく、短期間の使用にとどめ、適切な睡眠を摂る必要があるため」です。
「理由」は、「医薬品」等で出題されているので、常識的な内容ですが、押えておきましょう。
参考:連用しない各種
常識的な内容なので、大丈夫かと思いますが、カフェインの入った眠気防止薬は、「コーヒーやお茶等のカフェインを含有する飲料と同時に服用しないこと」となっています。
問題にし難いので、まあ、出ないと思いますが、一読だけしておきましょう。
「理由」は、「カフェインが過量摂取となり、中枢神経系、循環器系等に作用が強く現れるおそれがあるため」です。
「カフェイン」の「相談すること」ですが、「授乳中の人」だけ、押えておけばいいかと思います。
「理由」は、「乳汁中に移行する可能性がある」からです。
カフェインが頻出成分なので、ここまで押さえておいて、損はありません。
参考:相談すること・・・妊婦等
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「エスタロンモカ錠 24錠」や「トメルミン 12錠」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「眠気防止薬」には、「カフェイン」のみしかありません。よって、リンクはありません。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '23年版 (2023年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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