ジフェンヒドラミン塩酸塩は、「精神神経に作用する薬」の「睡眠鎮静薬」の「抗ヒスタミン成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「眠気を促す薬(睡眠鎮静薬)」
「抗ヒスタミン成分」
「生体内情報伝達物質であるヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒に関与する部位で神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担っている。」
「脳内におけるヒスタミン刺激が低下すると、眠気を促す。」
「ジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分の中で も特にそのような中枢作用が強い。」
「抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬(※)として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、」
「慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。」
「妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。」
「妊婦又は妊娠していると思われる女性には、睡眠改善薬の使用は避ける。」
「小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが 現れることがある。」
「特に15歳未満の小児ではそうした副作用が起きやすいため、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用は避ける。」 「他の医薬品の場合も、抗ヒスタミン成分を含有するもの(抗アレルギー薬など)は、眠気の副作用に注意する。」
「抗ヒスタミン成分を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作 に従事させてはならないが、」
「睡眠改善薬の場合、目が覚めたあとも、注意力の低下や寝ぼけ様症状、判断力の低下等の一時的な意識障害、めまい、倦怠感を起こすことがあるので注意が必要である。」
「翌日まで眠気やだるさを感じるときには、それらの症状が消失するまで自動車の運転等、危険を伴う機械の操作は避ける。」
…となっています。
「睡眠改善薬」部分に「注記」があります。挙げると…、
「医療機関において不眠症の治療のため処方される睡眠薬(医療用医薬品)と区別するため、一般用医薬品では、睡眠改善薬又は睡眠補助薬と呼ばれる。」
…となっています。
問題に出しやすい記述なので、試験直前あたりで押えておきたいです。
このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、見直してください。
抗ヒスタミン成分に共通する副作用等に関して、「Ⅶ(内服アレルギー用薬)を参照」という規定があります。
「ジフェンヒドラミン塩酸塩」などを、参考にしてください。
【相互作用】のところに、当該ジフェンヒドラミン塩酸塩が登場します。挙げると…、
「ジフェンヒドラミン塩酸塩、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素は、催眠鎮静薬以外の一般用医薬品や医療用医薬品にも配合されていることがある。」
「これらの成分を含有する医薬品と他の催眠鎮静薬が併用されると、効き目や副作用が増強されるおそれがある。」
「また、医療機関で不眠症(睡眠障害)、不安症、神経症等の診断がなされ、治療(薬物治療以外の治療を含む)を受けている患者が、一般用医薬品の催眠鎮静薬を自己判断で使用すると、医師による治療を妨げるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。」
「寝つきが悪いときの処置としてアルコールが摂取される(いわゆる「寝酒」)ことがあるが、飲酒とともにジフェンヒドラミン塩酸塩、ブロモバレリル尿素又はアリルイソプロピルアセチル尿素を含む催眠鎮静薬を服用すると、その薬効や副作用が増強されるおそれがあるため、服用時には飲酒を避ける必要がある。」
「なお、生薬成分のみからなる鎮静薬や漢方処方製剤の場合は、飲酒を避けることとはなっていないが、アルコールが睡眠の質を低下させ、医薬品の効果を妨げることがある。」
…となっています。
出題実績のある記述ばかりなので、テキストを精読しておきましょう。
ご存じのように、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」は、「睡眠鎮静薬」の「抗ヒスタミン成分」として登場します。
市販薬には、「ライオン キッズバファリンかぜシロップP」や「アストフィリンS」などがあります。
「睡眠鎮静薬」の抗ヒスタミン成分は、ジフェンヒドラミン塩酸塩しかないため、本試験で殊更に問われる成分となっています。
出題例としては、「香川県 R2 第24問」や「岡山県 R5 午後第4問」といったものが「医薬品」でありました。
「適正使用」でも、「大分県 R2 第57問」や「福岡県 H30 第49問」といった出題が目立ちます。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
そもそも当該ジフェンヒドラミン塩酸塩そのものが要注意成分であります。
優先順位は、「かなり、かなり高い」です。しっかり憶えていきましょう。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は…、
① ジフェンヒドラミン塩酸塩は睡眠改善薬として小児にも安心して使用できる。
② ジフェンヒドラミン塩酸塩は、脳内におけるヒスタミン刺激を高めて、眠気を促す。
③ 抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミン塩酸塩を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させても、支障はない。
④ 妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、睡眠改善薬の適用対象であるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は、睡眠改善薬を積極的に使用するとよい。
⑤ ジフェンヒドラミン塩酸塩は、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要がある。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「ジフェンヒドラミン塩酸塩は睡眠改善薬として小児にも安心して使用できる」ですが、誤った記述です。
先の手引きでも見たように…、
「小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。」
「特に15歳未満の小児ではそうした副作用が起きやすいため、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用は避ける。」
…となっています。
よって、小児には、安心して使えないです。
よって、①は、「×」となります。
キーワードの「神経過敏・中枢興奮」が出るかもなので、併せて、押えておきましょう。
②の「ジフェンヒドラミン塩酸塩は、脳内におけるヒスタミン刺激を高めて、眠気を促す」ですが、誤った記述です。
間違っているのは、「ヒスタミン刺激を高めて、眠気を促す」のところです。
正しくは、「ヒスタミン刺激を“低下させ”、眠気を促す。」です。
登録販売者試験によくある出題形式の「逆」のパターンです。
最近では、テキストのいろんなところから出題されるので、テキストを精読しておきましょう。
よって、②は、「×」となります。
③の「抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミン塩酸塩を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させても、支障はない。」ですが、誤った記述です。
まったく違いますね。
先の手引きでも見たように…、
「抗ヒスタミン成分を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させてはならない」
…となっています。
「適正使用」でも、よく問われるところなので、「ジフェンヒドラミン塩酸塩などの抗ヒスタミン成分・・・運転操作ダメ」と、ガチで押えておきましょう。
よって、③は、「×」となります。
④の「妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、睡眠改善薬の適用対象であるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は、睡眠改善薬を積極的に使用するとよい。」ですが、誤った記述です。
先の手引きでも見たように…、
「妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。」
「妊婦又は妊娠していると思われる女性には、睡眠改善薬の使用は避ける。」
…となっています。
選択肢のケースは、「睡眠改善薬の適用対象ではない」ですし、また、「積極的に使用する」のも、ダメです。
禁忌は、ほぼ全部が出るようになっているので、押えておきましょう。
よって、④は、「×」となります。
⑤の「ジフェンヒドラミン塩酸塩は、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要がある」ですが、正しい記述です。
本問は、「医薬品」だけでなく、「適正使用」でも出る論点であります。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」となっています。
その理由は、「乳児に昏睡を起こすおそれがあるため」です。
当該成分ですが、先に見たように、「内服アレルギー用薬」への準用規定があるため、こうした論点も出題される可能性があります。
両方の薬の記述を、シッカリと見ておきましょう。
ちなみに、先に挙げた「アストフィリンS」のページでは、「●使用上の注意」の「■■してはいけないこと■■」のところに、「3.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けてください」とあります。
よって、⑤は、「○」となります。
ジフェンヒドラミン塩酸塩の、その他のポイントです。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分の中でも、特に眠気を促す中枢作用が高いです。
ジフェンヒドラミンは、慢性的な不眠や、不眠症の診断を受けている人を、対象とするものではありません。
先の人たちは、病院にいくか(受診勧奨)、病院で治療すべきで、一般用医薬品の範疇を越えています。
妊娠中の睡眠障害は、睡眠改善の対象ではありません。
服用後起床して、眠気やだるさが残る場合は、車や機械の運転を避けます。
「適正使用」の「運転操作しない」も、参考にしてください。
そして、「アルコール」との【相互作用】です。
当該ジフェンヒドラミンや、同じ睡眠鎮静薬の成分のブロモバレリル尿素等と、アルコールとを一緒に摂取すると、薬効や副作用が増強されるおそれがあります。
よって、「飲酒(アルコール)を避ける」となっています。
「福岡県 R2 第57問」で、事例問題として出題されています。
このあたりのことが頭に入って入れは、大半の選択肢は、判別できるはずです。
最後に、抗ヒスタミン成分の名称の覚え方は、「抗ヒスタミン成分の憶え方」を参考にしてみてください。
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
当該成分は、「適正使用」において、固有事項があるので、押さえておくべきです。
「妊婦又は妊娠していると思われる人」ですが、「ジフェンヒドラミン」を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「妊娠に伴う不眠は、睡眠改善薬の適用症状でないため」です。
「医薬品」でもよくよく出る論点なので、押えておきましょう。
参考:女性系
「ジフェンヒドラミン」を含む成分が配合された内服薬、点鼻薬、坐薬、注入軟膏ですが、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」となっています。
「理由」は、「乳児に昏睡を起こすおそれがあるため」です。
キーワードの「昏睡」は、ガチ暗記です。ド定番です。
「医薬品」でも問われる定番事項なので、キッチリと押えておきましょう。
参考:女性系
「ジフェンヒドラミン」ですが、服用後は、「運転操作をしないこと」となっています。
一般的に、抗ヒスタミン成分は「眠気」が生じることがありますが、「手引き」の資料では、代表例的に「ジフェンヒドラミン」と「クロルフェニラミンマレイン酸塩」の名称が明記されているので、出題されやすくなっています。
出題実績のある論点なので、押えておきましょう。
参考:運転操作しない
「ジフェンヒドラミン」ですが、「相談すること」のうち、「排尿困難」くらいは、押えておきましょう。
ほかにもありますが、余裕のある人だけ、やりましょう。
参考:次の症状がある人
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「ライオン キッズバファリンかぜシロップP」や「アストフィリンS」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「睡眠鎮静薬」の「抗ヒスタミン成分」は、当該ジフェンヒドラミン塩酸塩しかありません。よって、リンクは「なし」です。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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