ブロモバレリル尿素‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 ブロモバレリル尿素は、「精神神経に作用する薬」の「睡眠鎮静薬」の「鎮静成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

傾向と優先順位

 ご存じのように、「ブロモバレリル尿素」は、「睡眠鎮静薬」の「鎮静成分」として登場します。

 市販薬には、「ナロンエースR 32錠」や「ナロンエースT 84錠」などがあります。

 また、当該成分は、依存性があり乱用の恐れがあるため、登録販売者の実務上で、知っておくべき成分となっています。

 「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。

 優先順位は「高い」です。1つ1つを、しっかり頭に入れていきましょう。

過去問○×問題

 ブロモバレリル尿素は…、

 ① 炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)として、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素がある。

 ② ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。

 ③ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることがあるので、この成分を含有する医薬品と併用されると、効き目が増強されるおそれがある。

 ④ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。

 ⑤ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、少量でも眠気を催しやすく、それにより重大な事故を招くおそれがあるため、使用した後は、乗り物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある。

 ⑥ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、反復して使用すると、依存を生じることが知られており、本成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがある。

 …といった感じで出題されます。

 テキストの基本事項ですが、そこそこの数が出るので、細かいところまでしっかり押えておきましょう。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

 ④の正誤はこちらです。

 ⑤の正誤はこちらです。

 ⑥の正誤はこちらです。

例題解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)として、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素がある」ですが、ごぞんじのように、「ブロモバレリル尿素」は、「鎮静成分」です。

 よって、①は、「×」となります。

 「名称と成分名」の組み合わせは、登録販売者でド定番の問題です。最低でも、“名前”だけは頭に入れておきましょう。格段に点が取れるようになります。

②は重要

 ②の「ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである」ですが、まさに、その通りです。

 先の市販薬のページには、「■■してはいけないこと■■」の「次の人は服用しないでください」に「出産予定日12週以内の妊婦」とあります。

 よって、②は、「○」となります。

 論点の「使用を避ける」は、実務に直結しているので、とても重要です。

 「医薬品」のみならず、「適正使用」等で引っ張りだこの論点ですので、当該問題文を、そっくりそのまま暗記してください。

③も重要

 ③の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることがあるので、この成分を含有する医薬品と併用されると、効き目が増強されるおそれがある」ですが、そのとおりの記述です。

 ブロモバレリル尿素に限らず、薬によっては、同一成分が重複することがあり、この場合、問題文の言うように「効き目が増強される」ことがあります。

 よって、は、「○」となります。

④も重要

 ④の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある」ですが、まさにそのような作用があります。

 本問は、基本問題です。鎮静成分とは、「脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする」作用のことです。

 よって、④は、「○」となります。

⑤も重要

 ⑤の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、少量でも眠気を催しやすく、それにより重大な事故を招くおそれがあるため、使用した後は、乗り物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある」ですが、当該事項も、本成分の重要論点です。

 先の市販薬のページを、時間があるならのぞいて見てください。「服用後、乗り物または機械類の運転操作をしないこと」といった注意書きを目にするはずです。

 よって、⑤は、「○」となります。

⑥も重要

 ⑥の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、反復して使用すると、依存を生じることが知られており、本成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがある」ですが、本成分が試験で頻出なのも、このような特徴があるためです。

 問題文の言うように、ブロモバレリル尿素には、依存性があり、乱用のおそれがあります。

 「法規」の論点ですが、「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)」は、「濫用のおそれのある医薬品」として、厚生労働大臣に指定された医薬品となっています。

 よって、⑥は、「○」となります。

 なお、多量に購入しようとする人がいれば、登録販売者は、その職責から、買う理由を問うなどして、必要と認められる数量しか売らないといった措置を取らなくてはなりません。

試験ポイント

 ブロモバレリル尿素の「睡眠鎮静薬」でのポイントを、おさらいのためにまとめておきます。

 先の○×問題以外では、「睡眠鎮静薬に配合される鎮静成分は、鎮痛作用を補助する」があります。あまり出ないのですが、念のため、押えておきましょう。

 重要な論点は、先の○×問題にあるので、先の問題を何度も解いておけば、本試験では、だいたいの選択肢は判別できるはずです。

「適正使用」対策

 先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。

 「ブロモバレリル尿素」ですが、「使用(服用)しない」の論点があります。

 まず、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」です。

 「理由」は、「眠気」です。

 次に、「服用前後は飲酒しないこと」です。

 「理由」は、「鎮静作用の増強が生じるおそれがあるため」です。

 チェックしておきましょう。

 参考:飲酒しない

 参考:運転操作しない

「相談すること」

 「ブロモバレリル尿素」の「相談すること」ですが、「妊婦又は妊娠していると思われる人」だけ、押えておけばいいかと思います。

 「理由」は、「胎児障害の可能性があり、使用を避けることが望ましいため。」です。

 参考:相談すること・・・妊婦等

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「ナロンエースR 32錠」や「ナロンエースT 84錠」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「睡眠鎮静薬」の他の「鎮静成分」へのリンクです。

 ブロモバレリル尿素

 アリルイソプロピルアセチル尿素

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '23年版 (2023年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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