ブロモバレリル尿素は、「精神神経に作用する薬」の「睡眠鎮静薬」の「鎮静成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「鎮静成分」
「ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素」
「いずれも脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。」
「少量でも眠気を催しやすく、それにより重大な事故を招くおそれがあるため、これらの成分が配合された医薬品を使用した後は、乗物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある。」
「また、反復して摂取すると依存を生じることが知られており、そのため、これらの成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがあることに留意が必要である。」
「不眠や不安の症状はうつ病に起因して生じる場合があり、また、うつ病患者はときに自殺行動を起こすことがある。」
「かつては不眠症や不安緊張状態の鎮静を目的にブロモバレリル尿素が頻繁に用いられていたが、ブロモバレリル尿素の大量摂取による自殺が日本で社会問題になったことや、」
「ベンゾジアゼピン系成分(※)にその役割が取って代わられたことから、近年は使用量が減少している。」
「なお、ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。」
…と、相なります。
当該成分ですが、【相互作用】にも登場しています。挙げると…、
「ジフェンヒドラミン塩酸塩、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素は、催眠鎮静薬以外の一般用医薬品や医療用医薬品にも配合されていることがある。」
「これらの成分を含有する医薬品と他の催眠鎮静薬が併用されると、効き目や副作用が増強されるおそれがある。」
「また、医療機関で不眠症(睡眠障害)、不安症、神経症等の診断がなされ、治療(薬物治療以外の治療を含む)を受けている患者が、一般用医薬品の催眠鎮静薬を自己判断で使用すると、医師による治療を妨げるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。」
「寝つきが悪いときの処置としてアルコールが摂取される(いわゆる「寝酒」)ことがあるが、」
「飲酒とともにジフェンヒドラミン塩酸塩、ブロモバレリル尿素又はアリルイソプロピルアセチル尿素を含む催眠鎮静薬を服用すると、その薬効や副作用が増強されるおそれがあるため、服用時には飲酒を避ける必要がある。」
「なお、生薬成分のみからなる鎮静薬や漢方処方製剤の場合は、飲酒を避けることとはなっていないが、アルコールが睡眠の質を低下させ、医薬品の効果を妨げることがある。」
…となっています。
「相互作用」は、要チェックです。
「使用上の注意」の「飲酒しない」は、「適正使用」でもガチで出るので、ガチで押えておきましょう。
「ベンゾジアゼピン系成分」の部分に「注記」があります。挙げると…、
「抗不安薬、催眠薬、抗けいれん薬、筋弛緩薬として用いられる。」
…となっています。
「ベンゾジアゼピン系成分」が直接問われることはないと思いますが、「ブロモバレリル尿素」が要注意成分なので、釣られて出題される可能性があります。
このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、読み直してください。
ご存じのように、「ブロモバレリル尿素」は、「睡眠鎮静薬」の「鎮静成分」として登場します。
市販薬には、「ナロンエースR 32錠」や「ナロンエースT 84錠」などがあります。
また、当該成分は、依存性があり、そして、濫用の恐れがあるため、かなりよく出題されています。
「関西広域連合 R2 第28問」や「福岡県 R1 第67問」、「栃木県 R5 第64問」といった出題実績があります。
「福岡県 R3 第68問」のように、1問丸ごとで出たこともあります。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
優先順位は、「とても、とても高い」です。
ブロモバレリル尿素は…、
① 炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)として、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素がある。
② ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。
③ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることがあるので、この成分を含有する医薬品と併用されると、効き目が増強されるおそれがある。
④ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。
⑤ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、少量でも眠気を催しやすく、それにより重大な事故を招くおそれがあるため、使用した後は、乗り物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある。
⑥ ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、反復して使用すると、依存を生じることが知られており、本成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがある。
…といった感じで出題されます。
テキストの基本事項ですが、そこそこの数が出るので、細かいところまでしっかり押えておきましょう。
先の○×問題の解説です。
①の「炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)として、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素がある」ですが、誤った記述です。
「ブロモバレリル尿素」は、「鎮静成分」です。
よって、①は、「×」となります。
②の「ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである」ですが、正しい記述です。
先の手引きでも見たように…、
「なお、ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。」
…となっています。
先の市販薬のページには、「■■してはいけないこと■■」の「次の人は服用しないでください」に「出産予定日12週以内の妊婦」とあります。
禁忌は、本当によく出るので、ガチで押えておきましょう。
よって、②は、「○」となります。
③の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることがあるので、この成分を含有する医薬品と併用されると、効き目が増強されるおそれがある」ですが、正しい記述です。
先の手引きでも見たように…、
「ジフェンヒドラミン塩酸塩、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素は、催眠鎮静薬以外の一般用医薬品や医療用医薬品にも配合されていることがある。」
「これらの成分を含有する医薬品と他の催眠鎮静薬が併用されると、効き目や副作用が増強されるおそれがある。」
…となっています。
よって、は、「○」となります。
まあ、こういうとアレですが、ブロモバレリル尿素に限らず、成分が重複すると、問題文の言うように「効き目が増強される」こともあるでしょう。
④の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。
先の手引きでも見たように…、
「いずれも脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。」
…となっています。
よって、④は、「○」となります。
⑤の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、少量でも眠気を催しやすく、それにより重大な事故を招くおそれがあるため、使用した後は、乗り物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。
「運転操作しない」は、「適正使用」でガチで出るので、ガチ暗記してください。
先の市販薬のページを、時間があるならのぞいて見てください。「服用後、乗り物または機械類の運転操作をしないこと」といった注意書きを目にするはずです。
よって、⑤は、「○」となります。
⑥の「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)は、反復して使用すると、依存を生じることが知られており、本成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがある」ですが、正しい記述です。
問題文の言うように、ブロモバレリル尿素には、依存性があり、濫用のおそれがあります。
依存性のような重要な副作用は、ガチで出るので、ガチで押えておきましょう。
よって、⑥は、「○」となります。
なお、「法規」の論点ですが、「ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)」は、「濫用のおそれのある医薬品」として、厚生労働大臣に指定された医薬品となっています。
ちなみに、ブロモバレリル尿素入りの薬を多量に購入しようとする人がいれば、登録販売者は、その職責から、買う理由を問うなどして、必要と認められる数量しか売らないといった措置を取らなくてはなりません。
ブロモバレリル尿素の「睡眠鎮静薬」でのポイントを、おさらいのためにまとめておきます。
先の○×問題以外では、「睡眠鎮静薬に配合される鎮静成分は、鎮痛作用を補助する」があります。あまり出ないのですが、念のため、押えておきましょう。
重要な論点は、先の○×問題にあるので、先の問題を何度も解いておけば、本試験では、だいたいの選択肢は判別できるはずです。
当該ブロモバレリル尿素ですが、「濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品」に該当します。
しかし、なのです。
お友達の「アリルイソプロピルアセチル尿素」は、「濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品」には、入っていないのです。
・ブロモバレリル尿素・・・濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品
・アリルイソプロピルアセチル尿素・・・指定されていない。
…と、意識して押さえてください。出題実績があります!
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
「ブロモバレリル尿素」ですが、「使用(服用)しない」の論点があります。
まず、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」です。
「理由」は、「眠気」です。
次に、「服用前後は飲酒しないこと」です。
「理由」は、「鎮静作用の増強が生じるおそれがあるため」です。
チェックしておきましょう。
参考:飲酒しない
参考:運転操作しない
「ブロモバレリル尿素」の「相談すること」ですが、「妊婦又は妊娠していると思われる人」だけ、押えておけばいいかと思います。
「理由」は、「胎児障害の可能性があり、使用を避けることが望ましいため。」です。
参考:相談すること・・・妊婦等
なお、ちょっとだけヤヤコシイのですが、当該ブロモバレリル尿素は、先の手引きでは…、
「ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。」
…となっていて、「使用を避けるべき」と表記されています。
対して、「適正使用」では、「相談すること」になっています。
このあたり、絶妙に表現が違うので、ちょっとだけ気を付けてください。
まあ、もう、無理そうなら、押さえなくていいです。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「ナロンエースR 32錠」や「ナロンエースT 84錠」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「睡眠鎮静薬」の他の「鎮静成分」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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