財務諸表読解、決算書吟味、財務分析・経営分析をしたい等、『数字に強くなりたい』のなら、それぞれ個々に専門の勉強をしなくてはいけない。簿記2級を取ったからといって、それらがなくなるわけでもない。3級を取って個々の勉強に入る方が早い。
結論から言うと、『数字に強くなりたい』のであれば、簿記3級だけでよく、無理に2級まで取らなくてもよい、という次第です。
簿記3級を取ろうとする目的の1つに、『数字に強くなる』ということが挙げられます。
たとえば、財務諸表を読んだり、決算書を吟味したり、財務分析・経営分析などをしてみたいといった目的から、簿記の勉強を志すのであれば、とりあえずは、簿記3級で構いません。
というのも、財務分析等に必要な基礎的素養は、簿記3級で賄えてしまうからです。
簿記2級は魔法の杖ではありません。
“簿記2級を取ったとしても”、財務諸表を読み解いたり、決算書を吟味したり、財務分析や経営分析をしようとするならば、それぞれ個々に、相応の勉強をしないといけないのです。
たとえ、簿記2級があったとしても、それぞれの勉強負担が“劇的に”減るわけでもなければ、カンタンになるわけでもないのです。
まあ、多少はわかりやすくなりますが、やはり、ウンウン唸らなくてはいけないことに変わりはありません。
加えて、簿記2級の試験勉強の半分を占める、工業簿記や原価計算は、『数字に強くなる』ことに、直接的に役に立つものではありません。
先の『数字に強くなりたい』という方は、簿記3級で基礎的な勉強をした後は、それぞれ個々のわかりやすい入門書を読むなり、専門書を紐解くなどした方が、当初の目的を早く果たせます。
会社の社長でも、簿記3級しかなくても、十分にその職責を果たしておられる方は、多々おられます。
財務諸表を読みこなしたい等の、明白な目的意識がある方は、無理に簿記2級に駒を進めず、簿記3級で会計や財務の土台や基礎的なことを押えたなら、知りたい分野の本を手にしましょう。
さて、ところで、「帳簿の付け方くらい知っとかんと、どもならんな」という理由から、簿記3級の受験をする方も居られるかと思います。
営業職にある人など、仕事や商売に役立たせたいという理由から、簿記3級の勉強を始める方も多いでしょう。わたしもその1人でした。
しかし、わたしの経験からして、商売上の会計知識・経理知識は、簿記3級の商業簿記で事足りてしまいます。
商売の規模が小さいと、複雑な取引もそうないので、簿記3級で事足りてしまうのです。
わたしは、簿記2級を取ってから時間が経ちますが、工業簿記や原価計算をやったことがなく、縁もシャシャリもありません。
簿記2級の半分の、工業簿記や原価計算とは、今を持って無縁なわけです。
まとめます。
簿記2級は、勉強しても損はないのです。たとえば、キャッシュフローなどは知っておいて決して無駄にはなりません。
しかし、簿記2級は、すべての人の、すべての目的を満たすものではありません。
簿記2級は、「人」によっては、優先順位の低いことをやらざるを得ない試験でもあります。
もしかしたら、今後一度も関わらないことを勉強することになります。
このあたりの事情をよく踏まえて、簿記2級まで勉強するか、簿記3級で止めておくかを、判断くださればと存じます。
2014年11月13日 10:04 AM
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