「経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行する。」
「その血液は全身循環に入る前に門脈という血管を経由して肝臓を通過するため、吸収された有効成分は、まず肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受けることになる。」
「したがって、全身循環に移行する有効成分の量は、消化管で吸収された量よりも、肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなる(これを肝初回通過効果 (first-pass effect) という)。」
「肝初回通過効果 (first-pass effect)」の記述です。よく出ます。
消化管から吸収された成分は、「門脈」を経由して、「肝臓」を通過します。
当該肝臓を通過する際に、肝臓の酵素によって代謝を受けることになります。よって、その代謝の分だけ、有効成分が少なくなるってな次第です。
なんてことのない記述ですが、よく出ます。
試験では、そのまんまが出るのが関の山です。
練習問題は、「東京都 H30 第34問」です。
精読しておけば、大丈夫です。
なお、試験には出ない(手引きに記述がない)ので、憶える必要はないですが、「門脈」とは、「胃、腸、膵臓、脾臓などの消化器官から集めた血液を肝臓に運ぶ太い静脈の血管」です。
んでは、本文に戻ります。
「肝機能が低下した人では医薬品を代謝する能力が低いため、正常な人に比べて全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。」
「なお、薬物代謝酵素の遺伝子型には個人差がある。(※1)」
『小腸などの消化管粘膜や腎臓にも、代謝活性があることが明らかにされている。』
意外に出る「注記」です。出題例は、「香川県 R4 第34問」です。
小腸や腎臓にも、代謝活性があります!!!押えておきましょう。
単純ながら要注意の記述です。注意すべきは…、
「肝機能が低下した人では医薬品を代謝する能力が低いため、正常な人に比べて全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。」
…のところです。
「医薬品」の「相談すること」と絡んでくるので、注意してください。
あと、「注記」です。
肝臓だけでなく、小腸や腎臓にも、代謝活性があるので、チェックしておきましょう。
以上で、このページは、終了です。ご苦労様でした。
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