クロモグリク酸ナトリウムは、「鼻に用いる薬」の「抗アレルギー成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「ヒスタミンの遊離を抑える成分(抗アレルギー成分)」
「クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、」
「花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。」
「アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効であり、」
「アレルギーによる症状か他の原因による症状かはっきりしない人では、使用する前にその適否につき、専門家に相談する等、慎重な考慮がなされるべきである。」
「3日間使用して症状の改善がみられないような場合には、アレルギー以外の原因による可能性が考えられる。」
「医療機関において減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人では、その妨げとなるおそれがあるので、使用前に治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるなどの対応が必要である。」
「まれに重篤な副作用として、アナフィラキシーを生じることがある。」
「その他の副作用として、鼻出血や頭痛が現れることがある。」
「なお、症状の改善がみられた場合であっても、2週間を超えて使用した場合の有効性、安全性に関する科学的データは限られていること、」
「また、鼻アレルギーの要因に対する改善策(花粉、ハウスダスト等のアレルゲンの除去・回避)を講じることも重要であることから、」
「使用の適否につき専門家に相談しながら慎重な判断がなされるべきである。」
…と、相なります。
ご存じのように、「クロモグリク酸ナトリウム」は、「鼻に用いる薬」の「抗アレルギー成分」として登場します。
市販薬には、「【第2類医薬品】ロートアルガードST鼻炎スプレー 15mL 」などがあります。
「クロモグリク酸ナトリウム」は、「鼻に用いる薬」で最も登場する成分です。
当該成分は、アレルギーに関する成分のためか、本当によく試験に出ます。
「東京都 H30 第86問」や「香川県 R4 午後第29問」、「福岡県 R3 第87問」と「東京都 R1 第86問」などのように出題されています。
優先順位は、「とても、高い」です。
クロモグリク酸ナトリウムは…、
① クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、アレルギー性でない鼻炎に対して効果が高い。
② クロモグリク酸ナトリウムが配合された点鼻薬の使用は、医療機関において減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人では、その治療の妨げとなるおそれがある。
③ クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、アレルギー性でない鼻炎に対して効果が高い」ですが、全くの誤りです。
間違っているのは、「効果が高い」のところです。
正しくは、「効果がない」です。
前半の「肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用」は、正しいのですが、後半が間違っています。
クロモグリク酸ナトリウムは、花粉やハウスダストなどによる鼻アレルギー症状を和らげる成分です。
このため、“アレルギー性ではない鼻炎”に対しては、効果がありません。
よって、①は、「×」となります。
当該「アレルギー性でない鼻炎には、無効」は、ガチ頻出なので、最優先すべき論点です。
②の「クロモグリク酸ナトリウムが配合された点鼻薬の使用は、医療機関において減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人では、その治療の妨げとなるおそれがある」ですが、正しいです。
「減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人」は、クロモグリク酸ナトリウムを使用する前に、医師などに相談することになっています。
「減感作療法」という、他にはない語句があるため、出題者からすると、とても出しやすいです。
「クロモグリク酸ナトリウム…減感作療法」と、押えておきましょう。
よって、②は、「○」となります。
ちなみに、当該減感作療法は、「Ⅶ 内服アレルギー用薬」のところにも、出てきます。
③の「クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される」ですが、正しい記述です。
クロモグリク酸ナトリウムで必要なことが、当該選択肢に詰まっています。
このページを「お気に入り」に入れておいて、何度も読んでおきましょう。
よって、③は、「○」となります。
なお、後半の「通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される」は、見落としやすいので、要注意です。
いやらしい出題者は、「通常、アドレナリン作動成分と組み合わせて配合される」などと出してきます。
テキストを精読しておきましょう。
間違えやすいところを述べておきます。
クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示します。
つまり、大元である「ヒスタミン」を、遊離させないようにする働きなわけです。
対して、抗ヒスタミン成分は、「肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げる作用」です。
抗ヒスタミン成分の前提は、「既に、ヒスタミンは、遊離している」です。
よくあるひっかけでは、「クロモグリク酸ナトリウムには、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げる作用がある」などと、抗ヒスタミン成分の説明に差し替えたものがあります。
流し読みだと、(アレレ)となるので、今一度、テキストを精読しておきましょう。
当該クロモグリク酸ナトリウムに出てくるのは、「肥満細胞」です。
「ひっかけ」で、「“脂肪”細胞」などに変えられそうなので、少しだけ、注意してください。
次に、まれに、重篤な副作用として、「アナフィラキシー様症状」を生じます。
副作用の「アナフィラキシー様症状」ですが、横断的にまとめたブログ記事があります。「登録販売者 医薬品 アナフィラキシーの副作用のまとめ‐ピレンゼピン塩酸塩,クロモグリク酸ナトリウム,ケトプロフェン」を一読願います。
また、副作用として、鼻出血や頭痛が現れることがあります。
「副作用」は、本当に、要注意です。
「鼻出血・頭痛」は、「東京都 R2 第84問」で、出題されました。
こういうとアレですが、「クロモグリク酸ナトリウム」は、出題者に“特に目を付けられている”ので、細かいものまで、キッチリ押えておきましょう。
最後ですが、出題実績はそうないのですが、これからは出そうな「数字」を、押えておきましょう。
クロモグリク酸ナトリウムには…、
「3日間使用して症状の改善がみられないような場合には、アレルギー以外の原因による可能性が考えられる」
「なお、症状の改善がみられた場合であっても、2週間を超えて使用した場合の有効性、安全性に関する科学的データは限られていること、また、鼻アレルギーの要因に対する改善策(花粉、ハウスダスト等のアレルゲンの除去・回避)を講じることも重要であることから、使用の適否につき専門家に相談しながら慎重な判断がなされるべきである」
…と、2箇所に数字があります。
「3日間」の方は、「クロモグリク酸ナトリウム」の「酸」をもじって、「クロモグリク“3”ナトリウム」くらいに憶えるといいでしょう。
「2週間」ですが、「クロモグリク酸ナトリウム」は、「ヒスタミンの遊離を抑える」効能です。
「ヒ・ス・タ・ミ・ン・の・ゆ・う・り・を・お・さ・え・る」で、「14文字」ってな塩梅です。
「2週間」は「14日」なので、文字数の「14文字」と、かけて憶えるってな次第です。
参考:医薬品の数字8
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「【第2類医薬品】ロートアルガードST鼻炎スプレー 15mL 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「鼻に用いる薬」の他の「抗アレルギー成分」は、クロモグリク酸ナトリウムのみです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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