7問‐四路スイッチ:令和5年度(2023年度)2電工候補問題解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 候補問題の第7問は、難関の1つ。兎にも角にも、四路スイッチが山場で、何回も練習していないと100%落ちる。アウトレットボックスは問題ないが、「180度曲げ」は知っておいて損はない。そのほか、難関の本問の練習の仕方や、攻略、要領、手順を説述する。独学者向け。技能試験が本問だったとしても、きちんと練習していれば、合格はできる。

第7問は最難関

 

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 令和5年度(2023年度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題7」の独学者向けポイントを見ていきます。

 最初に大事なことを言うと、候補問題7は、「難しい部類」に入ります。

 本問には、上の画像を見てもらえばわかるように、「四路スイッチ」という「難易度の高い」固有論点があるためです。

 本問は、徹底して、当該「四路スイッチ」の練習をしておく必要があります。

 「40分」しかない本試験では、考える時間などありません。頭より手が先に動くまで、練習あるのみです。

 なお、本問には、「アウトレットボックス」が登場しますが、そう気に病む必要はありません。ケーブルを突っ込むだけだからです。

 しかし、接続の際に、ケーブルが思っている以上に、ごちゃごちゃするので、後述する「180度曲げ」に慣れておいてください。

インデックス

  1. 複線図ポイント
  2. 難易度は「難」
  3. 四路スイッチ攻略‐暗記する
  4. 三路スイッチは「0黒」
  5. お手本に従う
  6. 番号を丸暗記
  7. 結線の色を決めておく
  8. 180度曲げ
  9. 指差し確認で確実正確
  10. アウトレットボックスの基本
  11. リングスリーブ
  12. その他の部分
  13. 【重要】わざと間違える‐ミス対策
  14. 独学向け教材

複線図のポイント

 

 まず、『欠陥ポイント』から見ていきます。

 三路スイッチの電源側(左の方)ですが、「0」には、「黒」を接続します。

 例年、問題文にて、このように指示されるので、必ず、守ってください。でないと、即落ちです。

 さて、もう一方の右の三路スイッチですが、これは、別段、「0」を「黒」に繋げる必要はありません。

 とはいえ、本試験では、何でも『確定』しておく方が賢明です。

 「0は黒」とする方が憶えやすいので、左の方も、「0」を「黒」で接続しましょう。

 残るは、三路スイッチと四路スイッチの接続ですが、ここは、テキストの複線図を『暗記』しておきます。

 後述するように、ここは、「番号指定なし」「色指定なし」のところなので、テキストのやり方に従う、ってな次第です。

 四路スイッチ以外の複線図は、基本的なものなので、大丈夫でしょう。

 ところで、全「複線図」は、「複線図インデックス」にあります。出先で練習したい人は、参考にしてください。

7の難易度は「難」

 

 上記画像を見てもらえばよいように、本問のメイン論点は、「四路スイッチ」のみです。

 他の部分は、他の候補問題を解いていれば、問題ではありません。

 「四路スイッチ」のみ、何とかなったら、合格と相なります。

四路スイッチ攻略‐暗記する

 端的に言うと、「四路スイッチ」は、『暗記』します。

 接続の仕方、組み方、電線の色は、テキストのお手本を『暗記』します。

 本問は、何気に自由度が高いため、作業を決めておかないと、「逆」に混乱します。

 本試験では、考えている時間はないので、前もって決めておいた「この色の線と、この色の線をつなぐ」「番号は、○と○、×と×」をもとに、作業に臨んでください。

 素人が下手に考えるより、プロのお手本の『暗記』です。

三路スイッチは「0黒」

 さて、まずは、3路スイッチの「0」には、3心の黒を接続することを、頭に叩き込みます。

 当該「0黒」は、問題文にて、「極性指示」があるからです。

 三路スイッチは2つあるので、両方とも、「0」に黒です。(先述したように、1つは別段「0黒」でなくていいですが、統一しておく方が無難です。)

 当該「0黒」の作業は、四路スイッチの作業の一番最初にやります。

 「0」をいの一にやれば、採点部分の「極性」はクリアできるので、気が楽になる、という次第です。

 とにかく、「0」に「黒」を最初にやるよう、『手順化』しましょう。

お手本に従う

 結論から言うと、三路スイッチと四路スイッチの接続は、お使いのテキストの『組み方』に、従ってください。

 というのも、当該スイッチ同士の接続は、「番号」も「色」も、指定されてないからです。

 よって、テキストによって、スイッチの接続は、変わってきます。

 いくつかの出版社のテキストに当たってみましたが、どれも、バラバラでした。

 後述するように、わたしは、「右:1-1、3-3」で、「左:3-2、1-4」で接続しますが、皆さんのテキストでそうでないなら、そのテキストの「やり方」に従ってください。

 まあ、わたしのやり方でも、皆さんのテキストのでも、どっちでもいいのですが、プロの作ったテキストの真似をするほうが、テキスト代の元が取れるし、安心です。

 こんな次第で、四路スイッチと三路スイッチの組み方は、「確定していない」ので、自分がどう作業するか、自分で決めておきましょう。

番号を丸暗記

 さて、四路スイッチと三路スイッチの組み方ですが、『暗記』です。

 以下は、わたしの「右:1-1、3-3」「左:3-2、1-4」で組むやり方です。

 わたしは、右は「同じ番号同士」で憶え、左の方は「3・2、1・4」と無規則なので、ブツブツ唱えて憶えました。

 また、練習時には、作業開始で即、下の画像のような「絵」を、書きました。

 

 即、メモ書きすれば、アレコレ考えることなく、作業できます。

 幸いにも、わたしが受けた技能試験では、当該四路スイッチではありませんでしたが、練習時と同様に、本試験においても、『試験開始→即、絵』をしたはずです。

 本試験では、アレコレ考える時間がないので、ぜひ、『絵』方式を採用してみてください。

接続の色を決めておく

 四路スイッチと三路スイッチの接続には、色の指定がありません。

 よって、本試験で迷わないためにも、どの色とどの色を繋げるかを、練習時から、決めておきます。

 以下は、わたしのやり方ですが、三路スイッチの「1」には白の電線を、「3」には赤をつなぐように、『手順化』していました。

 右手の三路スイッチですが、「白白」と、憶えやすかったので、「1-1」を接続する際は、白同士で接続しました。

 んで、残る「3-3」は、残る「黒」と「赤」とをつなげる、ってな次第です。

 メンドウなのは、左手の三路スイッチです・

 下の画像の青の点線部分(左の三路スイッチと、アウトレットボックスに向かう3心ケーブルと、四路スイッチの片方)のところは…、

 

 赤と赤と白

 白と黒と黒

 …をつなぐように、『手順化』していました。

 このように、『手順化』しておくと、作業時に迷いがなくなり、格段にスピードアップします。

 以上が、当時のわたしの「組み方」です。

 繰り返しますが、このとおりにしないとダメ、というわけではないです。

 皆さんは、お使いのテキストのお手本を参考に、「色の組み合わせ」を、確定してください。

 本当に、本試験時は、「自由」こそ、危ないです。

 好きにしていいと油断していると、本試験時に、(アレ?!ここはこれでよかったか?!)などと困惑して、ケアレスミスを犯すのです。

 前もって、どの色と接続するかを、必ず決めておきましょう。

アウトレットボックスの基本

 本問では、アウトレットボックスが出てきますが、本試験では、穴が既に空いている筈です。

 本試験では、向かって上が北として、北に穴1、東に穴2、南に穴1、西に穴1の状態で、ボックスが配られるはずです。

 まず、当たり前なのですが、穴が空いている以上、ケーブルを入れるところが決まってしまうので、正確に、ボックスにケーブルを挿入します。

 反対に言うと、適当にケーブルを入れてはいけない、ってことです。

 繰り返しますが、ケーブルを入れる穴は決まっています。

 間違ったところに入れると、「誤接続」で即落ちです。

 また、ほとんどいないと思いますが、勝手に穴を開けると、「損傷」扱いとなり、即落ちします。

 本試験では、まず穴が空いているので、余計なことはしないように!

180度曲げ

 各ケーブル類を正確に差し込んだ後の、一工夫を述べておきます。

 「180度曲げろ」です。

 

 下手な図ですが、この画像のように、接続の際は、ケーブルを“くっ”と、180度、曲げてしまいます。

 アウトレットボックスにケーブルを、5本も入れると、まあもう、配線だらけで混乱のきわみです。

 ですから、先のひどい図のように、180度曲げて、へんな言い方ですが、元に戻すみたいに、曲げてしまいます。

 こうすると、ごちゃごちゃせず、電線を追いやすくなるので、作業効率が上がります。

 別に、ケーブルを曲げたからといって、欠陥をとられるわけではないので、やりやすいようにやりましょう。

 最後に、ゴムブッシングの加工・取り付けですが、問題ないでしょう!

 気をつけるべきは、「ケガ」のみです。

 電工ナイフは、普段の練習でもほとんど使わないので、十字線を割くときは、手を切らないよう気をつけてください。

 本試験では、止血用の「バンドエイド(絆創膏)」の持込が認められているので、心配な人は、1箱持って行きましょう。

 参考:技能試験‐持ち込める物・不可の物

 amazon参考:バンドエイド

接続は、指差し確認で確実正確

 四路スイッチでの接続は、文系ド素人最強の技「指差し確認」を2回した後で、行ないます。

 要領は、候補問題6の三路スイッチと同じです。

 複線図の接続しようとする箇所を、(これとこれをつなぐ、よござんすね?)といった感じで、指でなぞり…、

 次に、ケーブルの線と線とを指差しして…、

 「このスイッチの○色の電線→真ん中3心ケーブルの○色電線をつなぐ、ヨシッ!」という過程を、

 2回確認してから、リングなりコネクタなりで、ガッチャンコと接続します。

 こうすると、ミスをしなくなりました。

 なお、指差し確認を2回しても、ほとんどの練習では時間が余ったので、時間のロスにはならないはずです。

 接続で失敗をしたことのある人は、ぜひとも、「指差し確認」を導入してみてください。

リングスリーブ

 リングスリーブは、「小」を使うはずです。

 刻印は、「小」と「極小」で、オーソドックスなタイプです。

 しかし、こういうときこそ、刻印ミスをします。

 他のページでも言っていますが、電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、ガッチャンと接続します。

 繰り返しますが、『リングスリーブを間違うと、その修正が本当にクソ面倒だから』です。

 間違った接続部分を切り取り、ケーブルの外装を剥いで、電線の被膜を取るという“時間ロス”の権化です。

 おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。

 本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。

 指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。

その他の箇所

 四路スイッチ以外は、ふつうなので、問題はないかと思います。

 強いて言うと、「施工省略」のところは、ちょっとだけ注意しておきます。

 テキストの指示通りの「施工省略」作業を徹底してください。

 てきとーにやっていると、本試験の最中に(アレ、施工省略ってどうしてたっけ?!)と、軽くパニックに陥ります。

【重要】わざと間違える‐ミス対策

 本問ですが、ミス対策は、しなくていいでしょう。

 本試験にて、「四路スイッチ」のところを間違えると、カバーできないと思っていてください。

 そのくらい、「四路スイッチ」のところは、「難」です。

 ミス対策に割く時間ですら、「四路スイッチ」の練習に充てて、絶対に間違わないレベルに到達しましょう。

独学向け教材

 最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。

 

 ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。

 「ホーザン 合格クリップ」や、

 「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、

 「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。

 絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

令和5年度 技能・候補問題

 まとめ・難易度・順番

 複線図インデックス

 1問:位置表示灯

 2問:確認表示灯(常時点灯)

 3問:タイムスイッチ(TS)

 4問:三相3線式200V

 5問:20A 250Vコンセント

 6問:3路スイッチ

 7問:4路スイッチ

 8問:リモコンリレー

 9問:EET

 10問:確認表示灯(同時点滅)

 11問:ねじなし管

 12問:PF管

 13問:自動点滅器(A)

PDFや動画の閲覧

 

 PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

技能試験の注意やヒント

 本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。

 まず、問題文についでです。

 だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。

 「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。

 次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。

 当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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