消防設備士の甲種4類・乙種4類は、電気工事士で試験の一部免除が受けられるが、単に『問題を解かなくていい』だけであり、『勉強することに代わりはない』のであった。
【追記】令和2年度(2020年度)の願書をチェックしましたが、当該年度においても、試験免除の動向は、変わっていません。
上記画像のように、願書では、「実技」の「2~5」に丸が付いていません。
よって、「実技」に、「機能・構造等」が出題されます!!
試験免除を受けられる方は、以下を熟読して、兜の緒を閉め直してください。
結論から言うと、消防設備士4類の、電気工事士による試験免除はめちゃくちゃに有利にならない、という次第です。
免除が受けられるといっても、それは単に「本試験の問題を解かなくていいだけ」で、「免除された科目の試験勉強はしなくてはいけない」のです。
ここを勘違いしていると、必ず落ちるので注意してください。
わたしは、(50%免除?ウヒョすげえじゃん、こら1ヶ月でいけんなー)と余裕をこいていたら、“全然そうじゃなくて”、胃をキリキリ痛めつつ、勉強する羽目になりました。
ご存知のように、電気工事士(第1種・第2種)の免状を持っていると、消防設備士の4類を受けるときに、試験科目の一部免除を受けられます。
甲種だと49%+14%。
45問中、基礎的知識10問と構造機能12問の合計22問が、免除されます。その割合たるや、なんと試験問題の49%近くが免除されるわけです。
実技試験は、7問のうち第1問目が免除されるので、「6問」となります。14%免除です。
乙種だと、47%+20%。
30問中、電気・5問と構造機能・9問の合計14問が免除です。47%近くが免除となる塩梅です。
実技試験は、甲種同様に1問目が免除され、「4問」受験となります。20%分、免除されるわけです。
数字だけ見ると、一部免除どころではなく、5割減じゃないかっ!という寸法でして、一見すると、すごく楽できるように見えます。
しかし、やっぱり、全然、少しも、そうではないのでした。
結論から言うと、筆記で『免除』されている機能・構造等を、しっかり勉強しておかないと、実技試験で落ちます。
というのも、実技試験では、筆記試験で免除されている「構造」や「機能」「工事・点検」から、おもっくそ出題されているからです。
たとえば、耐火回線と耐熱回線の違いってどうなん?とか、何線をどういう工事をしたらいいんだっけ?みたいな問題が平気で出るのです。
免除だからって勉強していないと、(えっ?!何いってんすか?)です。
わたしのケースだと、実技試験で“全く見たことのない出題”がゴロゴロ出題されているのを目にして、(こらまずいこらまずいこらまずいヤベエヤベエヤベエ)と、自分の置かれた危機的な状況を知ったのでした。
本試験2週間前の話です。
結局、免除されていない法令科目と同じように、機能・構造や工事・点検のテキストを読み、問題集の問題を解くことになりました。
電工免除の“楽できない”からくりを知って、頭によぎったのは、昔話の“オチ”でした。楽しちゃダメだ、的な感じです。
ぶっちゃけ言うと、免除を受けると、50%免除ゆえに、試験を甘く見てしまい、自身の不合格のリスクを高めるだけのような感じがします。
結局、筆記試験の問題を勉強していないと、実技試験で答えられないんですもの。
一般受験組と電工免除受験組と、「大差」をつけない配慮なのでしょうが、出題者側の罠ともいえる存在、それが『免除』と思っておきましょう。
フフフ、こいつら免除という砂糖に群がる蟻だな、受験料アリガトウゴザイマシター的な、主催者の悪意すら感じた次第です。
そのくらいに、電工免除は、実質的に意味は“薄い”です。
先も述べたように、電工免除を受けると、技能試験のうち、第1問目が免除されます。
一見すると、楽できそうと思うでしょう。
しかし、筆記試験同様、そうでもありません。
当該免除が「加点扱い」されるわけじゃないからです。
甲種なら7問が6問、乙種なら5問が4問になるだけで、そこから、合格点の6割を取らなくてはならなくなります。
そう、免除の結果として、1問1問の比重が高くなるので、下手な失点が許されなくなるのでした。
「落とせない」というのは、けっこう、精神的にきついです。
ですから、ますます、しっかり勉強しておいて、テキストや問題集レベルの解ける問題は、必ず点数にしなくてはならず、結果的に、筆記試験のほとんどを勉強することになるのでした。
ぶっちゃけ言うと、免除を受けない方が、実技試験ではリスクが少なくなるのでは?と思います。
というのも、第1問目の“電気工事器具の写真鑑定=この道具は何?→ホルソ!やメガー!的な写真当てクイズ”が免除されないからです。
ここは、電気工事士の知識で普通かつ絶対的に解けるので、確実に点数を稼げます。
難しい問題が免除されるなら凄いトクですけど、誰でも解けるような問題が免除なんで、正直、微妙です。
免除を受けない方が、1問1問の比重が少なくなるから、受かりやすくなるんでないの?とすら思ってしまいました。
免除=超楽では、決してないので、申し込むときは一度、問題を確かめてみる方が無難でしょう。
電工免除は、ちょっとだけ有利になるだけで、実質的に、試験勉強を減らす意味はあまりありません。
実質的な免除=全然勉強しなくてもいいのは、基礎的知識の電気理論くらいで、それ以外の、設備・構造、整備の方法は、必ず勉強することになります。
こんな風に、電工免除は筆記は“結局”楽できないし、実技試験の難易度を微妙に上げるしで、絶大にトクではない、という次第です。
再度言います。
電工免除は、単に『問題を解かなくていい』だけであり、『勉強することに代わりはない』のでした。
なお、勉強方法等は、「消防設備士甲種4類(乙種4類)の独学」を…、
独学向け教材については、「消防設備士甲種4類(乙種4類)教材レビュー」を…、
合格体験記は、「消防設備士:甲種4類合格体験記」をご参考をば。
2015年2月5日 1:10 PM
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