医薬品は、多くの場合、人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものである。
しかし、本来、医薬品も人体にとっては異物(外来物)であるため、また、医薬品が人体に及ぼす作用は 複雑、かつ、多岐に渡り、そのすべては解明されていないため、
必ずしも期待される有益な効果(薬効)のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応(副作用)を生じる場合もある。
人体に対して使用されない医薬品についても、例えば、殺虫剤の中には誤って人体がそれに曝 さらされれば健康を害するおそれがあるものもあり、
検査薬は検査結果について正しい解釈や判断がなされなければ医療機関を受診して適切な治療を受ける機会を失うおそれがあるなど、人の健康に影響を与えるものもある。
医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能 に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品であり、
その有用性が認められたものであるが、使用には、このような保健衛生上のリスクを伴うものであることに注意が必要である。
このことは、医療用医薬品と比較すればリスクは相対的に低いと考えられる一般用医薬品であっても同様であり、科学的な根拠に基づく適切な理解や判断によって適正な使用が図られる必要がある。
医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者等が適切に使用することにより、
初めてその役割を十分に発揮するものであり、そうした情報を伴わなければ、単なる薬物(有効成分を含有する化学物質)に過ぎない。
また、医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっており、
それらの結果を踏まえ、リスク区分の見直し、承認基準の見直し等がなされ、販売時の取扱い、製品の成分分量、効能効果、用法用量、使用上の注意等が変更となった場合には、それが添付文書や製品表示の記載に反映される。
医薬品は、このような知見の積み重ねや使用成績の結果等によって、有効性、安全性等に関する情報が集積されており、随時新たな情報が付加されるものである。
一般用医薬品の販売に従事する専門家においては、これらに円滑に対応できるよう常に新しい情報の把握に努める必要がある。
このほか、医薬品は、人の生命や健康に密接に関連するものであるため、高い水準で均一な品質が保証されていなければならない。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(※1)」では、健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、異物等の混入、変質等がある医薬品を販売等してはならない旨を定めており、
医薬品の販売等を行う者においても、そのようなことがないよう注意するとともに、製造販売業者による製品回収等の措置がなされることもあるので、製造販売業者等からの情報に日頃から留意しておくことが重要である。
一般用医薬品として販売される製品は、製造物責任法(PL法)の対象でもある。
PL法は、製造物の欠陥により、人の生命、身体、財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めており、
販売した一般用医薬品に明らかな欠陥があった場合などは、PL法の対象となりえることも理解しておく必要がある。
『薬事法等の一部を改正する法律により法律の名称が「薬事法」から改められた。「医薬品医療機器等法」「医薬品医療機器法」「薬機法」等と略される』
本項のコメント入りは…、
…です。
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