午後第31問‐鳥取県 令和4年度(2022年度)過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、「医薬品」の「皮膚に用いる薬の成分」についての問題です。1つだけ、超絶に面倒な選択肢がありますが、理由根拠づけは厳しいですが、判断は容易かと思います。これ以外の選択肢は、基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。

午後第31問‐皮膚に用いる薬の成分

 

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難易度コメント+こたえ

 本問の難易度は、「ふつう」です。

 なお、本問の解答は、こちら(数字のみ)です。

選択肢a

 選択肢aの「ウイルスが原因であるいぼに用いる角質軟化薬は医薬品としてのみ認められており、 いぼが広範囲にわたって生じたり、外陰部や肛門周囲に生じた場合に使用できる。」ですが、誤った記述です。

 無駄に面倒な選択肢です。

 選択肢後半の「いぼが広範囲にわたって生じたり、外陰部や肛門周囲に生じた場合に使用できる」のところが、間違っています。

 手引きには…、

 「いぼの原因となるウイルスに対する抑制作用はなく、」

 「いぼが広範囲にわたって生じたり、外陰部や肛門周囲に生じたような場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である

 …とあります。

 選択肢には、先の症状に「使用できる」とあるので、間違いと分かります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、選択肢の前半部分の「ウイルスが原因であるいぼに用いる角質軟化薬は医薬品としてのみ認められており」のところは、正しいです。

 手引きには…、

 「角質軟化薬のうち、配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品につ いては、医薬部外品(うおのめ・たこ用剤)として製造販売されているが、」

 「いぼに用いる製品については、医薬品としてのみ認められている

 …とあります。

 よって、「角質軟化薬」で「いぼに用いる」ものは、「医薬品」のみです。

選択肢b

 選択肢bの「バシトラシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。」ですが、誤った記述です。

 「壁にバシっと」でおなじみ「バシトラシン」は、「細菌の“細胞壁”合成を阻害することにより抗菌作用を示す」です。

 選択肢の言う「細菌のタンパク質合成を阻害する」ウンヌンは、「硫酸フラジオマイシン」や「クロラムフェニコール」が該当します。

 全国的に、こういうマイナー成分がドンドコ出題されているので、テキストを精読しておきましょう。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢c

 選択肢cの「オキシコナゾール硝酸塩はイミダゾール系の抗真菌薬と呼ばれ、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、真菌の増 殖を抑える。」ですが、正しい記述です。

 「オキシコナゾール硝酸塩」は、選択肢の言うように、「イミダゾール系抗真菌成分」です。

 当該成分は、選択肢の言うとおりに、「細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させる」です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 「みずむしの抗真菌成分(イミダゾール系の抗真菌成分、アモロルフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩)の語呂合わせ」も、参考にしてください。

選択肢d

 選択肢dの「毛髪用薬に配合されているカルプロニウム塩化物は末梢組織においてアセチルコリン に類似した作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を 期待して用いられる」ですが、正しい記述です。

 「カルプロニウム塩化物」の正しい記述です。

 キーワードの「アセチルコリン」が、よく「ひっかけ」で「コリンエストラーゼ」などに変えられているので、注意してください。

 なお、手引きを抜粋すると…、

 「末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、頭 皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。」

 「アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受け にくく、作用が持続するとされる。」

 「副作用として、コリン作用による局所又は全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある。」

 …となっています。

 「コリン作用」が「抗コリン作用」などに変えられます。意識して、押えておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「a」は「誤」です。

 「b」は「誤」です。

 「c」は「正」です。

 「d」は「正」です。

 「正しい組み合わせ」は、

 正解:4

 さて、最終解答でミスったのなら、必ず、「登録販売者の解答は2回念押し‐最終得点は2~3点上がる」に、目を通しておきましょう。選び方を変えるだけで、点が取れます。

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医薬品

 午後1問:かぜ薬

 午後2問:かぜ薬の配合成分

 午後3問:漢方処方製剤(かぜ)

 午後4問:解熱鎮痛成分の働きと副作用

 午後5問:解熱鎮痛成分

 午後6問:漢方処方製剤(鎮痛)

 午後7問:眠気を促す薬及び眠気を防ぐ薬

 午後8問:鎮暈薬

 午後9問:鎮咳去痰薬

 午後10問:漢方処方製剤(鎮咳去痰)

 午後11問:胃の薬

 午後12問:胃に作用する薬

 午後13問:腸の薬の配合成分

 午後14問:腸の薬

 午後15問:漢方処方製剤(腸の薬)

 午後16問:胃腸鎮痛鎮痙薬

 午後17問:浣腸薬及び駆虫薬

 午後18問:強心薬

 午後19問:高コレステロール改善薬

 午後20問:貧血用薬

 午後21問:痔の薬

 午後22問:漢方処方製剤(泌尿器用薬)

 午後23問:月経及び婦人薬の適用対象

 午後24問:婦人薬

 午後25問:漢方処方製剤(アレルギー)

 午後26問:点鼻薬

 午後27問:点鼻薬の成分

 午後28問:眼科用薬

 午後29問:眼科用薬の配合成分

 午後30問:皮膚に用いる薬

 午後31問:皮膚に用いる薬の成分

 午後32問:ステロイド性抗炎症成分

 午後33問:歯痛薬・歯槽膿漏薬

 午後34問:禁煙補助剤

 午後35問:滋養強壮保健薬

 午後36問:漢方処方製剤(肥満症又は肥胖症)

 午後37問:消毒薬

 午後38問:殺虫成分

 午後39問:一般用検査薬

 午後40問:尿糖・尿タンパク検査薬

令和4年度 鳥取県

 ・インデックス

 ・医薬品に共通する特性と基本的な知識(午前:第1~第20問)

 ・人体の働きと医薬品(午前:第21~第40問)

 ・薬事に関する法規と制度(午前:第41~第60問)

 ・主な医薬品とその作用(午後:第1~第40問)

 ・医薬品の適正使用と安全対策(午後:第41問~第60問)

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

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こまごましたもの

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