37問‐令和2年度の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第37問は、「区分所有法 区分所有者の責任」の問題です。かなりレベルの高い選択肢で構成されています。正解はできると思いますが、すべての選択肢の正誤は、付かないと思います。キッチリ復習だけはしておきましょう。

37問‐区分所有法 区分所有者の責任

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「やや難」です。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

選択肢ア

 選択肢アの「区分所有法第7条第1項に係る債権については、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」ですが、正しい記述です。

 ストレートな条文知識です。

 「第八条」の「特定承継人の責任」には…、

 『前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。』

 …と、明記されています。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 この選択肢は、頻出論点なので、確実に判断が付くようになっておきましょう。

選択肢イ

 選択肢イの「管理組合が権利能力なき社団の性質を有する場合には、組合財産の有無にかかわらず、各区分所有者は、連帯して無限責任を負う。」ですが、誤った記述です。

 「区分所有法」の「第五十三条」の「区分所有者の責任」には…、

 『管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、区分所有者は、第十四条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。』

 『ただし、第二十九条第一項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による。』

 …と規定されています。

 よって、「区分所有法」には、「第十四条に定める割合と同一の割合」としか規定されておらず、選択肢のように、「連帯して無限責任を負う」わけではありません。

 また、「連帯して無限責任を負う」では、あまりに拡大解釈です。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、「第十四条に定める割合」ですが、おなじみ「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合」です。

選択肢ウ

 選択肢ウの「管理組合が法人である場合には、区分所有者は、その法人の総財産の範囲で有限責任を負う。」ですが、誤った記述です。

 先の「第五十三条」の「区分所有者の責任」を再度挙げると…、

 『管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、区分所有者は、第十四条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。』

 …とあります。

 やはり、「第十四条に定める割合」で、つまり、通常なら「専有部分の床面席割合」で、責任を負うことになります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢エ

 選択肢エの「管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき、区分所有者の負担は共用部分の持分の割合に応じた負担であるが、第三者との関係では連帯かつ無限責任を負う。」ですが、誤った記述です。

 「第二十九条」の「区分所有者の責任等」には…、

 『管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、第十四条に定める割合と同一の割合とする。』

 『ただし、規約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。』

 …とあります。

 んで、第十四条に定める割合とは、おなじみ「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合」です。

 「区分所有法」には、「連帯かつ無限責任を負う」とは、どこにも書かれていません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

答え

 「1」は「正」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「誤」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:1

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「管業「区分所有法」の過去問リスト」を、活用ください。

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