32問‐令和2年度の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第32問は、「総会に出席できる者」の問題です。共有での総会出席を問う小難しい選択肢があり、判断に迷います。他の選択肢は、定番です。最終解答は、ギリギリ、合うかと思います。

32問‐総会に出席できる者

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「難」です。

 今後、問われる可能性があるので、シッカリ復習しておきましょう。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

選択肢1

 選択肢1の「数人の共有に属する場合の住戸で、議決権を行使する者として選任され理事長に届け出た者以外の当該住戸の区分所有者」ですが、正しい記述です。

 「標準管理規約」の「組合員 (組合員の資格) 第30条」には…、

 『組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失する

 …とあります。

 「標準管理規約」には、「組合員」に関しては、これだけの記述しかありません。

 よって、「共有だと、組合員とは認めない」的な解釈ができなくなっています。

 ですから、「共有」であっても、区分所有者に変わりはなく、組合員となります。

 んなもんで、組合員である以上は、総会にも出席できます。

 なお、本問の『真』の狙いは、「共有」での「議決権」規定との“混同”を狙ったものかと思われます。

 第46条の「議決権」には…、

 『住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。』

 『前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない』とあります。

 「議決権を行使する者として選任され理事長に届け出た者」は、あくまで議決権行使の規定です。

 「議決権=出席権」であるとは、どこにも書かれていません。

 よって、「議決権を行使する者として選任され理事長に届け出た者」以外の者、つまり、他の共有持分者でも、区分所有者ではあるので、総会に出席できます。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢2

 選択肢2の「修繕積立金の値上げが議題になっている場合の賃借人」ですが、誤った記述です。

 修繕積立金の支払は、区分所有者が行います。

 賃借人とは、直接的な利害関係がないので、出席はできません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、「標準管理規約」の「出席資格 第45条」を挙げると…、

 『組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができる。』

 『区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる。』

 『この場合において、総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長にその旨を通知しなければならない。』

 …と相なります。

選択肢3

 選択肢3の「区分所有者から議決権行使の委任状を受け取った当該区分所有者の配偶者」ですが、正しい記述です。

 「」の第46条の「議決権」には…、

 『5 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、以下の各号に掲げる者でなければならない。』

 『一 その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は一親等の親族』

 …とあります。

 当該区分所有者の配偶者は、代理人になれるものです。よって、総会にも出席ができます。

 選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 選択肢4の「共同利益背反行為により、賃借人に対する専有部分の引渡し請求訴訟が議題になっている場合の当該賃借人」ですが、正しい記述です。

 明白な利害関係があるうえ、訴えの決議を行うには、あらかじめ当該組合員又は占有者に対し、弁明する機会を与えなければならないので、賃借人も、総会に出席できます。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「ア」は「正」です。

 「イ」は「誤」です。

 「ウ」は「正」です。

 「エ」は「正」です。

 本問は、「最も不適切なものはどれか?」ですので…

 正解:2

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「管業「区分所有法」の過去問リスト」を、活用ください。

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