「場合」「とき」「時」は混同しやすい法律用語です。しかし、そんなに厳密に使われているわけではないので、予備知識程度に押さえてください。
「場合」「とき」「時」の使い分けは、言うほど気にしなくていいです。
わたしも、後から知った口で、使い分けを知らなくても、条文は読めるように思います。また、誤読も少ないです。まあ、めったいにないでしょう。
とはいえ、知っておくと、条文や判例の読み方がシャープになるので、雑学として刺身のつま程度にどうぞ。
「場合」と「とき」は、意味的にはセットだと考えたらわかりやすくなります。
両方とも仮定的な条件、前提条件を表します。
「〇〇した場合、××する。」
「〇〇したとき、××する。」
両方とも意味するところは同じです。意味の受け取り方もよく似ています。
ただ、敢えていうと、「場合」は条件の中身が大きいときに使われ、「とき」は条件が小さいときに使われるようです。
実質的に相違はないと考えていいレベルの違いなので、条文や判例でそれほど気にすることはないと思います。
無理やり例文をいえば、「〇〇の場合において、××のときには。。。」と使うことができます。
「生存者がいる場合において、怪我人がいるときには」など、「場合」は意味的に大きい範囲を示し、「とき」は場合に較べたら狭い範囲になります。
「時」はその漢字の如く、ある時点を指す用語です。仮定的な条件ではなく、確実な時間を指しています。
民法157条の時効の中断がいい例文です。
「中断した時効は、その中断の事由が終了した時から、新たにその進行を始める。」
「終了したら~」という仮定的条件ではなく、「時間」を表しています。ようするに、〇時〇分〇秒を示している寸法です。
「とき」は条件を示していますが、「時」は確固たる時点を指していますので、混同するとわけわかんなくなってしまいますね。
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