消防設備士:乙種6類(乙6‐消火器)のテキスト・問題集レビュー

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 主に独学の人を対象に、消防設備士:乙種6類(乙6‐消火器)のテキスト・問題集レビューをする。乙6試験では、定番のテキストと問題集のシリーズがあるので、穏当に当該わかりやすい!と本試験によく出るの2冊でよい。甚大な支障や致命的な欠点はない。また、他に飛びぬけた教材もない。

  わかりやすい! 第6類消防設備士試験   本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集

 結論から言うと、テキストは「わかりやすい! 第6類消防設備士試験」を、問題集は「本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集」を使います。

 筆者は消防設備士では定番の人で、試験会場の3~4割の人が本教材を使っていました。

 わたしも使った口で、甲4(消防設備士:甲種4類)のときに本シリーズで合格できたので、乙6でも、当該わかりやすい!と本試験によく出るシリーズで…、という手合いです。

 甚大な支障や致命的な欠点は、当該2冊にはないので、アレコレ調べるのがメンドウな人は、これら2冊でいいでしょう。

 ぶっちゃけると、他に飛び抜けてよい教材もない、という塩梅です。

シリーズの利点

 本シリーズの最大のメリットは、『語呂合わせ』がたくさんあって、「楽ができる」の一言です。

 消防設備士の乙6では、本当に細々としたことを、憶えなくてはなりません。

 たとえば、「ホースの不要な消火器」で、「薬剤量が1キロ以下の粉末消火器」と「薬剤量が4キロ未満のハロゲン化物消火器」には、ホースがなくても構わないのです。

 本試験ではこういうのが問われるので、対象消火器と薬剤量の数字と、そして、「以下」や「未満」の使い分けに注意して憶えなくてはならず、憂鬱なこと配偶者の小言(視線)並です。

 この点、本書では、「こうして憶えよう」的な語呂合わせを併記して、受験生の負担を軽くしています。

 個人的に印象に残っているのは、下の画像の「開放式の扇子」で、一瞬一発で憶えられた最優秀の語呂でした。久方ぶりに感心しましたよ。

 

 多くの人が苦手の法令でも、『語呂合わせ』が、たくさん載っています。

 たとえば、消火器具の設置義務ですが、建物(施設)の種別を憶え、数字を憶えてと、本当にメンドクサイのですが、本書には、「府営団地内のカラオケボックス、老人は重要」といった『語呂合わせ』がある、という次第です。

 本書の到る所で『語呂合わせ』を見ることになるので、憶える手間をかなり省くことができます。

 わたしのように、『憶える手間を極力減らしたい方は、本シリーズ』を、大推薦します。

 「消防設備士:乙6の独学」でも述べたように、諸般の事情から、実技試験の対策は万全ではないですが、シリーズのテキストと問題集を「3回」やれば、合格はできます。

テキストのメリット・デメリット

 テキストの記述は必要十分で、全般にわたり杓子定規な“羅列”が少なく、非常に挫折率の少ない構成となっています。

 題名の通り、とにかく噛み砕いて「わかりやすい!」を実現している、良テキストとなっています。

 加えて、掲載されている練習問題も多く、十分な問題演習量を確保できるところも、高評価につながっています。

 また、先述したように、『語呂合わせ』が豊富にあり、憶える手間をかなり省くことができます。

 デメリットとしては、まず、「実技対策」が“ギリギリ”なところです。

 テキストの「実技」だけでは心もとないので、問題集を併用する方が安心です。

 次に、文系ド素人にとっては、テキストの「機械」だけでは演習不足です。

 問題集の併用を推奨します。

 また、“敢えての”デメリットを言うと、多少まとまりが悪いです。

 序盤は気にならないのですが、中盤以降は、たとえば、「粉末消火器」を調べるのに、「点検」「整備」「規格」の3章にわたってページを繰らなくてはならず、このことが、不満といえば不満です。

 とはいえ、先の「憶える手間」が省けるメリットと比べたら、デメリットは「小さい」と言わざるを得ず、「他に優れたテキストもない」ので、これを使うことになるかな、というのが結論です。

 テキスト参考:わかりやすい! 第6類消防設備士試験

問題集のメリット・デメリット

 問題集単体の“品質”は高いです。

 掲載問題数も多く、解説も十分で、答えも絶妙に見えなくしているページ構成で、良質な問題集です。間違いのない問題集ではあります。

 しかし、問題集は、正直、費用対効果が悪いです。

 テキストに掲載された問題と重複が多く、問題集固有の問題が「あまりない」からです。

 (逆を言うと、テキストに問題が多すぎる=テキストはサービスをし過ぎ、とも言えます。)

 しかし、わたしは、当該問題集の利用を強く推します。

 というのも、「機械」と「実技」が、テキストと比べて、少々ではあるも、充実しているからです。

 消防設備士試験は、とりわけ「実技」が厄介で、少しでも問題演習数を稼いでおきたいのが実情です。

 問題集には、テキストにない実技の問題が、“そこそこ”掲載されているので、演習数の底上げが可能です。

 また、文系ド素人にとっては、「機械」が“鬼門”で、下手をすればここで『足切り』に遭って不合格になりかねないため、少しでも多くの問題を解いておく必要があります。

 問題集の「機械」の問題は、テキストと多少違うので、文系には、問題演習数の不足を補うことができます。

 最後に、「重複」のメリットも、あることにはあるのです。テキストとの相性が格段に良くなります。

 問題集を解くことが、テキストの復習にもなり…

 テキストを読むこと・テキストの問題を解くことが、問題集の復習ともなる…、

 …といった手合いで、「重複」が逆に勉強の密度を上げて、結果的に「ダブル復習」となり、短期間でテキスト・問題集レベルの実力を養成できてしまうのでした。

 悪くはないのです。ちなみに、わたしは、既に甲4があったこともあり、乙6は「1ヶ月」で合格でした。

 以上の理由から、当該問題集を推薦する次第です。

 が、少しでもお金を浮かしたい方や、2~3回受験するのが苦にならない方は、問題集は使わずテキストのみでもいいでしょう。

 わたしは、「確実に1回で合格する」のにお金は惜しまないので、本問題集を使いました。

 費用対効果の薄い問題集とはいえ、「合格の可能性」を上げる教材であることに、間違いありません。

 問題集参考:本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集

消防設備士:乙6の教材まとめ

 長々と述べましたが、消防設備士の乙6は、「わかりやすい! 第6類消防設備士試験」と「本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集」を使えば、支障ありません。

 「実技」が不安なのは事実ですが、だからといって他の教材を使えば万全、というわけでもないので、穏当に本シリーズを揃えればいいでしょう。

 ちなみにわたしの場合、本教材で筆記全体が「100%」、実技は「90%」で合格できていました。

 参考:消防設備士:乙6合格体験記

消防設備士のこまごましたもの

 消防設備士試験に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 消防設備士一般の雑文は、たとえば、「危険物取扱者・消防設備士の合格証(試験結果通知書)に有効期限はない=合格はずっと有効」とかは、「消防設備士:ブログ記事」を…、

 乙6の勉強に関すること、たとえば、「消火器と書くときは、「けす・ひ・うつわ」」とか「感電して泡吹いた」とかは、「消防設備士-乙6」をばご参考ください。

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