消防設備士 乙種7類(通称:乙7‐漏電火災警報器)の独学に必要なことを最小限にまとめています。試験の一部免除を“受けない”非免除者(通常のノーマル受験者)を対象に、その勉強方法や難易度、勉強時間を説述します。「乙7は、免除がないなら、普通の試験」です。きっちりテキストと問題集の内容を消化すれば合格です。
乙7が「カンタンに取れる」のは事実です。
しかし、当該カンタンは、試験の一部免除があってこそのものです。
大半の受験生は、第2種電気工事士等による「試験の一部免除」で受験しています。
試験免除を受けると、たとえば、2電工なら、試験のボリュームは2分の1になり、受験科目はクセのない「法令」と「規格」だけになるので、「質・量」ともに、格段に難易度は下がります。
当該2電工免除に消防設備士による免除をプラスすると、なんと本試験は筆記の「10問」だけと、3分の1以下になってしまいます。
だから「カンタン」になるのですが、免除を受けないなら、乙7は、他の消防設備士と同程度の難易度です。
他の消防設備士の合格率は「30~40%」で、乙7は「60%」と、乙7だけ際立って合格率が高いですが、乙7だけがカンタンなわけではないので、注意してください。
免除があるから、乙7は高合格率なのです。
免除がなければ、乙7は普通の『試験』です。
なお、補足ですが、他の類には、乙7のような「大幅減」の免除はありません。免除制度はありますが、数問~10問程度が関の山です。
先述したように、乙7は、免除を受けると格段に楽になるので、テキストのみで合格する人が多数です。当方も免除者で、テキスト1冊で合格できました。
しかし、普通に受けるのなら、真似をしてはいけません。
乙7は、他の消防設備士試験同様に、テキストと問題集の2冊で勉強するのが賢明です。
テキストだけでは、問題演習の量が足りません。とりわけ、「実技」でそれが顕著です。
また、問題集だけでは理解しにくい論点が多々あるので、「テキスト+問題集」で勉強するのが無難です。
使用教材は、テキストは「わかりやすい! 第7類消防設備士試験」で、問題集は「本試験によく出る!第7類消防設備士問題集」です。
本書は消防設備士シリーズでは『ド定番』で、多数の受験生が使っています。わたしも乙7、乙6、甲4でお世話になりました。
本シリーズには、語呂あわせがたくさん載っているので、暗記と記憶の手間が、格段に減りました。
まあ、乙7の教材は数がないので、穏当に本書になるかと思われます。
繰り返しますが、試験の免除がなければ、乙7は普通の『試験』です。
決して楽勝な試験ではなく、普通の試験と同じで、テキストと問題集を消化していないと合格できません。
3日で受かったなどの情報を目にしますが、確かに、一部免除なら可能です。
しかし、免除なしの受験ならまず無理な日数です。
世にあふれている、楽とかカンタンとかの乙7評に惑わされないようにしてください。
非免除なら、乙7はちゃんと準備してちゃんと勉強しないと、受かりません。
試験勉強期間は、最低でも、「1ヶ月」は見ておくほうが、絶対に無難です。
ガチ文系の方は、まず「電気の基礎知識」の制覇からです。他の科目は手を付けなくて構いません。
「機能・構造」や「法令」は、基本は暗記科目なので、追い込みで何とかなりますが、「電気の基礎知識」だけは、本腰を入れて消化しないと、どうにもなりません。
当該基礎知識は、ガチ文系にとっては、鬼門中の鬼門です。というのも、乙7のみならず、消防設備士には、『試験科目ごとに、40%以上の正解率』という足切り点があるためです。
「足切り」という採点基準がないなら、「基礎的知識」など捨て問にしてしまい、他で点を確保すればいいのですが、現行試験では、そうはいきません。
後手に回ると、さらに嫌気が差すので、まず、最もイヤな科目から着手しましょう。
「基礎知識」では、主にオームの法則による電気抵抗の計算問題など、練習すれば解けるものが多いので、まずはこれら定番問題を制覇します。
磁界やら交流やらになると途端にめんどくさくなりますが、とりあえずは「テキストと問題集」の問題だけは解けるようになりましょう。
本試験問題は、基本的に同じような問題なので、テキストと問題集レベルの問題を解いておくだけでも、格段に得点は伸びます。少なくとも、足切りは回避できます。
ガチ文系にとっては、ホント、ここで試験が決まりかねないので、まずは、「足切りに引っかからない」のを目標に、一番力を入れてください。
なお、理系キャリアの方なら、「肩慣らし」程度の問題なので、ざっと、どんな出題なのかを確かめたら、他の科目に尽力すればよいです。
基本的に、「法令」は「暗記と記憶」の科目です。
時間と多少の忍耐力があれば、まず、大丈夫です。
最初は見慣れぬ語句・用語に頭が拒否反応を起こしますが、問題演習を繰り返せば、すぐ慣れます。
当該法令は「語呂合わせ」が強力なので、先に挙げた教材の語呂あわせで、「楽」してください。
通勤時間に論点をコツコツと消化していけばいいでしょう。
なお、法令は、基本的な法律用語を知っているほうが、理解が早いです。「法律用語のコツ:「または」と「もしくは」や、「「及び」と「並びに」を、お目汚しください。条文の言っている意味が少しは整理がつくかと思います。
最低でも、「以下・以上・未満・超える」は、目を通して使い方をチェックしておいてください。当該用語は、筆記の頻出論点です。
文理ともども、問題ないかと思います。
論点は、「漏電火災警報器」の1個だけなので、ボリュームは小さいです。参考までに、甲4(乙4)の自動火災報知設備だと、「9個」も論点(感知器数)ありますから、いかに、乙7が少ないか、という塩梅です。
法令同様、「機能・構造」は、見知らぬ語句と用語でテキストが埋め尽くされているので、最初はめんどうですが、慣れたら、どうってことありません。
基本は、「暗記と記憶」です。少しずつ、数字や語句を消化していってください。
ま、頭を抱えるような論点はないように思われます。
苦手な実技ですが、まず最初に言っておきたいことは、「漢字に注意」です。
実技試験の鑑別では、写真を見て、当該器具工具機械が何なのか、当該名称と用途を、直筆で書かせる出題があります。
普段、字を書かない人は、いざとなると、字が頭に出てこないのです。
「知ってる」だけでは、本試験の際に、ド忘れで書けないことが多々です。1つ1つを甘く見ないで、きっちり、正確に漢字で書けるようになっておきましょう。
当方、甲4試験の実技でしたが、「騒音計」の「騒」をド忘れしてしまい、往生しました。
なお、その他の論点の配線などは、問題演習の量で決まります。
テキストと問題集の問題は、それぞれ3回は繰り返しておけば、本試験でも点が取れます。
本試験の実技では、テキストや問題集に載っていない論点が出る可能性があるので、テキストと問題集レベルの問題は、全問解けるようになっておきましょう。
っとまあこんな次第で、乙7を免除なしで受験する場合は、世にたくさんある「免除による合格」に、引っかからないことが大事です。
免除の有無で、乙7の様相は劇的に変わります。
免除があるなら“てきとー”でも受かりますが、ないなら、勉強しないとまず受かりません。
こんな次第で、第1のポイントは、「乙7は、免除がないなら、普通の試験」を胸に、試験勉強に着手することです。
試験勉強期間は「1ヶ月以上」は見ておき、教材には「わかりやすい! 第7類消防設備士試験」と「本試験によく出る!第7類消防設備士問題集」の2冊体制で臨みます。
本試験問題は、そうクセはないし、論点も少ないので、上記2冊を、2~3回繰り返しておけば、穏当に合格です。
消防設備士試験に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
消防設備士一般の雑文は、たとえば、「危険物取扱者・消防設備士の合格証(試験結果通知書)に有効期限はない=合格はずっと有効」とかは、「消防設備士:ブログ記事」をばご参考ください。
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