消防設備士 乙種6類の難易度

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 消防設備士の乙6は「難しくはない」試験ですが、「カンタン」ではありません。合格率は40%で、10人中6人は試験主催者にお布施をしている勘定となります。“かったるい”試験ですが、我慢してテキストと問題集を消化すれば、まず合格できます。危険物の乙4や他の消防設備士の免状があると、少し難易度が和らぎます。

 最初に結論を言うと、消防設備士の乙6は「難しくはない」試験です。

 しかし、「カンタン」ではないので、肝に銘じておくべきです。

 

 乙6の合格率は「おおむね40%」ですが、「勉強しなくても受かる」わけでは、決してありません。

 とりわけ、文系ド素人の方には、試験科目に“鬼門”の「機械」の基礎的知識があるので、勉強しておかないと絶対に受かりません。

 とはいえ、キッチリ勉強しておけば(=標準的なテキストと問題集を3回解いておけば)、まず間違いなく合格点は確保できます。

 まあ、乙6に限らず、消防設備士試験は、「甘く見るとまず落ちるが、慎重に臨めばまず受かる」です。

 なお、筆記試験は「択一式」で、「1問当たり4つの選択肢」で構成されています。

 ですから、多少わからない問題に遭遇しても、『運』で点数を積み上げられるので、乙6は、試験形式からしても、「キッチリやっておけばまず受かる」となっています。

 ちなみに、詳細は後述しますが、危険物取扱者の乙4合格者や、消防設備士の免状があると、多少楽ができるので、難易度は下がります。

 ま、乙6は、受験するのに一大決心は必要ない難易度です。

試験勉強の「難」は、「かったるい」だけ

 一口で言うと、乙6は「かったるい」だけです。

 乙6の難所は、ただただ、消火器に関する細かな知識を憶えていくだけの、かったるい作業に慣れるかどうかです。

 乙6の消火器は、「A消火器はこう」で「B消火器はこうなっている」といったように、固有事項が“大変に多く”、「まとめて憶える」ようなこともできず、手間がかかります。

 たとえば、粗い画像で申し訳ないですが、下の画像です。乙6でも「たるい」部類に入る各消火器の構造・機能一覧です。

 

 霧状の強化液は、全火災に対応しているが窒息作用はない、とか…、

 二酸化炭素消火器とハロゲン化物消火器は、油火災と電気火災に適応し、普通火災には不適応であるのは同じだが、二酸化炭素消火器は窒息作用のみで、ハロゲン化物消火器は窒息作用に加え負触媒作用がある…、

 大型の粉末消火器の薬剤充填量は20キログラム以上で、機械泡消火器は20リットル以上で化学泡消火器は80リットル以上である…、

 …などなど、ひたすら煩雑な知識を頭に入れていかねばならないのです。

 ちなみに、上記画像の表が頭に入っていないと、致命的な失点を犯します。

 乙6は、試験の難易度は、「難しくはない」のです。

 本試験の出題は基礎・基本レベルなので、「勉強しておけば」、必ず受かります。

 しかし、「かったるい」試験であるということは、頭の片隅に置いておくべきです。

 慣れたらさくさくなのですが、「峠」を越えるまでは一苦労があると思っていてください。

テキストの半分は問題

 一口で言うと、乙6の勉強量は、他資格と比べて、「そんなにない」です。

 「教材レビュー」で紹介しているテキストは、300ページほどあります。

 しかし、当該すべてのページに、文字が詰まっているわけではありません。

 表やリスト、イラストが含まれているのは言うまでもないのですが、最も割りを占めるのは、「練習問題」です。

 テキストのざっと半分は「問題と解説」で、言うなれば、文字ばかりを見るわけではない、という寸法です。

 乙6は「かったるい」けど、「やることは、そう多くはない(※)」ので、受けやすい試験=難易度は高くない試験と言えます。

 (※ キシリア風に、語尾はイントネーションをちょっと上げる体で。)

危険物取扱者:乙4を勉強済みの人

 危険物取扱者の乙4の勉強をしたことのある方なら、乙6の難易度は、多少下がります。

 というのも、乙4を勉強しているなら、各消火器の特徴や適応火災については、“かなり勉強済み論点”となっているからです。

 危険物取扱者も消防設備士も、試験の主催者は同じなので、出題傾向も、似たり寄ったりとなっています。

 流石に、危険物乙4と消防設備士乙6の勉強内容は同じではないですが、“かなり被っていることは間違いなく”、多少忘れていても、(あーそうだっだ、そうだった)と、再記憶は容易です。

 反対に、乙4のときの知識が拡大・拡充される「知的快感」があるので、ぐっと試験勉強に本腰が入ると思います。

 こんな次第で、乙4の経験者なら、難所を越えている意味で、乙6の難易度は下がります。

他の消防設備士の免状の保有者

 他の消防設備士の免状の保有者は、乙6の難易度が、下がります。

 というのも、消防設備士の免状保有者は、法令科目の「法令共通」が免除となるからです。

 参考:乙種6類の免除早見表

 また、乙6の進め方や要領的なことは、他の種・類とほとんど“同じ”です。

 乙6だけが格段に難しくなっている、ということはないので、ブランクがあっても、試験勉強に、そう戸惑うことはないでしょう。

 このように、消防設備士の免状の保有者は、試験の一部免除のみならず、“経験済み”であることで、乙6の難易度が格段に下がります。

 最初はカッタルイですが、さくっと本調子になるはずです。

 最後に注意事項ですが、試験の一部免除は、「免状」を発行しておかないと、享受できません。

 単なる合格者ではダメなので、注意してください。

消防設備士のこまごましたもの

 消防設備士試験に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 消防設備士一般の雑文は、たとえば、「危険物取扱者・消防設備士の合格証(試験結果通知書)に有効期限はない=合格はずっと有効」とかは、「消防設備士:ブログ記事」を…、

 乙6の勉強に関すること、たとえば、「消火器と書くときは、「けす・ひ・うつわ」」とか「感電して泡吹いた」とかは、「消防設備士-乙6」をばご参考ください。

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