甲種4類(乙種4類)のテキスト・問題集レビュー

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 消防設備士の甲種4類・乙種4類のテキスト・問題集には、共通の「定番」があるので迷うことはありません。鉄板です。

 消防設備士 甲種4類・乙種4類の定番教材は、以下です。

 テキストは、「わかりやすい! 第4類消防設備士試験」です。

 問題集は、「本試験によく出る! 第4類消防設備士試験」です。

 甲種の人は、「4類消防設備士 製図試験の完全対策」を追加します。

 どのくらい「定番」かというと、試験会場に向かう電車の中で、地下鉄の中で、連絡通路で鉢合わせするくらい「定番」です。

 当然、試験会場でも、大半の人が「定番」を手にしていました。

 これほど教材が被る試験は初めてでした。

 品質からして、今後も鉄板かと思います。

   

テキストのよい点

 「わかりやすい! 第4類消防設備士試験」の特徴は、以下の通りです。

 ・語呂合わせが多い!

 語呂合わせが多いので、表やリスト、法規定を憶える際は、かなり楽ができます。

 語呂合わせが嫌いな人はダメですが、そうでないなら強く推薦します。憶える手間を、かなり省くことができます。

 

 ・徹底して試験向け

 作成基準が徹底して「試験」なので、試験情報をたくさん入手できます。

 たとえば、“ここ、こういう風に出ますんで”とか、“ここは、ホニャララと間違えやすいので注意!”といったコメントや指摘がたくさんあり、独学でも迷うことがありません。

 ・問題の掲載数が多い+解説も十分

 本テキストには、質量ともに及第点の問題が、各章ごとに掲載されています。

 これが実に、インプット作業に適しており、実に短期で、実力の付けやすい構成となっています。

 「わかりやすい! 第4類消防設備士試験」は、こうした長所から、なるほど、消防設備士の4類の鉄板テキストになると思います。

 テキスト:わかりやすい! 第4類消防設備士試験

2つの悪い点‐「価格」と「製図」

 さて、悪い点は2つあって、「価格」と「製図」です。

 作り手の苦労が垣間見えるテキストなので、価格が3,000円超と高めです。

 しかし、下手なものを使って再受験するなら安いもの。わたしは、コストパフォーマンスは釣り合っていると評価します。

 2点目の「製図」は、乙種を受験の方には関係がありませんが、甲種の人には大きな影響があります。

 本テキストの短所は、「製図」が、本試験レベルのぎりぎりである点です。

 本テキストで勉強しても、本試験では完全解答まで到達できないと思います。

 本書は、何とか本試験には対応できる、というレベルで、個人的には、かなり不安が残りました。

 製図だけは、別個の対策を採った方が無難です。(後述します。)

問題集

 甲種・乙種ともに、問題集は「本試験によく出る! 第4類消防設備士試験」です。

 先のテキストと同じ筆者の同シリーズなので、テキストと抜群の相性を誇ります。

 テキストにはない問題が多数掲載されており、2~3回繰り返せば、筆記・実技ともに、確実に合格点を確保できます。

 テキストと重複が多いという指摘があります。事実そうです。

 でも、古人は、「重要なことは繰り返すがいい」といっています。

 わたしの場合、問題の重複や語呂合わせの重複は、復習になるから別に構わない程度しか思いませんでした。

 ま、先のテキストと、この問題集を使えば、鉄壁です。

 短所は、テキストと同じで、値がやや張る点と、やっぱり、甲種の「製図」が厳しいという点です。

 問題集:本試験によく出る! 第4類消防設備士試験

テキストのみか、テキストと問題集の2冊か

 “テキスト”のみで合格したという人もおられます。

 というのも、テキストにもそこそこの問題が付いているので、問題演習の数は稼げるのです。

 そして、本試験の問題のレベルからして、テキスト単体で、“60%のギリギリ合格”に漕ぎ着けられる気はします。

 でも、わたしは、甲種・乙種ともに、テキストと問題集の2冊体制で行くべきだと思います。

 その理由は、「合格が確実となる、問題演習の絶対量」が確保されるからです。

 本試験で全く未知の問題や新傾向の問題が出題されても、2冊で問題演習をしておけば、それ以外でカバーが可能です。安定感はかなり増します。

 合格率は30%で、10人に7人は落ちる試験です。単体で、合格できないこともないですが、不安は残ると言わざるを得ません。

 「万全を尽くして、1回で済ませたい」人は、問題集を買って問題演習をしておく方が無難です。

 わたしは、2回も3回も受験料を払って日曜をつぶして受けに行くのが実にイヤなので、迷わず購入しました。

 2~3回受けるくらい別にいいよ、という方は、テキストのみでいいでしょう。

 でも、確実に受かりたい人は、テキスト・問題集の2冊体制です。

甲種のみ製図対策

 以下は、甲種受験の方のみが対象です。乙種は関係ありません。

 建築系の学校や学部の出身で「製図」的な作業をしたことのある人なら、「4類消防設備士 製図試験の完全対策」は必要ないです。

 基本、消防設備士の製図レベルは高くありません。

 しかし、わたしのように、「製図」的なことに未経験の人・製図知識ゼロの人は、「4類消防設備士 製図試験の完全対策」を買うべきです。

 わたしの1ヶ月合格は、本書が決め手でした。

 ぶっちゃけ、本書レベルの問題は、本試験では出ないのです。

 ですが、「本試験より多少難しめ」の問題に触れておくことで、本試験では、格段に安定して、そして、落ち着いて、問題が解けます。

 製図的なことに不慣れだと、本試験では緊張してしまって、テキストや問題集レベルの普通の問題でも、解けなくなってしまいがちです。

 話が飛びますが、「通関士」という資格があります。

 通関士という資格試験では、輸入申告書・輸出申告書を作らなくてはいけないのですが、これが、よく間違えるのです。不合格原因の1位が、当該申告書問題でした。

 で、大半の合格者は、申告書問題を専属で扱う、やや難しめの問題集を使って、対策を採ります。

 というのも、実技系・作成系問題は、「本試験より、多少難しいことをやっておく」と、本試験で確実に解けるようになるからです。

 本試験という緊張した時間だと、腕と頭が動かなくなって普通の問題でも解けなくなってしまう“きらい”があったり、ケアレスミスを犯したりで、無用の失点をやりかねません。

 「それ」を防ぐには、徹底した問題演習しかありません。

 スポーツをしている人なら、わかってもらえるかと思います。要は、「本番よりもきつい練習をしていると、本番でいい成績が出る」的な理屈です。

 本書の半分は問題です。十分すぎるほど製図の演習ができるので、トレーニング量を確保する理由から、本書をやっておく方が無難です。

 製図のポイントを、順繰りで列挙しているので、その順番どおりにやっていくことで、「実際の本試験ではどういうところに着目し、どういう手順で製図をしていくか」が自然と身に付きます。

 

 わたしは、「不合格になってもう1回5,000円払って受け直すくらいなら、これ買って1回で済ます」という理由から、値段に目を丸くしながら、購入して演習しました。

 大正解だったと、強く思います。

 製図対策:4類消防設備士 製図試験の完全対策

消防設備士の4類のテキスト・問題集まとめ

 「定番」は、定番になるだけの理由があります。

 テキストは、「わかりやすい! 第4類消防設備士試験」です。

 問題集は、「本試験によく出る! 第4類消防設備士試験」です。

 甲種の人は、「4類消防設備士 製図試験の完全対策」を追加します。

 迷うことのない、選択かと思います。

消防設備士のこまごましたもの

 試験科目個々の勉強方法等は、「消防設備士の独学」をお読みください。

 そのほか、消防設備士に関するこまごましたことは、たとえば、「電気工事士免除の実態」とかの記事を、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「消防設備士:ブログ記事」をばご参考ください。

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