危険物取扱者の甲種の試験科目「性消」は、乙種より点数は取りやすい傾向にある。というのも、問題数の制限があるからで、乙種のような、重箱を隅を突くような問題はかなり少なく、基礎・基本なものが中心の出題となっている。
最初に釘を刺しておきますが、甲種の「性消」は、確かに、乙種より点数が取りやすいですが、だからといって、楽ができるわけではないので、注意してください。
難易度は低くても、学習量が単純計算で「倍以上」なので、苦労することには変わりありません。
さて、本編に入ります。タイトルそのままの内容です。
甲種の「性消」は、基礎的な問題が多く、乙種より点数が取りやすいものとなっています。
んなもんで、まじめにテキスト等を消化すれば、合格点は確保できるので、そう「障害」ではない、といった次第です。
“甲種の方がやさしくなる”理由は、「出題数」に起因します。
本試験の性消は、全部で「20問」が出題されます。
んで、性消は「6つの類」で構成されています。ですから、「20÷6」で、1つの類に、おおむね「3~4問」が、多くても「5問」が、出題される計算となります。
そう、1つの類で問えるのは、「3~5問」になる、といった次第です。
乙種の「性消」は、「10問」でした。そのため、出題の『数』は、1つの類あたり、半分以下にに減っている、ってな次第です。
危険物取扱者試験は、基本的に、「実務試験」です。
本試験では、実務上、知っておくべきことが身についているかどうかを、チェックしています。
これがため、本試験では、実務に関係のないことを、あまり、問えないのです。
たとえば、危険物の取り扱いにおいては、当該危険物の化学式と、消火方法・貯蔵方法・注意事項・有害性とでは、どちらが大事か?、といった寸法です。
極端な例を挙げれば、3類危険物の「アルキルアルミニウム」の「エチルアルミニウムセスキクロライド」の化学式は、「(C2H5)3Al2CL3」です。分子量は「247.5」です。
次に、当該「アルキルアルミニウム」の性質ですが、「無色」の「液体」です。「空気と触れると自然発火」します。「水系の消火器は使用不可」です。「ハロゲン化物消化剤も使用不可」です。「燃焼時の煙は有毒」です。皮膚との接触で「薬傷」が生じます。窒素等の「不活性ガス」の中で貯蔵します。
さて、実際に危険物を取り扱う者にとって、前者と後者とで、どちらが「有用」でしょうか?
いうまでもなく、後者に決まっています。
化学式や分子量を知っているからといって、危険物を安全に取り扱えるわけではありません。んなもんで、後者の“実務的知識”が優先されて問われる、といった寸法です。
先述したように、甲種では、1つの類あたり「3~5問」しか『枠』がありません。
そして、危険物取扱者試験は、「実務試験」です。
このため、『その類で知っておくべき重要事項や、基礎・基本の論点や定番問題』の比重が高まる、という塩梅です。
さて、「性消」の重要論点に、「○類の消火は○○消化剤」とか「○類は○○性の××」といった「類全般の一般的性質」と「消火の方法」があります。
出題はシンプルで、“点数が取りやすい論点”です。
本試験では、先の「3~5問」の『枠』のうち、これら“点数が取りやすい論点”で、1~2問が、まず、占められます。実務者として、必ず知っておくべきことだからです。
これらで1~2問の枠がつぶれるので、危険物の「個別問題」は、単純計算で「2~4問」あたりになります。
んで、危険物のそれぞれには、必ず知っておくべきヤバイ性質があります。
たとえば、黄りんは猛毒で自然発火するとか、トリクロロシランは常温で揮発するとか、燃えると有毒ガスが出るとか、揮発性の蒸気を吸うと危険とか、酸で爆発するとかです。
これら「危険物の個々の“ヤバイ”性質」を出題すれば、難問等を出す余裕など、なくなってしまいます。
このように、甲種だと、『問題数の事情』から、出題枠に難問・奇問・珍問に割くことができない、このため、乙種のような『重箱の隅を突いたような問題』に、“あまり遭遇しない”といった次第です。
このため、学習量は多いですが、きちんとテキストと問題集、過去問を消化していれば、間違いなく、合格点は確保できる「作り」となっています。
油断は大敵ですが、乙種の勉強の延長で、性消の合格点は、まず取れると思います。
2018年8月11日 12:11 PM
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