宅建(宅地建物取引主任者)の合格体験記です。宅建で今でも思い出されるのは、「思ったような苦労もなく合格した」という“スンナリ安産”だったなということです。要因は、単純に「民法」を一通り勉強してたことですね。
宅地建物取引主任者免許(通称宅建)の合格体験記です。宅建の取得で、不動産の世界がぐっと広がりました。
・合格年度/平成13年(2001年)。
・受験回数/1回。運がよかったですね。
・受験勉強期間/6ヶ月くらい。
・模試/模試は、早稲田セミナーのを1回だけ受けました。
・予算/テキスト・過去問の代金、模試代、受験料くらいです。
・使用テキスト・問題集/早稲田経営出版「なにがなんでも合格宅建」上・下。過去問は早稲田経営出版の精選過去問を利用。
※「宅建の独学」にて、宅建“士”への名称変更の影響など、最新傾向と勉強方法について述べてます。
私が宅建試験で一発合格できて、そのうえ、すんなり合格できた理由は、「行政書士合格後に宅建を受けた」ということに思い至るのです。
行政書士という資格試験でも、『民法』が試験科目にあるのです。しかも、そこそこの“ウエイト”のある科目なのです。
本試験勉強で、一通り、民法が学習済みであったから、宅建の試験勉強の負担がかなり和らいだ、と分析しています。
宅建を受けようと思った発端は、「通勤の時間がもったいないから」という、何とも説得力のないものでした。
ですから、主に、電車の中での作業が、宅建の勉強でした。本格的に机の前に座りだしたのは、本試験が見えてくる1~2ヶ月くらいからでした。
こんな試験勉強でも宅建に受かったんですが、それだけ、宅建における民法の重要性を語っていると思います。
念のためにいっておきますと、宅建の民法関係の出題(通称:権利関係)は、おおむね15問で、全体の3割を占めています。
(※ 最近の試験では、権利関係が全14問の出題で、内訳は、民法が10問、借地借家法が2問、不動産登記法が1問、区分所有法が1問という出題になっており、民法の比重は相対的に低くなっています。)
宅建の合格ラインは、例年30~35問です。民法だけで合格点の半分を占めている、反対に言えば、民法を完全に捨てた場合、民法以外の試験科目35問を全問正解しないと、合格ラインに漕ぎ着けられないわけです。
出題数からして、民法は宅建の合格のキーである上に、当該民法は条文数が1000条と量も多く、かつ、非常に取っ付きにくい試験科目で、宅建の試験科目の中で、一番の壁になるってしまうのが民法なのです。
逆を言えば、民法がダメだと宅建には落ちるって寸法です。
わたしの宅建合格の最大の原動力は、行政書士の受験勉強で「民法がある程度学習済み」であったので、いうなれば、行政書士の勉強の残りが宅建でドンピシャに効いた、という次第なのでした。
宅建は、カンタンという人と難しいという人にわかれます。
その「差」は、民法にあります。
「宅建って簡単でしょ」という人は、民法が勉強済みの人です。
法学部出身であったり、他資格の試験勉強で、民法を一通り勉強しているなら、スンナリと宅建の試験勉強に入れるし、やることも単純なので、とても宅建が受かりやすくなります。そら、一番の壁が終わってんだもん。
対して、民法って見たこともありません的な“そうでない人”は、相応の勉強をしないと受からないし、そこそこ性根を入れないと合格できないのが宅建です。一口で言えば、難しいのです。
こういう「民法経験」の有無があるから、カンタン派とムズカシ派との2極化が生まれるのだと考えます。
わたしは、宅建は「カンタンではない試験」だと思います。特に、法律初学者の人にとって、「民法」は大きな障害になるはずです。わたしは、行政書士のときに、民法にヒイコラしましたよ。
2通りの試験勉強の“ありよう”があります。
民法を学習済みの人は、宅建という試験勉強は、宅建業法や建築基準法等の法令上の制限を「憶える」だけの作業となります。
もちろん、民法を全く勉強しなくてもいいわけじゃありません。宅建特有の論点もあるので、ざっと読んで、民法知識の復習と改めにいそしんでください。
あとは、「過去問」をしっかり繰り返して、模試を受けたり、予想問題集を解いたりしておけば、穏当に合格圏に入ることでしょう。王道の勉強です。
一方、民法の未学習者の人は、「民法」という壁があるので、宅建を甘く見ないでください。
民法以外の、宅建業法、法令上の制限などはこつこつやっていけば、まず、得点源になります。また、暗記科目でもあるので、短い期間でもそこそこの点数が取れるようになる科目です。
ですから、民法以外の科目は、後回しでもいいのです。
対して、民法は、その1000条もある条文数、しかも、内容のとっつきにくさとわかりにくさから、得点できるようになるのに、結構な時間がかかります。
大事なことは、時間の確保です。法律的なことが苦手でイヤだなーという人は、民法に足止めを食らうので時間が取られます。試験勉強期間を「半年」は見ておくべきかと思います。
さて、民法の勉強は、最初のうちは、ちんぷんかんぷんで砂を噛むような時間が続きますが、あるとき、「ぱっと」わかってくる瞬間があるので、それまでは、倦まず弛まず、テキストや条文と接してみてください。わたしもそうでした。
逆に言うと、民法のウザサから他の試験科目に逃げてはいけませんよ、という寸法です。
今も昔も、民法をどう攻略するかが、宅建の合格の大きなキーです。
どれほど他の科目でがんばっても、民法で点数を底上げしない限り、受かりません。
ま、ひとつの記録として、科目の個別的な勉強方法は、アーカイブのページを参照ください。
端的に言うと、民法を学習済みの人は、宅建の一番大きな壁がないので、どの教材を使ってもいいです。以上、終わります。
対して、民法の未学習者の人は、民法という試験科目に、しっかりとした対策なり記述をした教材を選びましょう。
正直、民法を知っている人というのは、それなりに「読んでる人」なんですよね。入門民法とかよくわかる民法とか何たらコメンタールとかを読んでるはずなんですよ。
では、「民法を知らない」のなら、それなりの「記述」を読まないと、できないしわからないよ、という寸法です。
民法の未学習者なのに、簡潔な記述をした教材を選んじゃダメですよ、という次第です。
詳しくは、「宅建教材レビュー」まで。
基本的には、宅建も、『テキストをざっと読む→問題集(過去問)演習→テキストで確認』の流れで大丈夫かと思います。
また、復習を欠かさなかったのも、合格の大きな要因だと思っています。
先も言ったように、試験勉強は電車の中であったのですが、ほぼ毎日電車に乗るので、必ず昨日勉強したところの復習してました。
この宅建は、正直、あまり勉強しておらず、ホント、過去問しかせずに合格してしまいました。
本試験当日は、あまりの準備不足のため受験を止めてしまおうかと思いましたが、ダメ元で受けたところ合格しました。
TOPページの「短期・独学・一発合格のノウハウ」にも書いたのですが、やっぱり「過去問(問題集)」に最初から取り組む、というのがいかに効果的なのかが、我ながら体感できましたねー。
ちなみに、自己採点では、42点も取れていました。本人がビックリしました。
8割も得点できたのは、オーソドックスな「試験問題の回」に遭遇したからで、試験問題の激変しなかったことも、一発“すんなり”合格の因子だと思います。いつも通り的な、定番で素直な出題であることを祈りましょう。試験は水物。
正直、運がよかったです。
「宅建」合格後に、相性のいい資格試験=多少楽が出来る・勉強の負担が減る資格試験を、「独学資格ガイド」に載せてます。
宅建を勉強すると、こーいう風に広がっていくのか的なアレで、試験勉強の一助にしてください。
宅建、お得です。
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