危険物取扱者 乙種3類(乙3:自然発火性物質・禁水性物質)の独学に必要なことを最小限にまとめています。合格率、勉強方法、独学向け教材について。乙3は危険物の数が15個と多くはないが、個々の危険物に「まとまりがない」ために、憶えるのに手を焼きます。合格率が年々下がる難化傾向にあるので、油断せず臨むことが大事です。
コロナインフルエンザの動向により、本試験が中止・延期されたり、試験会場が変更されたりしています。
危険物取扱者試験ですが、ご存知のように、「都道府県」ごとに試験が行われます。
そのため、本試験の中止等も、「都道府県」ごとに異なります。
ある県では、通常通り実施されるが、ある県では、延期されたりします。よって、本試験の実施状況は、“一概に言えない”状態となっています。
変更・中止等については、受験生に個別連絡がなされません。
試験1週間前になったら、「公式」を、必ずチェックしてください。
「当方のTwitter」でも、各種告知を行うので、心配な人は、フォローしておいてください。
※ このページは、乙4合格による『試験免除者』が対象です。「乙3」単独で取ろうとする方は、「危険物取扱者 受験ガイド」を一読ください。
さて、結論から言うと、危険物取扱者 乙種3類(乙3)は、独学でも十分に合格可能です。
乙3の合格率は、直近6年の平均で「68.3%」と、高い合格率です。
直近の平成30年度の合格率は、「67.7%」でした。前年は、「69.2%」でした。
しかし、乙3の受験に当たっては、危険物取扱者試験そのものが、「難化傾向」にあることを、頭の片隅に入れてください。高めの合格率ですが、油断していると足元を掬われて、落ちます。
が、反対に言えば、テキストと過去問をきっちりと消化していれば、まず合格できる試験である、といった手合いです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は、テキストは文系向けの「 チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版 」を、過去問は「 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験 令和7年版 」を利用します。
実績のある学習環境と、「油断大敵」と「甘く見ない」が、乙種3類の独学合格の要諦です。
試験主催者のWebサイトには、「例題:過去に出題された問題」が掲載されています。
当該例題には、問題と解答はあるのですが、「解説」がありません。そこで、手前味噌ながら解説を付与しました。
例題の全問を、「危険物取扱者 乙種3類(乙3)の公式過去問+解説インデックス」に挙げているので、問題演習の数を稼いでください。
先に結論を言うと、「そこそこ難」です。
乙3は、「15個」の危険物が試験対象で、乙種の中では、普通の数です。
ちなみに、危険物の数が一番多いのは、「乙4」の「30個」です。つまり、一番「性消」がかったるいのは、「乙4」という次第です。
参考:乙1→27個、乙2→12個、乙3→15個、乙4→30個前後、乙5→17個、乙6→6個。なお、使用テキストによって、若干数は変わります。
しかし、危険物の数は少なくても、危険物ごとに憶えることが大量にあるため、試験勉強の負担は重いです。
それに、乙3の危険物には、「アルキルアルミニウム」や「アルキルリチウム」など、馴染みのない危険物もそこそこあるので、馴染みの薄さにも手を焼きます。
乙3は、乙種の中では、手間がかかるほうです。しかし、とはいえども、乙4に受かる学力の保有者なら、穏当に「乙3」にパスできるはずです。(ぶっちゃけ言うと、乙4時の「法令」や「物化」のめんどくささに比べたら、ぜんぜんラクです。)
試験の傾向は、乙4と変わらず、「5:5」か「6:4」の問題構成です。
先の数字を補足すると、性消の全問題数「10問」のうち、基礎・基本レベルのカンタン系が5問か6問、点数の取りにくい難問系が5問ないしは4問出題される、という次第です。
カンタン系は、テキストと過去問を仕上げておけば、点が取れます。ほとんど同じ問題だからです。
対して難問系では、テキスト外・過去問外の未知の問題で構成され、全く見聞きしない問題が1~3問、最悪、5問出る可能性があります。まあ、しかし、テキストと過去問レベルの選択肢も多く、全く点数が取れないというわけではありません。
合格のポイントは、「カンタン系で点を稼ぎ、難問系の失点をカバーする」ってな次第です。
さて、乙3の試験勉強ですが、乙4の「性消」とほぼ同じです。
乙3だからといって、別段、変わったことをするわけでもなく、極端に試験の傾向が変わるわけではありません。
乙4同様に、各危険物の色や、水に溶ける・溶けないかとか、爆発するかしないとか、各危険物の特色や、個々の消化の方法を憶えていくだけです。
ただ、乙3は、乙4の引火性液体に比べると、かなり「ごちゃごちゃ」していて、憶えにくい特徴があります。(後述します。)
「教材レビュー」にて詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、文系でも使えるし、基本問題が多くて挫折の少ない「 チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版 」を、過去問は、唯一の市販過去問である「 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験 令和7年版 」でそろえれば、鉄壁です。(当該過去問は毎年版が改まるので、必ず『年度』を確かめて、受験年度の適っているかどうかを確かめてください。)
乙3の合格率は高いですが、それでも、危険物取扱者試験自体が難化しているので、テキストに過去問を追加するほうが無難です。
ところで、クレカ嫌いでコンビニ支払いの人は、1~2%の割引きがある「Amazonギフト券(チャージタイプ)」を推薦します。クレカのキャッシュバックを享受できます。
結論から言うと、「2~3週間」がベストです。
「1週間」でも合格はできますが、強行軍となるので面倒くさいです。
「2週間」あれば、本試験には間に合います。
なお、難易度のところで述べていますが、乙3は、他の類と比べると、ごちゃごちゃしているので、手を焼くのが予想されます。ですから、プラス1週間の「3週間」を見ておくと、安全です。文系の方は、「3週間」を見ておくといいでしょう。
なお、乙3の論点の大半は、通勤や通学で消化できます。ちょっとした細切れ時間が「いい勉強」になるので、このくらいの期間で大丈夫です。
当方が受験したときは、片道25分程度の通勤時間が勉強時間でした。
一口で言うと、「乙3の難易度は、そこそこ難」です。
乙3の危険物の数は多くも少なくもない、バランスの取れた数なのですが、個々の危険物の特徴・特色が多く、憶えるのにシンドイ思いをします。
先述したように、乙3の対象は、「自然発火性物質・禁水性物質」なのですが、言うなれば、これは、「自然発火性物質」と「禁水性物質」の2系統があるってな次第です。(もっと言うと、両方の性質を備えたものもあり、さらに混沌とします。)
加えて、「物質」と表記されているのが味噌で、言うなれば、「自然発火性の固体と液体」「禁水性の固体と液体」があるわけで、他の類と比べると、たとえば、可燃性固体の乙2と比べれば、かなり「ごちゃごちゃ」していて「まとめにくい」、という次第です。
乙3は、他の類のように“整理しにくい”ため、「まとめてドン」で憶えることができません。このため、1つの1つの危険物の制覇に、そこそこの時間が必要となります。
こんな次第で、乙3には、手間と時間を食うことが予想され、そこそこのめんどくささを享受することになります。
先述したように、乙4の「性消」でやったことと同じ勉強をすれば大丈夫です。
参考:乙4の独学
要点だけ述べると…、
①最初は、各危険物の1番の特徴だけをおさえる。
②共通するものは、まとめて憶える。
…といった次第です。
ちなみに、乙3は、一括りできないものが多く、語呂合わせがあまり発揮できません。
まあ、まずは、問題を解きながら、各危険物の特徴を押さえていきましょう。
テキストの問題を1回でも解けば、どこをどう憶えていけばいいか、眼目が見えてくるものです。
テキストの問題演習を元に、各危険物の特色や特徴を、少しずつ、頭に入れていくのですが、最初は1個くらい、押さえればいいです。
たとえば、「黄りん」なら、「韮のような臭い」か「猛毒」だけでいいでしょう。
たとえば、「アルキルアルミニウム」なら、「ハロゲン化物消火器が使えない」だけでいいでしょう。
テキストには、危険物の性質がグダグダ羅列されていますが、一番憶えやすいところから手を付けるのが、短期合格+省力合格のコツです。
乙3の危険物は、言うなれば、「個性的な危険物」が多く、一括り(ひとくくり)しにくいです。
しかし、危険物の特徴を、1つ1つ憶えるのは面倒なので、各危険物の特色を抽出して、できるだけ「まとめて憶える」のが効率的です。
「まとめ」の括りとしては…、
「比重(水に浮く・浮かないは頻出論点。水に浮く危険物をピックアップする)」「ガス発生」「自然発火」「吸湿」「有毒」「やけど」「皮膚を犯す」「ハロゲン化物消化剤・禁止」「酸化剤・接触禁止」「還元性」
…などなどです。
まとめるのに骨が折れますが、それでも、危険物の特色を1つ1つ憶えるのに比べたら、格段にラクです。
各危険物に共通するものを、ノートやメモに書き出して、憶えていってください。下の画像は、わたしが当時使っていたメモ帳です。電車の中でずっと見ていました。
問題演習をして、主要な論点、頻出論点をまずは押さえます。序盤は1個くらいでいいです。
で、問題演習ではカバーできないところは、何度もテキストを読み込んだり、語呂合わせや横断まとめで、頭に入れていきます。
乙3は、難化傾向にあるとはいえ、先に紹介した「 チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版 」を、過去問は「 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験 令和7年版 」を、2~3回解いていれば、まず、落ちることはないでしょう。
乙4同様に、乙3も「回数」で合格です。
毎年合格率は下がっていますが、それでも「60%」台であり、きちんと勉強したならまず、合格点の6割は確保できます。
油断せず勉強していれば、「乙3」に落ちることはまずないし、1回の受験で独学合格できるはずです。
乙種に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「危険物取扱者:ブログ記事」をばご参考ください。
★みんなとシェアする