登録販売者 第2章:人体

第3節:症状からみた主な副作用‐1:全身的に現れる副作用2)重篤な皮膚粘膜障害

2)重篤な皮膚粘膜障害

 「(a) 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)

 「皮膚粘膜眼症候群は、38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態で、」

 「最初に報告をした二人の医師の名前にちなんでスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)とも呼ばれる。」

 「発生頻度は、人口100万人当たり年間1~6人と報告されている。」

 「発症機序の詳細は不明であり、また、発症の可能性がある医薬品の種類も多いため、発症の予測は極めて困難である。」




ひとくちコメント

 当該皮膚粘膜眼症候群は、過去において、ほぼ毎回問われたド頻出論点です。現在も、よくよく登場します。

 まずもって、名称をキッチリ押さえてください。「皮膚粘膜眼症候群‐スティーブンス・ジョンソン症候群‐SJS」は、ガチ暗記してください。

 「入れ替え」問題がよくよく出ます。たとえば、「皮膚粘膜眼症候群は、最初に報告をした二人の医師の名前にちなんで“ライエル症候群”(SJS)と呼ばれる」とかです。

 病態のところは、無理して憶える必要はないです。精読して内容を把握しておけばいいでしょう。

 あと、数字です。「人口100万人当たり年間1~6人」は、憶えましょう。

 一時期、猛威を振るった数字です。出題例には、「富山県 R4 午後第15問」があります。

 「人口100万人当たり年間“0.1~0.6人”」とか「人口100人当たり年間“1~6人”」とかに変えられるので、シッカリ見ておきましょう。

 あとは、精読しておけば大丈夫かと思います。ただ、数字の「38℃以上の高熱」は、チェックしておきましょう。

 んでは、本文に戻ります。


 「(b) 中毒性表皮壊死融解症(TEN)

 「中毒性表皮壊死融解症は、38℃以上の高熱を伴って広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められ、かつ、口唇の発赤・びらん、眼の充血等の症状を伴う病態で、」

 「最初に報告をした医師の名前にちなんでライエル症候群とも呼ばれる。」

 「皮膚粘膜眼症候群と関連のある病態と考えられており、中毒性表皮壊死融解症の症例の多くが皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられる。」

 「発生頻度は、人口100万人当たり年間0.4~1.2人と報告されている。」

 「皮膚粘膜眼症候群と同様に、発症機序の詳細は不明であり、発症の予測は困難である。」

 「皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症のいずれもが発生は非常にまれであるとはいえ、一旦発症すると多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがあり、また、皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器等に障害が残ったりする重篤な疾患である。」




ひとくちコメント

 中毒性表皮壊死融解症も、先の皮膚粘膜眼症候群と同様に、ガチの頻出論点です。

 同じく名称の「中毒性表皮壊死融解症‐ライエル症候群‐TEN」をガチ暗記です。「入れ替え」問題がよくよく出ます。

 数字は、重要です。「人口100万人当たり年間0.4~1.2人」は、正確に憶えましょう。

 数字部分がコロコロ変えられます。たとえば、「人口“10万人”当たり」とか、「年間4~12人」とかです。

 憶えさえすれば、即答できるので、要暗記です。

 病態のところは、先と同様に、無理して憶える必要はないです。突っ込んだ位出題はないので、内容を把握しておけばいいでしょう。

 ただ、数字の「全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等」のところは、見ておくべきです。数字が変えられそうだからです。

 最近では、細かい語句が問われるようになっています。「東京都 R2 第34問」とかです。

 精読して、丁寧に読み込んでおきましょう。

 んでは、本文に戻ります。

 「従って、」

 「○ 38℃以上の高熱

 「○ 目の充血、目やに(眼分泌物)、まぶたの腫れ、目が開けづらい」

 「○ 口唇の違和感、口唇や陰部のただれ」

 「○ 排尿・排便時の痛み」

 「○ 喉の痛み」

 「○ 広範囲の皮膚の発赤」

 「等の症状が持続したり、又は急激に悪化したりする場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止して、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要がある。」

 「特に、両眼に現れる急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血、目やに、流涙、痒み、腫れ等を生じる病態)は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期又は半日~1日程度先行して生じることが知られているので、そのような症状が現れたときは、皮膚粘膜眼症候群又は中毒性表皮壊死融解症の前兆である可能性を疑うことが重要である。」

 「皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある。」




ひとくちコメント

 まず、「○」のついたリストのところは、あまり出ないので、精読しておけばいいでしょう。ガチ暗記は無用です。

 当該記述の典型的な出題例は、「高知県 R5 第35問」です。

 今後も…、

 「特に、両眼に現れる急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血、目やに、流涙、痒み、腫れ等を生じる病態)は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期又は半日~1日程度先行して生じることが知られているので、そのような症状が現れたときは、皮膚粘膜眼症候群又は中毒性表皮壊死融解症の前兆である可能性を疑うことが重要である。」

 「皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある。」

 …のところから出題されると思われます。

 シッカリ読み込んでおきましょう。

 以上で、このページは、終了です。ご苦労様でした。

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 「3)肝機能障害」に続きます。

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