31問‐広島県 過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、「有効成分の吸収及び代謝」についての問題です。設問の多くが、手引きの「注」から出題されており、対策の取り難いものばかりです。解けなくても仕方のない問題ですが、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、本試験までには、解けるようになっておきましょう。

31問‐有効成分の吸収及び代謝

 

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難易度コメント+こたえ

 本問の難易度は、「難」です。

 なお、本問の解答は、こちら(数字のみ)です。

選択肢a

 選択肢aの「消化管における有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用に よって影響を受ける。」ですが、正しい記述です。

 食べ物と医薬品の「相互作用」を思い出せば、解けるかと思います。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢b

 選択肢bの「坐剤の有効成分が直腸上部から吸収された場合、肝臓で代謝を受けないため、全身へ 分布する有効成分の量は減少しない」ですが、誤った記述です。

 難しい問題です。

 手引きの「内服以外の用法における粘膜からの吸収」の節には…、

 「内服以外の用法で使用される医薬品には、適用部位から有効成分を吸収させて、全身作 用を発揮させることを目的とするものがある。」

 「坐剤はその代表的な例である。肛門から医薬品を挿入することにより、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものである。」

 「直腸の粘膜下には静脈が豊富に分布して通っており、有効成分は容易に循環血液中に入るため、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れる。」

 んで、「座剤等の場合と同様に、初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布するため、全身性の副作用を生じることがある」

 …とあります。

 しかし、手引きには「注」があって、「坐剤であっても、直腸上部から有効成分が吸収されると、肝臓で代謝を受け、全身へ分布する有効成分の量が少なくなってしまう。」と記載されているのです。

 本問は、「直腸上部から吸収された場合」となっているので、有効成分の量が少なくなります。

 よって、「有効成分の量は減少しない」のところが間違っている、となります。

 「注」が問われているので、確答は、厳しいかと思います。

 ただ、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、復習だけはしておきましょう。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢c

 選択肢cの「循環血液中において、有効成分と血漿タンパク質との結合は緩やかかつ不可逆的である」ですが、誤った記述です。

 間違っているのは、「血漿タンパク質との結合は緩やかかつ不可逆的」のところです。

 正しくは、「血漿タンパク質との結合は速やかかつ可逆的」です。

 本問も、手引きの「注」からの出題です。

 手引きには…、

 「血漿タンパク質との結合は速やかかつ可逆的で、一つ一つの分子はそれぞれ結合と解離を繰り返している

 …とあります。

 過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、解けるようにはなっておきましょう。

 まあ、「結合が不可逆的」だと、薬の成分が出なくなっちゃいますね。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢d

 選択肢dの「皮膚に適用する医薬品(塗り薬、貼り薬等)は、加齢等により皮膚のみずみずしさが 低下すると、有効成分が浸潤・拡散しにくくなる。」ですが、正しい記述です。

 正しい記述です。

 手引きの「注」には、「加齢等により皮膚のみずみずしさが低下すると、有効成分が浸潤・拡散しにくくなる」とあります。

 復習だけはしておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「a」は「正」です。

 「b」は「誤」です。

 「c」は「誤」です。

 「d」は「正」です。

 「正しい組み合わせ」は…、

 正解:4

 さて、最終解答でミスったのなら、必ず、「登録販売者の解答は2回念押し‐最終得点は2~3点上がる」に、目を通しておきましょう。選び方を変えるだけで、点が取れます。

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人体

 21問:消化器系

 22問:消化器系2

 23問:消化器系3

 24問:呼吸器系

 25問:心臓及び血管系

 26問:腎臓

 27問:眼球

 28問:耳

 29問:外皮系

 30問:骨格系及び筋組織

 31問:有効成分の吸収及び代謝

 32問:効果器と交感神経系による作動

 33問:剤形

 34問:剤形とその特徴

 35問:外用局所に適用する剤形

 36問:医薬品の副作用

 37問:重篤な皮膚粘膜障害

 38問:精神神経系副作用

 39問:呼吸器系副作用

 40問:皮膚に現れる副作用

令和3年度 広島県

 ・インデックス

 ・医薬品に共通する特性と基本的な知識(午前:第1~第20問)

 ・人体の働きと医薬品(午前:第21~第40問)

 ・薬事に関する法規と制度(午前:第41~第60問)

 ・主な医薬品とその作用(午後:第1~第40問)

 ・医薬品の適正使用と安全対策(午後:第41問~第60問)

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

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