宅地建物取引士(宅建)の勉強方法:宅建業法(宅地建物取引業法)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅建業法は、暗記と記憶で点が取れるので、努力がストレートに点数に現れる。一番最初に着手するとよい。また、宅建の数ある試験科目の中で、最も重要科目なので、この点からも、最初に着手すべき。勉強自体はオーソドックスだが、宅建は難化しているので、宅建業法の各規定・規制は、正確に遺漏なく憶える必要がある。暗記ばかりで宅建業法はつまらないが、「逆」を考えると、悪徳不動産屋の手口が見えてきて、実に、味わいがある。

宅建の試験勉強で「最初に着手」

 宅建業法からは、例年20問前後の出題があり、試験科目の中で最大のボリュームを誇ります。

 テキストに載っていることをストレートに問う出題が多いので、難易度は基本レベルです。勉強すれば点が取れます。

 また、条文数も少ないので、勉強の負担もそれほどではありません。

 そして、前提知識ゼロからでも、宅建業法は「わかる」という特色があります。いきなり読み始めても、全然大丈夫です。「不動産屋ってそうなっていたのねーなるほどねー」的な発見もあって、結構飽きずに勉強ができます。

 分量も少なく、難易度も基本的で、興味をも持てるという塩梅で、宅建の試験勉強は、まず当該「宅建業法」から手を付けるのが賢明であり、受験生の「定説」です。

 私も最初に手がけたのは「宅建業法」でした。

得点源、ということは・・・落とせない!

 先も言いましたが、宅建業法は、宅建試験で最大の出題数であるため、メインの試験科目となります。

 しかも、「得点しやすい」ので、合格するほとんどの受験生は、「宅建業法」で点を取ってきます。

 宅建を受けるのであれば、絶対におろそかに出来ない試験科目が「宅建業法」なのです。だからある意味、怖いです。「1点」も落とせないからです。

 宅建業法では、おおむね「8割以上」の16点以上を稼ぎたいところです。問題が易しいときは、9割の18点近く取らないといけなります。

 そう、80%~90%近い正解をたたき出さないといけないのが、宅建業法なのです。

 出題は、用語の定義から始まって、事務所の設置、免許、主任者規程、欠格事由、報酬から監督まで、宅建業法からオールラウンドに出題されるので、全単元をマスターして、点数が取れるようにしておきます。宅建業法に「捨て問」はありません。

 言うまでもなく、宅建制度の肝中の肝である、『35条』や『37条』の各重要事項の名称と内容、そして、こもごもの『規制』は、絶対に取れるようにしておきます。ま、『これら』が宅建ですので、出題されないことはありません。

 宅建業法では、苦手なところを作らず、徹底的にマスターしましょう。苦手は、理由がどうであれ、徹底して潰します。

宅建業法は難化‐出題形式がいやらしい

 宅建業法は、きっちりと遺漏なく、各条文を憶えなくてはいけません。

 てきとーに憶えた、確実でない記憶では、もう、点が取れません。

 というのも、宅建業法では、全選択肢がわからないと1点が取れない「正解はいくつか?」の個数問題や「正解はどれとどれ?」の組合せ問題といった、“いやらしい問題”が増加しているからです。

 この種の問題は、正確・確実な知識がないと、1点が取れません。

 つまり、中途半端な勉強だと、落ちるといった次第です。

 たとえば、『35条』や『37条』の問題です。

 昔は、35条と37条の個々の項目を知っていたら点が取れたのです。

 たとえば、水道電気の有無は説明義務があるが、ガスにはない、といったヘンチクリンなレベルの問題だったので、ちょっと知っていれば、選択肢の1つは消去でき、運が良ければ1点取れたのです。

 それが今では、個々の項目は言うまでもなく、35条・37条で共通するもの・35条にしかないもの・37条にしかないもの風に、格段に突っ込まれる出題であり、中途半端な勉強では、まず、点が取れなくなっています。

 宅建業法のマイナーな条文や、実務的なことに踏み込んだ出題も増え、以前とは次元の異なる難易度です。

 「宅建なんてカンタン」というのは、ホント、過去のものなので、ゆめゆめ油断せず、テキストの精読+重要事項・定番事項の記憶と暗記に勤めてください。

試験勉強の進め方

 宅建業法は、オーソドックスに進めていきます。

 テキストをざっと読んだ後に、果敢に過去問や問題集に挑戦していけば、穏当に実力が付いていきます。

 問題を何回も解きましょう。「あーこういう風に出題されるのねー」的な、問題のクセが見えてくるので、テキストを読み方も変わってきます。

 ある程度問題が解けたら、間違った問題を繰り返し解いて、テキストで復習します。

 こういう感じで、「問題演習(過去問演習))を中心に勉強していけば、合格点を確保できます。

 奇を衒うようなことはしなくていいです。

各規制は、語呂あわせでまとめて憶えて、細部をつめる。

 宅建業法には数多くの規制があるので、最初は混乱してしまいます。

 なので、語呂あわせを作って、まとめて憶えて全体をつかんで、ほいで、細部の規制内容をつめていけば、すっきり憶えられます。

 ちなみに、わたしは当時、以下のような語呂あわせを作ってました。

「ココバット、爺キック、蹴って(ダウン)した」の「ココバット」

 契約締結準備段階における4つの規制を「ココバット」

 こ→誇大広告の禁止

 こ→広告開始時期の制限

 ばっ→媒介・代理契約の規制

 と→取引態様の明示義務。

「ココバット、爺キック、蹴って(ダウン)した」の「爺キック」

 契約締結前における3つの規制を「爺キック」

 じ→重要事項の説明

 じ→重要な事項の不告知等の禁止

 きっく→供託所等の説明

「ココバット、爺キック、蹴って(ダウン)した」の「蹴って(ダウン)した」

 けっ→契約締結時期の制限

 て(ダウン)→手付の貸付等による契約締結誘引の禁止

 し→書面の交付義務

 た→宅建業者が自ら売主となる場合の制限(8種類制限)

「じっくり(計画に)そって、かってネ、たしかめて、(悪徳かもよ。)」(8種類制限)

 じっ→自己の所有に属さない物件の契約制限

 く→クーリングオフ

 そ→損害賠償額の予定等の禁止

 て→手付額の制限等

 か→瑕疵担保責任についての特約の制限

 て→手付金等の保全

 た→宅地建物の割賦販売契約の解除等の制限

 し→所有権留保等の禁止

実に味わい深い宅建業法

 さて、宅建業法ですが、法律的に見ると、実に味わい深いものがあります。

 いったん、試験勉強から離れて、宅建業法の各規制を見つめてみてください。

 いいですか、これらの規制は、「だまされた結果」できた規制なわけですよw

 たとえば、35条の重要事項に、ガスや水道の設置状況の説明義務があるのは、皆さんご存知でしょう。

 で、「じゃあ、何でこういう規制があるの?」と、裏返して考えてみてください。

 実に、味わい深いのです。

 家の建売があったとします。安い値段です。買ったとしましょう。

 しかし、その家にガスやら水道、電気が来てなかったらどうしますか?逆を言うと、そういう設備が「ない」から安い、ってなこともあるわけです。

 買い手は自腹でガスやら水道、電気を引いてこないといけないわけで、そら、買い手は怒りますが、売り手の業者は、「知らなかったのはあんたの責任でしょ」的な言い逃れをするわけですよ。

 だもんで、35条書面に、ガスやら水道の整備状況と、未整備なら設置の目安を説明する義務を宅建主任者に負わせたわけですね。

 かつて、原野商法という詐欺的商売がありました。これもまた、買い手の無知につけこんだ詐欺で、何にもない原っぱを、あたかも有望な土地のようにして売りつけるのですが、その土地を買ったはいいが、ガスやら水道は来てないわけで、ほとんど使えない土地なんですよねー。

 私道負担も実に味わい深いです。金を払わないと入れない土地を売るわけですよねー。

 こういう風に、宅建業法を逆に考えてみてください。

 手付金の保全だって、持ち逃げした業者が当然いたわけですよ。今でもいて、行政処分を受けています。広告規制なんて、かつては騙しのオンパレードだったのですよ。引渡し時期の明示なんて、引渡しをしなかった奴がいたってことですよ。「いつって決まってないっすよね~」的な感じで足元を見て、じらして執行金みたいな金銭を求めたんですよ。

 宅建業法の規制は、トラブルがあったから「わざわざ法制化」されたのです。要するに、“悪徳”不動産屋が“やってきたこと”と買い手なり売り手が“やられたこと”の集合体が宅建業法なんですね。

 一口で言えば、「詐欺的」と「やり口」の見本・サンプルが宅建業法の各規制なわけです。そう考えると、実に味わい深く、面白いのです。

 宅建業法をしっかり勉強すると、実に「契約法」の勉強になります。ここまで詰めて「安全」ってことですよ。逆に言うと、ここまで詰めてこない相手は怖いぞ、という次第です。

宅建科目別勉強方法リンク

 個々を1ページに述べると長くなるので、別ページとしました。

 一人で昼飯を食べているときや、一人でくつろいでいたら配偶者が帰ってきたときにでも、お目汚しください。

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