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35条(重要事項の説明)の考え方‐物件に関すること

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

宅建:宅建業法の「35条(重要事項の説明)」は、ほぼ毎回試験に出るところである。受験生なら、必ず押えておかねばならないが、なかなか理解し難いところでもある。本ページでは、「35条(重要事項の説明)」のうち、「物件に関すること」に絞って、理解しやすいよう解説を付与していく。過去問へのリンクもある。

宅建業法の35条(重要事項の説明)は、ほぼ毎年、試験に出る最重要論点です。

当該論点のうち、「物件に関すること」ですが、これは、暗記も必要ですが、それ以上に、法制度の趣旨を理解することが先決です。

「どうして、こんな制度があるのか?」を考えていけば、「物件に関すること」の暗記は、かなり楽になります。

無理から憶えようとせず、以下の考え方を参考にして見てください。

ところで、35条のもう片方の論点「取引に関すること」はこちらです。

んでは、以下、「物件に関すること」の屁理屈をみていきたいと思います。

ざっくり理解

まずは、「物件に関すること」とは、『商品説明』と、大きく理解します。

皆さんも、1度は、オークションを利用したことがあると思います。

たとえば、服を落札する際は、サイズはもとより、着丈や袖丈、肩幅などの数字を、丹念にチェックするはずです。

たとえば、カバンなら、たて・よこ・マチの寸法やもとより、色、素材、ポケットの数、ブランド品ならシリアル番号やケアカードの有無等まで、念入りにチェックするはずです。

「物件に関すること」とは、オークションの落札と似たような感じです。

不動産取引において、その『物件』の購入・非購入に必要な「商品説明」が、35条(重要事項の説明)の「物件に関すること」なわけです。

35条がいまいちピンと来ないという人は、まず、「商品説明」という「4文字」を頭に刻んでみてください。

ここが、35条理解の第1歩目です。

商品説明とイメージしつつ

35条の対象は、言うまでもなく、「不動産」取引です。

んなもんで、「不動産」の買い物がよくなるための「商品説明」を、「35条(重要事項の説明)の物件に関すること」が担っているわけです。

いい買い物にするための商品説明」といった観点から、35条の「取引に関すること」の「8つ」を見ていきましょう。

まず、「登記された権利うんぬん」です。

「いい買い物」をするためには、自分が何を買おうとするのかを、明らかにしないといけません。買い物の前提中の前提です。

また、もしかしたら、売主は「所有権」を有していないかもしれません。んなもんで、取引対象の登記簿上の権利の種類を、35条の対象としているわけです。

次に、「法令上の制限」も、典型的な「いい買い物にするための商品説明」です。

もし、「法令上の制限」を買主が知らなかったとしましょう。

土地を買おうとしたら、その土地では、都市計画法等の規制により、3階以上建てられなかったとか、建蔽率の制限から予想以上に狭い家しか建てられなかったといった「ズンドコ」に遭遇してしまいます。

「法令上の制限」を35条の対象とすることで、こうした「ズンドコ」を避けることができます。

「私道負担」や「飲用水・電気・ガスの整備状況」も、言うまでもなく、「いい買い物にするための商品説明」です。

(この家、安いなー)と思っていたら、家に入るのに他人の土地を通らなければならず、お金がかかったり、その反対に、近所の人がその土地を往来するかもしれません。明らかに、トラブルの元になります。私道負担付きの物件のため、通るな・出て行けとはいえないからです。

そして、物件価格が安いのは、水道やガスが通っていないので、後々、自分で工事をしなければならない=工事費の分だけ安くなっていた、ってなこともあるでしょう。

「工事完了前なら、完了時における形状・構造」も、「思ったのと違う」を防ぐ意味があります。(もちろん、業者の法螺を防ぐ意味もあります。)

「区分所有建物である場合、国土交通省令等で定める事項」ですが、普通の家とマンション(区分所有建物)を買うのとでは、法律上、かなり異なってくるので、当該違いを明らかにする意味があります。

たとえば、普通の一戸建てなら、後の支払いはローンくらいですが、マンションの場合、ローンに加えて、修繕積立金・管理費といった経常的な支出が生じます。また、マンションの場合、あれやこれやの制限が規約で定められていることもあります。

んで、最後の「既存建物である場合の建物状況調査の実施の有無、及びその結果、設計図書等の保存状況」ですが、これも、「いい買い物にするための商品説明」といえましょう。

こんな風に、「取引に関すること」は、「いい買い物にするための商品説明」という観点から見ると、ぐっと頭に残りやすくなる、ってな寸法です。

近いか、遠いか

さて、長々と「いい買い物をするための商品説明」を見てきました。

最後に、試験的なことを述べておきたいと思います。

試験問題を解く際のキーワードは、「近いか、遠いか」です。

本試験の典型的な出題例は、「○○は、35条の説明対象か?」といった問題です。

たとえば、H29問41で出題された「登記の申請時期」は、35条の重要事項の説明対象でしょうか?

たとえば、H28問42・H29問40で問われた「引渡しの時期」は、35条の重要事項の説明対象でしょうか?

たとえば、「売主の氏名住所」は、35条の重要事項の説明の際に、説明義務のあるものでしょうか?

参考:宅建業法「35条(重要事項の説明)」の過去問リスト

こういう問題を考える際に、先のキーワード「近いか、遠いか」が活きてきます。

先に答えを言うと、3つとも、「説明しなくてよい=35条の対象外」です。

確かに、「登記の申請時期」や「引渡しの時期」、「売主の氏名住所」は、『重要なこと』には、違いありません。

しかし、それは、「いい買い物」に、貢献するかどうかを、考えてみてください。

「登記の申請時期」や「引渡しの時期」は、「商品」と、直接的な関係がありません。

「登記の申請時期」や「引渡しの時期」が早ければ、いい「買い物」になるのでしょうか?

そうではありませんね。

おなじみのオークションを思い起こしてみてください。

オークションでお目当ての物を落札する際、当該商品の発送の時期で、入札の当否を考えるでしょうか?

たとえば、カバンを買う際に、入金後の発送の早さで、(よし、この人は、入金後1日以内に発送するから、入札しよう!!)などと考えますか?考えないと思います。

「登記の申請時期」や「引渡しの時期」は、それ自体はとても重要でも、「商品」そのものとは、あまり関係がなく、かなり、「遠い」ところにあります。

よって、35条の商品説明ではないと判断するってな次第です。

ちなみに、「登記の申請時期」や「引渡しの時期」は、37条書面の記載事項です。

さて、最後の「売主の氏名住所」ですが、これも重要ではありますが、たとえば、大阪府在の山田太郎氏が売主の場合、(大阪に住む山田かー。山田と言う名前も、大阪と言う地方も、あまり好きじゃないから、この家を買うのよそう。京都市の飯島さんから買おう。名前好きだし。)などと考える人はいないと思います。

売主の氏名住所は、「商品」に、直に関係しません。「いい買い物のための商品情報」からは、かなり「遠い」ところにあります。

んなもんで、35条の対象ではない、と判断するってな寸法です。

ちなみに、売主の氏名住所は、37条書面の記載対象です。

当該論点は、いろいろな出題が考えられます。

しかし、「いい買い物のための商品説明」に「近い」か、「遠い」かで、判断すれば、そこそこ悩まずに判別できるかと思います。

しかし、「グレー」なものもあるので、注意してください。以下の補足にまとめています。

補足事項

以下は、整理して、正確に憶えてください。

35条の「物件に関すること」は、「いい買い物のための商品説明」なのですが、どっちつかずのグレーなものもあるので、注意が必要です。

まず、「代金・交換差金の額(消費税額を含む)」です。

価格・値段は、典型的な「商品説明」なのですが、35条の対象外です。

ヤフオク等で、価格重視で入札する人は、間違えやすいので、注意してください。

次に、「支払の時期・方法」も、35条の対象ではありません。

間違えやすいので、意識して、「支払の時期・方法も、35条の対象外」と、憶えてください。

宅地・建物を特定するための表示」ですが、まあ、一般的に言えば、「物件の所在地」なのですが、典型的な「商品情報」でありながら、これまた、35条の対象ではありません。

なお、これら3つ「代金・交換差金の額(消費税額を含む)」、「支払の時期・方法」、「宅地・建物を特定するための表示」は、37条の対象(必要的記載事項)です。

この3つは、個別的に、「商品説明だが、35条ではない、37条だ」と、整理して憶えてください。

以上は、35条の「物件に関すること」の考え方でした。

「取引に関すること」に続きます。

補足リンク

本ページのほか、「宅建業法「35条(重要事項の説明)」の過去問リスト」と「宅建業法「37条(37条書面)」の過去問リスト」で、過去問をチェックしておいてください。

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