「1)精神神経障害」
「医薬品の副作用によって中枢神経系が影響を受け、物事に集中できない、落ち着きがなくなる等のほか、不眠、不安、震え(振戦)、興奮、眠気、うつ等の精神神経症状を生じることがある。」
「これらのうち、眠気は比較的軽視されがちであるが、乗物や危険な機械類の運転操作中に眠気を生じると重大な事故につながる可能性が高いので、眠気を催すことが知られている医薬品を使用した後は、そのような作業に従事しないよう十分注意することが必要である。」
「精神神経症状は、医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・用量でも発生することがある。」
「これらの症状が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。」
「2)無菌性髄膜炎」
「髄膜炎のうち、髄液に細菌が検出されないものをいう。」
「大部分はウイルスが原因と考えられているが、マイコプラズマ感染症やライム病、医薬品の副作用等によって生じることもある。」
「医薬品の副作用が原因の場合、全身性エリテマトーデス(※1)、混合性結合組織病(※2)、関節リウマチ等の基礎疾患がある人で発症リスクが高い。」
「多くの場合、発症は急性で、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐きけ・嘔吐、意識混濁等の症状が現れる。」
「これらの症状が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を直ちに中止し、医師の診療を受ける必要がある。」
「早期に原因医薬品の使用を中止すれば、速やかに回復し、予後は比較的良好であることがほとんどであるが、重篤な中枢神経系の後遺症が残った例も報告されている。」
「また、過去に軽度の症状を経験した人の場合、再度、同じ医薬品を使用することにより再発し、急激に症状が進行する場合がある。」
「3)その他」
「心臓や血管に作用する医薬品により、頭痛やめまい、浮動感(体がふわふわと宙に浮いたような感じ)、不安定感(体がぐらぐらする感じ)等が生じることがある。」
「これらの症状が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。」
「このほか、医薬品を長期連用したり、過量服用するなどの不適正な使用によって、倦怠感や虚脱感等を生じることがある。」
「医薬品の販売等に従事する専門家は、販売する医薬品の使用状況にも留意する必要がある。」
「全身性エリテマトーデス」への「注記」。
「膠原病(こうげんびょう)の一種で、発熱や全身の倦怠感、頬に赤い発疹、手指の腫れと関節炎、口内炎、光線過敏等の症状が現れる。」
「混合性結合組織病」への「注記」。
「膠原病の重複症候群の中のひとつの病型で、寒冷刺激や精神的緊張によって起こる手指の蒼白化(レイノー現象)、手の甲から指にかけての腫れ、多発関節炎、皮膚の硬化等の症状が現れる。」
「3 体の局所に現れる副作用 全記述」に続きます。
大元インデックス・・・「Webテキスト インデックス」
本章インデックス・・・「人体 インデックス」
本節インデックス・・・「症状からみた主な副作用 インデックス」
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