抑肝散‐鎮静‐漢方処方製剤対策

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者の「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の「漢方処方製剤」の「鎮静」に登場する「抑肝散(よくかんさん)」の対策ページ。本ページでは、当該漢方処方製剤のポイントをまとめたり、「○×問題」を出したり、過去問を紹介したりしています。

インデックス

○×問題

 基本問題です。

問1『抑肝散は、体力中等度をめやすとする。』

正誤と解説はこちら。

解説 問1

 問1ですが、正しい記述です。

 まずもって、体力規定ですが、数の多い「体力中等度」となっています。

 「体力中等度」がガチで問われたら、まず、解答できないので、諦めましょう!

 そして、「抑肝散」の場合、「幅広く用いることができる」という独特の表現があるので、憶えやすいかと思います。

 こういう表現があるのは、他に「抑肝散加陳皮半夏」くらいです。

 (※令和4年度の改正により、「幅広く」云々の記述が削除されました。)

問2『抑肝散は、心不全を引き起こす可能性がある。』

正誤と解説はこちら。

解説 問2

 問2は、正しい記述です。

 そのままですが、「抑肝散」は、「心不全」を引き起こす可能性があります。

 当該心不全が出てくるのは、「抑肝散」だけなので、押さえておくべきキーワードです。

 なお、「芍薬甘草湯」の「まれ重篤副作用」には、「鬱血性心不全、心室頻拍」があるので、ごっちゃにしないで、区別して押えましょう。

問3『抑肝散は、比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある。』

正誤と解説はこちら。

解説 問3

 問3は、正しい記述です。

 「抑肝散」に限らず、「鎮静」の薬は、「比較的長期間(1ヶ月位)」、服用されることがあります。


試験傾向

 「抑肝散」ですが、そこそこ出る漢方処方製剤です。

 先の例題で見たように、「心不全」という固有論点があることからも、優先して押えるべきです。

 なお、試験には出ませんし、手引きにも載ってませんが、「抑肝散」は、認知症の改善が見られることから、そこそこ服用されている漢方薬です。

 「抑肝散」は、市販されている漢方処方製剤があります。

 テキストはもとより、ドラッグストア等で、実物を手にして、勉強しましょう。

 amazon参考:抑肝散

 楽天参考:抑肝散

体力

 「抑肝散」の体力規定ですが、「体力中等度」となっています。

 「鎮静」で「体力中等度」なのは、「抑肝散」と「抑肝散加陳皮半夏」の2つしかありません。

 語呂は、「生中欲が抑えられない。」です。

 語呂の詳細ですが…、

 「生中」は、「体力“”程度」です。

 「欲」は、「抑肝散(“よく”かんさん)」と「(抑肝散加陳皮半夏“よく”かんさんかちんぴはんげ)」の2つに係っています。

 割かし使える語呂かと思います。

 なお、アルコールを飲まない人への補足ですが、「生中」とは、「“生”ビールの“中”ジョッキ」です。

ダメな人

 「抑肝散」ですが、手引きには、ダメな人や不向きな人の記述はありません。

 ただ、例題で見たように、「心不全」の起きる可能性があるので、この点は、押えておきましょう。

 応用的な問題で、たとえば…、

 「抑肝散は、心不全の既往歴のある人は、服用に注意すべきである」・・・「○」とか…、

 「抑肝散は、心臓病の人でも、安心して服用できる」・・・「×」と…、

 …といった出題が予想されます。

 「心不全」の可能性があるので、やはり、心臓に疾患等があるなら、安心しては使えないと思われます。

 手引きを抜粋しておきます。

 『(抑肝散は、)心不全を引き起こす可能性があるため、動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた場合は直ちに医師の診療を受けるべきである。

キーワード

 「抑肝散」のキーワードは、やはり、「心不全」です。

 副作用というか、薬の危険性は、よくよく問われるので、「抑肝散・・・心不全」と、ガチ暗記です。

 また、ごぞんじでしょうが、「抑肝散」の効能には、「更年期障害、血の道症」と「小児疳、夜泣き」があるので、これらも、判別に有効なキーワードかと思います。余裕があれば、押えておきましょう。

構成生薬

 「抑肝散」の構成生薬は、「カンゾウ」です。

 基本的に、第1節の「精神神経に作用する薬」の漢方には、その大半にカンゾウが入っています。

 よって、カンゾウ入りを個別で押えるのは、かなりの手間となります。

 「逆」を言えば、「精神神経に作用する薬」の漢方で、カンゾウの入ってないものは、極めて少ないと言えます。

 よって、「カンゾウの入ってない」ものを、語呂で押える方が効率的です。

 んで、当該「カンゾウの入ってない」ですが、「構成生薬がない」ものと、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものの「2系統」があります。

 まず、「構成生薬がない」の語呂ですが、呉茱萸湯と半夏厚朴湯には、構成生薬の「カンゾウ、マオウ、ダイオウ」が入っていません。

 これを示す語呂は、「ご飯なし」です。

 「ご」は、「“”茱萸湯」です。

 「飯」は、「“”夏厚朴湯」です。

 「なし」は、「構成生薬がない」ことを意味します。

 次に、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものですが、これは、「鎮静」と「疳の薬」の「柴胡加竜骨牡蛎湯」です。

 語呂は、「大きなサイの骨」くらいに憶えましょう。

 詳細ですが、「大きな」は「ダイオウ」の「大」で、「サイの骨」は、「“”胡加竜“”牡蛎湯」です。

 このように、「精神神経に作用する薬」では、呉茱萸湯、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯は「カンゾウなし」で、これら3つ以外は、すべて「カンゾウ入り」と把握するってな塩梅です。

 「抑肝散」は、先の「カンゾウの入ってない」語呂には登場しないので、「逆算」で、「カンゾウ入り」となります。

副作用

 「抑肝散」の「稀な重篤な副作用」は、「ない」です。

 ちなみに、「鎮静」と「疳」の薬で、「稀な重篤な副作用」があるのは、「柴胡加竜骨牡蛎湯(肝機能障害・間質性肺炎)」のみです。

 よって、「鎮静・疳のまれ重篤は、柴胡加竜骨牡蛎湯だけで、他はない」と、一括して憶えるといいでしょう。

 なお、先に見た「心不全」の可能性だけは、別個に憶えておきましょう。

数字対策

 「抑肝散」ですが、「比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある」と、記載されています。

 「鎮静」の薬の共通の数字なので、まとめて押えておきましょう。

過去問リスト

 「抑肝散」の過去問演習用として、東京都等の問題をピックアップしました。

 こういう出題があったので、チェックしておきましょう。

東京都

R1 第65問

H30 第66問

関西広域連合

・近年なし。

福岡県

・近年なし。

語呂合わせ一覧

 当該漢方の語呂をまとめておきます。チェック用に。

 ・生中欲が抑えられない…体力中等度。

 ・ご飯なし…カンゾウ・マオウ・ダイオウが入ってない。

 ・大きなサイの骨…ダイオウのみ。

 なお、語呂合わせですが、「鎮静 語呂 まとめ・解説」「鎮静 語呂 逆引き」にまとめているので、こちらも活用してください。

チェック用:手引き抜粋

 『抑肝散』

 『抑肝散は体力中等度をめやすとして、』

 『神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適すとされる。』

 『心不全を引き起こす可能性があるため、動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた場合は直ちに医師の診療を受けるべきである。』

 『比較的長期間(1ヶ月位)服用されることが多い。』

 『構成生薬としてカンゾウを含む。』

こまごましたもの

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