宅建の独学

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅地建物取引士(宅建)の独学について説術。独学合格に必要な「3つ」のことから、傾向・対策を述べる。独学向けの教材の紹介のほか、試験科目の優先順位や学習計画の作成に参考も。科目ごとの「コメント」や「勉強方法」へのリンクもある。「やってはいけない」ことや、合格率・合格基準点・挫折率など、必須の試験情報が得られる。

【重要】本試験日について

 疫病(コロナインフルエンザ)のため、日時・会場・時刻が、変わる可能性があります。

 令和2年度は、10月と12月と、試験が「2回」に分けて行われました。

 本年度も、2回試験の可能性があります。

 試験の1ヶ月前になったら、「公式」を、必ずチェックしてください。

 「当方のTwitter」でも、各種告知を行うので、心配な人は、フォローしておいてください。

令和3年試験について

 令和3年度の本試験は、「10月17日(日)の13時から15時まで(2時間)」となっています。

 なお、12月試験の指定を受けた方については、「12月19日(日)13時から15時まで(2時間)」となっています。

 インターネット申込みは、「7月1日(木)9時30分から7月18日(日)21時59分まで」です。

 郵送申込みは、「7月1日(木)から7月30日(金)まで」です。

 受付期間が到来したら、忘れないように、即、申込みましょう。

 受験料は、「7,000円」です。

インデックス

  1. はっきりさせておきたいこと
  2. 結論から言うと…
  3. 独学合格に必要な「3つ」のこと
  4. 傾向
  5. コメント
  6. 対策
  7. 科目別勉強法
  8. 独学向け教材
  9. 落ちた人向け過去問
  10. 優先順位
  11. 最優先科目
  12. 「後回し」科目
  13. 「捨て問」科目
  14. 「要注意科目」科目
  15. 「後は、お好きに」科目
  16. 学習計画
  17. 学習計画 序盤
  18. 序盤の「やってはいけない」
  19. 学習計画 中盤
  20. 中盤の「やってはいけない」
  21. 学習計画 終盤
  22. 法改正は、絶対レベル
  23. 終盤の「やってはいけない」
  24. 合格率・合格基準点・挫折率

はっきりさせておきたいこと‐5万人放棄の原因

 

 宅建の受験に際し、「はっきりさせておきたいこと」があります。

 それは、『宅建は、1ヶ月や2ヶ月では受からない。』ということです。

 「民法」の知識がある人なら、1~2ヶ月で合格可能ですが、「民法」がゼロなら、「6ヶ月以上(推奨:8ヶ月)」は見ておかねばなりません。

 というのも、宅建最大の関門は、「民法」だからです。

 「勉強時間:民法ゼロの人」等で述べていますが、「民法」は、ボリュームが膨大で、馴染み難く、暗記も理解も手間で、実に、時間を食うものとなっています。

 宅建試験は、毎年「5万人」が試験放棄をしていますが、この原因は、勉強期間の“甘い見積り”です。

 宅建は、「民法の経験者(法学部卒とか他資格で勉強済み)」かそうでないかで、勉強時間も難易度も“大きく異なる”のです。

 はじめて宅建に挑戦する人は、この点だけは、くれぐれ留意してください。

 たとえば、教材も、初心者用は「出る順宅建士テキスト&ウォーク問セット」を使うなど、変えなくてはいけません。

 参考:教材(初学者向け)レビュー

 参考:教材(経験者向け)レビュー

 ところで、不幸にも不合格となった人は、まずは、「不合格対策」の方を一読願います。

結論から言うと…

 宅建の独学合格について、結論から言うと、「テキストを「3回」精読し、「10年分」の過去問を「3回以上」繰り返し、模試・予想問題集を「2~3回」解けば、穏当に合格できます。

 後述しますが、宅建は、「暗記と記憶」が物を言う資格であり、そのため、「やればやるほど」点数が伸びます。

 グダグダ考えず、テキストや過去問をやった「回数」で、自身の実力を測ってください。

 「回数」は、嘘を言いません。最も、確実な指標です。

独学合格に必要な「3つ」のこと

 宅建の独学には、次に述べる「3つ」のことを遵守してください。

 合格エッセンス中のエッセンスです。

独学合格の大原則1‐取れる問題は、絶対に、落とさない

 宅建合格の大原則は、『取れる問題は、1問たりとも落とさない、取る。』です。

 逆に言うと、「取れる問題 落とした人から 不合格」です。

 本試験は、実にシビアで、毎年、新傾向の問題や、難問・奇問の出題があります。これらの問題は、実に点数が取りにくいため、点数計算上、まったく、当てにならないのです。

 よって、定番論点・頻出論点の「取れる問題」で点数を確保することが、本当に、合格のキーとなっています。

 取れる問題を1つでも落とすと、たとえば、都市計画法や建築基準法、税法といった難科目で、カバーする羽目となります。まあ、無理です。よって、他の受験生と、致命的な点差が生まれてしまいます。

 取れる問題をすべて取ることが、宅建試験のすべてと言って、過言ではありません。

 宅建試験は、難問を解く試験ではありません。

 受験生の誰もが知っている問題を、1問たりとも、落とさない試験なのです。

 序盤では、ピンと来ないでしょう。しかし、それでも、先の文言を、頭の片隅に置いといてください。試験日が近づくに連れて、切実に、わかってくるはずです。

独学合格の大原則2‐民法で決まる

 2番目の大原則は、『民法で決まる』です。

 これは、昔も今も、変わらぬ傾向で、宅建は、「民法」の得点次第で、合否が決まります。

 合格基準点は、おおむね「35点」なのですが、他の科目では、取れる点数(得点の上限)がほぼ決まっています。

 参考:宅建本試験の予想得点計画

 よって、「民法」の点数が、合格ボーダーを越えるか否かの「運命の分かれ道」となっています。

 一概には言えないのですが、「民法」で、「7点以上」取れていると、高い確率で合格できます。

 言い換えれば、「民法」の失点が少ない人ほど、受かっています

 序盤から、「宅建のキー科目は、民法」と、意識しておいてください。

独学合格の大原則3‐過去問を繰り返す

 3つめの大原則です。

 『過去問を繰り返す』です。

 その理由は、「選択肢の使い回し」があるからです。

 たとえば、「H28 第45問」の選択肢1と、「H29 第45問」の選択肢2です。

 ほとんど同じ内容です。んなもんで、過去問をきちんと消化していれば、選択肢の1つは、確実に判別でき、結果として、『8%』も正解率が上昇した、ってな次第です。

 本試験では、7年前の選択肢が、5年前の選択肢が、3年前の選択肢が、再登場する可能性は極めて『大』です。

 過去問演習は、掛け値なしで有利になるので、最も力を入れてください。

 なお、終盤になってからでいいのですが、どんなに馬鹿らしい選択肢でも、「一応は、内容を把握し、解けるようになっておく」ようにしてください。

 (こんなん、絶対に出ないよ)と思っていたら、再び、登場することは、“実に”あるのです。

 わたくしごとですが、「H27‐第7問:抵当権」の問題を見たとき、(こんな、クソみたいな論点、絶対に出ない!)と判断したのですが、「R1‐第10問:抵当権」に、同様の問題が出題されてしまいました。

 わたしが現役の受験生なら、R1試験は、この失点で落ちたはずです。

 こんな次第で、後々でいいので、「過去問は、1問たりとも、甘く見ない」を、徹底してください。

傾向

 かつての宅建は「暗記」オンリーの試験でしたが、かなり変わりました。

 現状は、「暗記6割:理解4割の試験」となっています。

 「暗記」は相変わらず重要なのですが、メインの「民法」と「宅建業法」では、法制度の趣旨や条文内容を、“正確に”理解していないと、取れない問題が増えています。

 参考:

 参考:H28 第2問‐民法:制限行為能力者

 参考:H29 第33問‐宅建業法:免許関係

 昔のように「テキストを暗記しただけ」や「過去問を機械的に繰り返しただけ」では、合格は危ういです。

 出題者は、そういう“だけ人間”を落とすような“ひっかけ問題”を、多数、繰り出すからです

 参考:H28 第35問‐宅建業法:免許関係

 参考:宅建「ひっかけ」問題の過去問リスト

 最初のうちは、しっくりこないでしょうが、後半になるほど、「理解しながら、憶える」ことが大事になります。

コメント

 宅建の試験科目ですが、「権利関係」「法令上の制限」「宅建業法」「その他」の「4つ」に分類されます。

 これらの傾向ですが、個々の科目によって異なります。

 どういうものか知らないまま勉強すると、精神的にシンドイです。

 まずは、科目別の「コメント」に目を通し、それぞれの科目が“どういうものなのか”を把握してください。

権利関係のコメント

 民法コメント

 借地借家法コメント

 区分所有法コメント

 不動産登記法コメント

法令上の制限のコメント

 都市計画法コメント

 建築基準法コメント

 農地法コメント

 国土利用計画法コメント

 宅地造成等規正法コメント

 土地区画整理法コメント

宅建業法のコメント

 宅建業法コメント

その他のコメント

 税法コメント

 不動産鑑定評価等

 住宅金融支援機構

 景品表示法

 統計

 土地・建物

対策

 「対策」ですが、まずもって、最も致命的なことになる「民法ゼロ」の人を対象に、対策を述べていきます。

 民法経験者の人は、読み飛ばして、「科目別勉強法」を見ていってください。

【民法ゼロ人】民法・宅建業法等の両輪で

 「民法ゼロ人」の試験勉強ですが、民法と宅建業法等とを、並行してやっていきます。

 片一方に「民法」を、もう片方に「宅建業法等」を置いた両輪方式です。(宅建業法“等”なので、もし、宅建業法が終われば、法令上の制限などと並行することになります。)

 法律初学者の人は、「民法」を、必ず、毎日、少しでも、勉強してください。

 長時間でなくてもいいです。1~2ページの10~20分でOKです。

 比重は、宅建業法等8:民法2または9:1くらいで結構です。ただ、「毎日」やることを、忘れないでください。

 どうしてかというと、「民法」は、点が取れるようになるまで、どうしても、時間がかかるからです。

 ぶっちゃけいえば、「宅建業法」は、GWなどで集中的に勉強すれば、余裕で12~15点くらい、取れるようになるのです。

 「法令上の制限」の個々の法律は、3日もあれば、1点取れるようになるのです。

 しかし、「民法」は、全く事情が異なっていて、短期間で、どうこうなる科目ではありません。

 経験者は語りますが、「民法」は、勉強していても、ずうっと「いまいち」な状態が続くのですが、あるとき、“ぱっ”と、瞬時に、わかるときが来るのです。こうなると、メキメキと点が取れるようになります。

 「民法」は、今すぐ、できなくても、いいです。とにかく、やること・消化すること・慣れることが本当に大事です。

 騙されたと思って、毎日、少しでいいので、「民法」を、進めてください。本当に、亀の歩みでいいです。こんなんでいいの?でいいです。

 民法を「やらない」や「後回し」より、100倍、受かると断言しておきます。

 宅建は、毎年5万人近くが試験放棄をしますが、おおむね、「民法」がらみです。

科目別勉強法

 科目別の対策ですが、一概に言えるものではありません。

 よって、勉強方法は、科目別に見ていかないといけないのですが、長くなったので、別ページとしました。

 以下の…、

 ・民法の勉強方法

 ・民法以外の権利関係

 ・法令上の制限の勉強方法

 ・宅建業法の勉強方法

 ・その他の勉強方法

 …を、参考にして、消化していってください。

独学向け教材

 結論から言うと、「初心者はLECで、経験者は住宅新報社」です。

 詳しくは「教材(初学者向け)レビュー」と「教材(経験者向け)レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 初心者(法律の未学習者・法律が苦手な人)は、LECの教材「出る順宅建士テキスト&ウォーク問セット」でそろえます。

 本シリーズは、『図や絵』が多く、市販教材中、随一の初心者向け仕様なので、初めての人やゼロからの人に、唯一推薦できる教材です。

 なお、民法がとりわけイヤな人は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」や、「民法はおもしろい」から、頭を慣らせていくとよいでしょう。

 次いで、民法を学習済みの人や法学部卒、再受験組の方は…、

 住宅新報社の「パーフェクト宅建-基本書」と「パーフェクト宅建過去問10年間」を、使います。

 簡潔かつシンプルで余計なものがないので短時間で合格レベルまで達せられます。必要十分です。

 また、中盤・終盤で必要となる予想問題集・模試問題集は、「宅建:予想問題集等」にまとめています。後々、参考にしてください。

落ちた人向け過去問

 去年に落ちた人は、過去問の買い替えに躊躇してしまいます。

 『1年分』だけ必要なのに、1冊丸々買うのもなーといった塩梅です。

 そこで、手前味噌ですが、過去問に解説を付与したものを…、

 ・令和2年度10月 過去問+解説

 ・令和2年度12月 過去問+解説

 ・令和1年度 過去問+解説

 ・平成30年度 過去問+解説

 ・平成29年度 過去問+解説

 …、アップしています。参考にしてみてください。

 なお、当時の過去問に、当時の解説です。法改正には対応していないので、参考程度にご活用ください。

優先順位

 試験科目は、その「すべて」が等しく重要なのではありません。

 費用対効果の悪いものもあり、そういうものを、無理して勉強する必要はありません。

 先に述べた「コメント」と少し被りますが、重要なものから、消化して行きましょう。

最優先科目

 試験科目のうち、最優先すべきは、出題数の多い「宅建業法」です。

 次いで、合否の鍵を握る「民法」です。

 当該2科目ができないと、そもそもが、宅建に受かりません。

 よって、最優先して、消化せねばなりません。

 特に、「民法」は、初学者が後手に回りやすいので、注意してください。

「後回し」科目

 「後回し」するのは、「税法」と「統計」です。

 「税法」は、正直、費用対効果が悪いです。

 テキスト・過去問をきちんと勉強しても、斜め上の問題が出たり、素人には到底わからない問題が出たりと、対策が実に執りにくいです。

 「税法」は、他の論点があらかた済んでから、着手するようにします。

 次に、「その他」の「統計」ですが、これは、予想問題集・模試問題集で勉強するのが、最もコスパがいいです。

 当該予想問題集等をするのは、試験勉強の終盤あたりなので、最初のうちは、「統計」は見るだけで、暗記等はやらなくていいです。

「捨て問」科目

 “先入観”はよくないのですが、最初から「捨て問」として想定しておくべき科目が、「不動産登記法」です。

 当該「不動産登記法」は、傾向が一定しておらず、テキスト外の出題もあり、費用対効果が極悪です。

 他の重要科目が済んでない・不安・やり足りないと感じてるなら、そちらを優先してください。

 時間に余裕ができてから、「保険の意味」で着手です。上級者用科目と言えるでしょう。

要注意科目:都市計画法と建築基準法

 得点上、「落とすわけにはいかない」ので、勉強しないといけないのが、「都市計画法」と「建築基準法」です。

 両法とも、「2問」が出題されます。

 両法ともボリュームが膨大で、そのうえに、「暗記と記憶」ばかりで、しかも、憶えることがクソ多いくせに、1つ1つの論点が出るかどうか、かなり“疑わしく”、費用対効果は極限に悪いです。

 たとえば、「建築基準法」の「用途制限」ですが、クソのような「表」を憶えて、選択肢1つくらいしか出題がありません。(しかも、毎年出るわけでもないのです。)

 

 当該2法を、他の科目のような感じで臨むと、圧倒的な「めんどくささ」に、試験勉強に嫌気が差します。

 当該2法は、「都市計画法」と「建築基準法」に述べている対策のように、「1点確保」を目標にやってください。

後は、お好きに科目

 先に挙げた科目以外は、相対的に、ボリュームが少なく、傾向も一定しており、また、勉強時間をそう食わないので、“箸休め”くらいの感じでやっていけるものです。

 挙げると…、

 「権利関係」の「借地借家法」や「区分所有法」、

 「法令上の制限」の「宅地造成等規制法」「土地区画整理法」「国土利用計画法」「農地法」、

 「その他」の「不動産鑑定評価・地価公示法」、「土地」「建物」、「住宅金融支援機構」、「景品表示法」といった次第です。

 上記科目は、比較的、勉強しやすいので、名科目の間などで消化するか、土日祝などの連休で、ざっと終わらせていけばいいでしょう。

 ただ、“お好きに”とはいえ、点数計算上、重要なものばかりなので、当然、「捨て問」は厳禁で、油断大敵のものとなっています。

 先に挙げたものは、落とすと、致命的な失点となるので、ゆめゆめ、手を抜かないようにしてください。

学習計画

 試験勉強は、数ヶ月に及ぶ長いものとなります。

 よって、「2~3ヶ月」ごとに区切って、個々に「中間目標」を立てます。

 こうすると、自分の立ち位置が明白になるので、ダレが生じません。

序盤の学習計画と目標

 序盤の、それも、やりはじめて1~2ヶ月くらいの時期は、「宅建に慣れること」を、目標にしてください。

 急に勉強を始めると、脳が拒絶反応を起こすので、最初は、「水に慣れる」くらいで丁度いいです。

 まあ、こういうとアレですが、最初の1~2週間くらいは、遊んでいていいです。

 先に挙げた「コメント」や「勉強方法」を参考にしながら、「宅建」がどういう試験なのかを、把握して行きましょう。

 で、中間目標ですが、序盤は、「テキストを1回、読み通す。過去問を1周、何とかやりぬく。」ことにします。

 テキスト・過去問ともに、“ざっくり”でいいです。内容把握くらいでいいです。

 実力を完成させるのは、中盤・終盤になってからです。まずは、とりあえず、テキスト・過去問を、1回終わらせる計画を練ってください。

 曲りなりにでも、最後まで“終わらせて”いると、精神的に、かなり「楽」になります。

 とりあえず、テキストと過去問を、最後まで、読み通して解き切ってください。

序盤の「やってはいけない」

 序盤の「やってはいけない」ですが…、

 ・複数テキスト

 ・ノート作り

 ・ダメ教材を使う

 …3つです。

 まずもって、「テキストは、1冊で十分」です。

 たくさんテキストを買っても、頭はよくなりません。反対に、情報の集約ができないために、成績が下がります。

 市販テキストは、基本的に、完成度は高いです。何冊も要りません。

 逆に言えば、他のテキストが必要になるテキストは、その時点で『ダメ』の証左です。

 テキストは、1冊に絞ります。

 次に、「ノート作り」です。

 落ちる人ほど、ノート作りが好きです。

 しかし、ノートを作って、勉強した気になってはいけません。

 ノートを作っても、頭に入っていなければ、貢献度は「ゼロ」です。

 ノート作りは、手間も時間も食うため、配偶者なみに費用対効果が悪いです。

 ノートを作らずとも、多数の人が合格しています。わたしもそうでした。

 ノートは、よほどの苦手論点や難論点、失点事項に限定して作ります。

 “最悪のノート”は、テキストの丸写しです。試験勉強は、写経ではありません。

 最後は、「ダメ教材を無理に使う」です。

 落ちる人ほど、中身のないテキスト・過去問を使っています。

 宅建は、『市場』が大きいことから、有象無象の教材が市販されています。

 すべてダメとは言いませんが、正直、(これで合格できんの?)と、頭を捻るものも多々あります。

 誤ってダメ教材を掴むこともあるでしょう。しかし、ダメ教材を、無理して使い続ける理由は絶無です。

 ダメ教材を使い続けて不合格になることほど、愚かなこともありません。

 相性問題もあるので、教材の買い替えは、柔軟に考えてください。

中盤の学習計画と目標

 一通り、テキストと過去問とが済んだら、次は、「過去問の制覇」で、これが、中盤の中間目標となります。

 先に述べたように、宅建では、「過去問」が最も重要な教材となっています。

 よって、中盤でも、“やっぱり”過去問であり、「過去問2回目」に、駒を進めることになります。

 そして、過去問演習に加えて、テキストの「精読」を行っていきます。

 序盤では“ざっくり”でしたが、2回目となると、自分が知っているところ・理解しているところと、そうでないところが明白になっていると思います。

 2回目のテキストは、後者の「まだ不明なところ・不安のあるところ・憶えてないところ・理解していないところ」を、丁寧に読み進めます。

 そして、頻出論点の表やリスト、数字を、細切れ時間を活用して、ガチ暗記していきます。

 過去問演習の結果を元に、憶えるべきものを消化していってください。

中盤の「やってはいけない」

 中盤の「やってはいけない」ですが、「民法がらみのもの」が多いです。

 まずもって、「民法をやらない」が、絶対にダメです。

 他の科目がどれほどできても、「民法」で5~6点は点が取れないと、落ちます。

 とどのつまり、「民法」ができないと、結局は試験に落ちるので、他の科目を勉強することも無意味と化すのであります。

 また、民法の「後回し」が過ぎると、本試験に間に合わなくなって、受験料をドブに捨てることになります。

 「民法」がシンドイのはわかりますが、「民法の勉強方法」や「民法コメント」を参考に、毎日少しずつ、イヤにならない程度でいいので、進めてください。

 最後に、「根を詰める」のもダメです。

 中盤ですから、本試験はまだまだ先で、“追い込み”レベルでがんばっても、意味がありません。

 アクセル全開では、どんな車も壊れます。やめるために頑張るようなことは止めましょう。

終盤の学習計画と目標

 終盤の目標ですが、「予想問題集・模試問題集で問題演習、テキスト・過去問の総復習、法改正対策」です。

 終盤に指しかかったら、予想問題集・模試問題集を追加して、問題演習の「数」を稼ぎます。

 過去問とは違う問題を解くことで、知識に磨きがかかります。

 予想問題集・模試問題集は、良問が多いので、「2~3回」は、繰り返します。

 この際、「後回し」としていた、「税法」や「統計」に着手してください。

 参考:税法

 参考:統計

 次に、テキストと過去問の「総復習」を行います。

 つまり、過去問を、もう一度解き直し、同時並行して、テキストの精読を行います。

 過去問を解きながら、テキストを読みながら、知識の整理や再記憶を、図ってください。

 テキストの頻出論点は丁寧に、過去問出題事項も丁寧に、未出題部分も、目を通しておきましょう。

 過去問は、どの選択肢も、それがどんなにクソみたいなものでも、一応は、答えられるようになっておきましょう。

 さて、残るは「法改正」ですが、これは、節を改めます。

法改正は、絶対レベル

 昨今の宅建では、「法改正」がド頻出論点となっています。

 特に顕著なのが、「宅建業法」と「建築基準法」です。

 両法では、実に実に、法改正が出題されるようになっています。

 (こんなん出るんかいな?)と思うようなものが、本試験では出題されています。

 お使いのテキストや過去問、問題集の出版社からは、「法改正情報」をまとめた冊子なりPDFなりが提供されるはずです。

 当該「法改正情報」を入手して、先の2法の改正があれば、ガチで暗記してください。

 他の法で改正があれば、これも、重視してください。

 とりわけ、「税法」です。ピンポイントで出題されることもあるので、絶対に油断ができなくなっています。

 「法改正情報」は、そんなに分量はありません。

 しかし、そこから、選択肢の3~5個は出る勢いなので、実に、コスパが言いといわざるを得ません。

 「法改正情報」は、ガチ暗記で臨むようにしてください。

終盤の「やってはいけない」

 終盤の「やってはいけない」ですが、以下の…、

 ・法律“学”の勉強

 ・深夜勉強

 ・体調軽視

 …3つです。

 まずもって、「法律“学”の勉強」をしてはいけません。

 わたしたちの試験勉強は、あくまで、「宅建」に合格するものであり、法学部の徒のような「学問」ではありません。

 「民法」を勉強したためか、「法律」の勉強が面白くなる人がいます。

 「論理」の「体系」にしびれたのか、法律のウンチクを、長々と述べるようになるのです。

 宅建士に、法律の深い解釈は、求められていません。

 判例知識や法解釈を過度に追求しても、試験にはまず出ないので、合格が遠のくだけです。

 過ぎたるは尚及ばざるが如し。余計なことは、無駄。

 法律を“学”として勉強したいなら、宅建に合格した後で、上級法律資格でやりましょう。

 次に、「深夜勉強」がダメです。

 勉強が深夜に及ぶのもわかりますが、少しずつ、時間を朝方・昼方に持っていってください。

 本試験は、「昼」に行なわれるので、「夜方」だと、実力の発揮が妨げられるおそれがあります。

 試験1ヶ月前から、ド深夜の勉強は、意図的に避け、「朝・昼」に頭が動くよう調整しましょう。

 最後に、「体調軽視」は、最大にダメです。

 無理に無理を重ねても、体調を崩してしまえば、そのがんばりは、即、雲散霧消します。

 最悪は「風邪」で、「風邪」を引けば、「マイナス5点」の減点と同じです。穏当に、落ちます。

 きちんと勉強した人なら、相応の実力が備わっているので、1~2日、休んだところで、合否には影響しません。

 試験1週間前から、「体調管理」に努めてください。疲れているなら、寝ましょう。

合格率・合格基準点・挫折率

 合格率は平均「15%前後」で、「6人に1人しか受からない」試験となっています。

 次に、合格基準点ですが、おおむね「35点前後」となっています。

 「7割」を正解しなければならないため、1問1問の比重がとても高いです。

 ちなみに、直近試験の令和1年度(2019年度)の宅建試験ですが、申込者数が「276,019人」、受験者数が「220,797人」で、合格者が「37,481人」と相なりました。

 合格率は「17.0%」で、合格基準点(一般受験者)は、「35点」となっています。

過去の数字

 過去の合格率と合格点を挙げると…、

 前年度の平成30年度(2018年度)は、合格率は「15.6%」で、合格基準点(一般受験者)は、「37点」でした。

 んで、前々年度の平成29年度(2017年度)は、合格率「15.6%」で、合格基準点「35点」でした。

 んで、前々年度の平成28年度(2016年度)は、それぞれ「15.4%」で「35点」でした。

 多少の増減はありますが、例年、同じような数字が続いています。

毎年5万人が試験放棄

 まず、知っておいてほしいのは、宅建の挫折率の高さです。

 例年、5万人弱の人(全申込者のうち2割)が、試験を申し込むも、本試験を受けずに「試験放棄」に到っています。

 先に見たように、直近の令和1年度(2019年度)では、申込者数が「276,019人」、受験者数が「220,797人」でした。

 申込んだが試験を受けずじまいだったのは、「276,019-220,797」で、「55,222人」が、試験放棄をしています。

 その原因は、やはり、宅建の『想像以上の手強さ』だと思います。

 断言しますが、宅建を甘く見ると、間違いなく、試験勉強に挫折します。

 安易な受験は、お金と手間と時間の無駄です。決意も勝算もなく、漫然と宅建を受験するのはやめましょう。

 特に、「過去の合格者」の意見には、注意してください。

 宅建は、確かにカンタンな時期がありました。

 しかし、それは、完全に過去のものです。

 脅すわけではありませんが、現在の宅建は、もはや『別物』であり、片手間では受かりません。

 口当たりのいい情報、薄っぺらい体験談に惑わされず、宅建がどういう試験なのかを実地に確かめて、相応の“覚悟”を決めて、試験勉強に入ってください。

宅建のこまごましたもの

 目下作成中。

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