宅地建物取引士(宅建)の勉強方法:法令上の制限‐都市計画法

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅建の試験科目「法令上の制限」の「都市計画法」の勉強方法を説述したページ。本試験の傾向や特徴、頻出論点(開発許可・都市計画の内容)、勉強方法を述べる。ポイントをまとめたノートへのリンクも併せて掲載している。

都市計画法 基本情報

 「コメント」で述べているように、「都市計画法」は「2問」出題です。

 「1問」は、定番論点・頻出論点からの出題で、比較的取りやすいです。

 しかし、もう「1問」が全般的(ランダム・アラカルト)で、実に点が取り難くなっています。

 「2問」満点は、そもそもが厳しく、狙っても、費用対効果がとても悪いです。

 よって、まずもって、「1点」狙いでいくのが賢明です。

傾向

 正誤を問う「正誤問題」がほとんどです。

 しかし、時に、正しい組み合わせはどれか?といった、「組み合わせ系」の出題があります。解答時には注意してください。

 出題形式は、総合問題が多いですが、時に、単一テーマで攻めてくることもあります。

 両形式とも、「知識問題」で、知らないと解けません。

 ストレートにサクサク解ける問題は少なく、ギリギリまで選択肢を絞ってから、解答するのが大半です。

 手に終えなさそうなら、「捨て問」にして、他の問題でカバーするのが賢明です。

勉強方法

 先に述べた「1点」狙いのため、頻出論点を優先します。

 頻出論点以外は、ぼちぼち・追々でよく、「後回し」にします。

 出題は、知識問題ばかりなので、オーソドックスに、テキスト精読と過去問演習が中心となります。

 頻出論点の定義・内容・数字は、ガチ暗記が必要です。

頻出論点

 頻出論点ですが…、

 ・開発許可

 ・都市計画の内容

 …が、超絶でるでる論点です。

 ほぼ例年、当該2つの論点から「1問」が出題されています。

 当該2論点が100%できるようなら、「都市計画法」で「1点」取れる勘定となっています。

開発許可1

 「開発許可」で最も問われる論点は、「開発許可の適用除外」規定です。

 開発許可が無用になる、以下の…、

 ・市街化区域・・・1,000㎡未満

 ・区域区分が定められていない都市計画区域・・・3,000㎡未満

 ・準都市計画区域・・・3,000㎡未満

 ・都市計画区域および準都市計画区域外の区域・・・1ha未満

 …は、「語句(準都市計画区域とか)」と「数字」を、ガチ暗記してください。

 本試験では、オーソドックスに、たとえば、「市街化区域での3,000㎡の開発行為には、許可が要らない」などと出題されます。

 「×」です。

 先のリストによれば、「市街化区域」の場合、「1,000㎡未満」なら許可は無用ですが、例題では、「3,000㎡」なのですから、許可が必要となります。

 まずもって、先の「語句」と「数字」とを暗記してください。これができないと、何にもできません。

 さて、注意すべきは、「未満」のところです。

 本試験では、当該未満の意味がつかめているかどうかも問われています。

 たとえば、「準都市計画区域での3,000㎡の開発行為には、許可が要らない」といった出題です。

 「×」です。

 先のリストによれば、「準都市計画区域」の場合、「3,000㎡未満」なら許可は無用ですが、例題では、「3,000㎡」なのですから、許可が必要となります。

 また、たとえば、「準都市計画区域での3,000㎡以上の開発行為には、許可が要らない」といった出題もあります。

 「×」です。

 「準都市計画区域」での「3,000㎡“以上”」の開発なのですから、許可が要ります。

 またまた、たとえば、「準都市計画区域での3,000㎡以下の開発行為には、許可が要らない」といった出題です。

 「×」です。

 例題の場合、「以下」なわけですが、そうなると、3,000㎡が含まれてしまい、3,000㎡のものでも許可が無用となってしまいます。

 3,000㎡未満なら許可無用なのですから、3,000㎡だと許可が要ります。

 …頭の中がゴチャゴチャになってきたのではないでしょうか?

 だからこそ、出題者は、当該論点を出題するわけです。

 こんな次第で、本試験では、「以上」や「以下」「未満」をいった閾値を突いてくるので、キッチリと用語を押えておきましょう。

 参考:以下・以上・未満・超える

開発許可2

 次に、「開発許可」で押えるべきは、「例外規定」です。

 つまりは、「一見すると開発行為だが、例外的に、こういう開発行為なら、許可が要らなくなるもの」を問うて来るのです。

 代表例を挙げると、『市街化区域以外の区域内において行う開発行為で、農業、林業、漁業のように供する一定の建築物、または、これらの業務を営む者の居住用建物』の場合は、許可が要らないといった塩梅です。

 先の代表例以外にも、「例外規定」が多々あり、それらを憶えることが「試験勉強」と相なります。

 例外規定は、テキストでは、真っ赤になっているので、そこを重点的に読み、書くなどして、憶えるようにしてください。

 兎に角、「開発許可」は、先の数字規制と例外規定とを、1字1句レベルまで、押さえておくべきです。

都市計画の内容

 さて、「都市計画の内容」ですが、まずはボリューム小の「区域区分」のところからやっていきましょう。

 ここは、そう出ないのですが、都市計画法の基本的なところなので、ここがわかってないと、以降の論点が茫漠となるので、押さえておくべきところとなっています。

 出題されるのは、「市街化区域」と「市街化調整区域」の個々の定義や内容が、比較問題として問われます。

 さて、重要なのは、ボリューム大の「地域地区」です。

 ここでは、「用途地域」「特別用途地区」「特定用途制限地域」「特例容積率適用地区」といった地区・地域・街区が個々に問われます。

 メジャーな地域・地区のみならず、昨今では、風致地区までが出てきているので、1つ1つをていねいに押えていかねばなりません。

 時間がかかりますが、毎日「3つ」ずつ、消化していくようにしてください。

 ここは、よく似た名称が多いので、たとえば、「高度地区」と「高度利用地区」などが、混同を狙った「ひっかけ」で出題されることがあります。

 参考:H28 第16問

 繰り返しますが、個々の地区なり地域の特徴を、丁寧に押さえていってください。

頻出論点まとめ

 「都市計画法」は、全部を憶える必要はありません。

 頻出論点以外は、ざっくりでいいです。

 しかし、頻出論点である「開発行為」と「都市計画の内容」のところは、きっちりと丁寧に、そして、注意深くやってください。

 頻出の数字や例外規定は、丁寧に憶えてください。

 過去問に出たところは、言わずもがなチェックを入れ、過去問に出ないところも、丁寧にテキストの記述を追っておくべきです。

 先に述べたように「都市計画法」は、頻出論点での「1点」狙いです。

 よって、「開発行為」と「都市計画の内容」で「1点」取れるよう、尽力してください。

頻出以外

 「都市計画法」ですが、頻出論点以外は、「都市計画全般」が問われています。

 挙げていくと、「都市計画の決定手続き」、「都市計画制限」、「準都市計画区域」などですが、一口で言うと、これらは「後回し」です。

 あまりに範囲が広く、どこが出るかは「運」のため、費用対効果が悪いからです。

 まず、やる時期ですが、頻出以外は、試験科目のすべてが終わってから、着手しましょう。

 つまりは、最後の「その他(統計とか土地建物とか)」が終わってから、ぼちぼちやるくらいでいいです。

 んで、やることですが、過去問を解いて選択肢の「使い回し」に備え、過去問に出たところは、テキストにチェックを入れて、精読しておくくらいが関の山です。

 過去問に出てないところは、ざっくり見ておくくらいにします。ガチ暗記は無用です。

 受験生にやれることは、このくらいだと思います。

本試験の心得

 本試験では、「見極め」が肝心です。

 前もって、「都市計画法」は、1問が難問と想定しときましょう。

 こう言うとアレですが、当方の憶測なのですが、「都市計画法」は、宅建試験全体の“難易度調整弁”になっているように、思われます。

 つまり、他の科目の問題がやさしすぎた場合、本問を難しくして、最終得点を上げたり、その逆で、他が難しかった場合、本問をやさしくして、点数を上げるってな塩梅です。

 「都市計画法」は、ガチ知識問題なので、出題者からすると、いくらでも難問を繰り出すことができます。

 よって、本試験にて、過去問の傾向とは異なる難問が出た場合、(あー、今年は「都市計画法」で難問みたいね)的に判断して、無駄な時間をかけないことが肝心です。

 あらかじめ、今日のラッキーナンバーを決めておくといいです。

 即効で、てきとーに解答して、他の問題に尽力しましょう。

まとめ

 「都市計画法」ですが、兎にも角にも、「開発許可」と「都市計画の内容」を徹底してください。

 テキスト精読のみならず、過去問演習も徹底し、選択肢の「使い回し」に備えてください。

 予想問題集・模試問題集も、当該「開発許可」と「都市計画の内容」の問題は、丁寧に解説を読み、自分の物としておきましょう。

 参考:宅建:予想問題集・模試問題集レビュー

 「都市計画法」は膨大にありますが、先の頻出2論点の“完全制覇”を目標とし、ここで「1点」取れるよう、がんばってください。

 本試験では、「都市計画法」で「1点」取れたら御の字です。

 頻出論点以外は、押える程度でOKです。余力がない限り、深追いは止めておきます。

 最後に、「法改正」について、述べておきます。

 「都市計画法」には、そう改正がありませんが、もし、「法改正」があった場合は、どんな些細な内容であっても、“必ず”チェックして、頭に叩き込んでいてください。

 「法改正」事項は、昨今の宅建の頻出中の頻出論点となっているので、ガチで憶えて込んでください。

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